立ち上げから3年、巨大コンテンツへ目覚ましい躍進 朝倉未来が明かす「BreakingDown」成長の要因
約3年前に朝倉未来の「思いつき」で始まった1分間で最強を決める格闘技エンターテインメント「BreakingDown」。その節目の大会「BreakingDown10」が23日、さいたまスーパーアリーナ・コミュニティーアリーナで開催された。大会終了後、未来が団体成長の要因を明かした。「BreakingDown」とはどんな大会なのか、記念大会を終えたいま振り返る。
「BreakingDown」第10回大会が開催
約3年前に朝倉未来の「思いつき」で始まった1分間で最強を決める格闘技エンターテインメント「BreakingDown」。その節目の大会「BreakingDown10」が23日、さいたまスーパーアリーナ・コミュニティーアリーナで開催された。大会終了後、未来が団体成長の要因を明かした。「BreakingDown」とはどんな大会なのか、記念大会を終えたいま振り返る。
未来が成功の要因と語ったのは「試合に至るまでのストーリーを視聴者に見せたこと」。地下格闘技「THE OUTSIDER」出身の未来が「人の人生を豊かにしたい」と立ち上げたイベントは格闘技のすそ野を広げ、賛否はあれど大きなコンテンツとなった。
第1回大会は2021年7月4日で東京にある格闘技ジム・トライフォース赤坂で行われた。22年3月の第4回大会からはオーディションを初めて導入。同7月の第5回では女子が初参戦、同8月にはスピンオフ大会実施と回を重ねるごとに大きなイベントへと成長していった。会場も段々と大きくなり、「THE OUTSIDER」との対抗戦や、かつてのK-1で活躍したレジェンドたちとの対戦、日韓対抗戦などをへて、記念大会となった10回大会ではついに格闘技の聖地・さいたまスーパーアリーナに隣接するコミュニティーアリーナでの開催となった。
いろんなキャラクターを輩出してきた「BreakingDown」
「BreakingDown」はこれまでさまざまなキャラクター(選手)を輩出してきた。未来は第4回大会から登場した少年刑務所上がりの肩書きで参戦してきたこめおを人生が変わった選手のひとりとして挙げた。“アウトローのカリスマ”瓜田純士と名勝負を繰り広げ、SNSのフォロワーは数十万人規模に。クールで寡黙な飯田将成もボクシング仕込みの強さで団体のエースとして活躍、一方でジブリ好きというギャップで人気を博している。
また未来と同じ「THE OUTSIDER」出身の格闘家たちもこのイベントで再びスポットライトを浴びた。瓜田もそのひとりで顔面タトゥーな派手な見た目に義理人情に厚い性格やワードセンスで常に話題の中心に。“キングオブアウトサイダー”と言われる啓之輔、実業家の顔も持つ萩原裕介は登場するたび、会場は大歓声だ。
他にも未来の弟子である西谷大成やヒロヤは「BreakingDown」から「RIZIN」へ成り上がり。西谷はスポンサー料が4ケタを超えていることでも話題に。未来の弟・海の弟子である“勾配ニキ”こと信原空は「DEEP」の舞台からプロに挑戦している。
注目度の高さから賛否呼んだ「BreakingDown」
いまや世間に大きな影響を与えている。バラエティー番組で芸人たちが何か揉め事をすると「BreakingDownか」とツッコミが入ることも。また「BreakingDown」のオーディションを模したネタ企画やコント企画が放送されているほど。
同時に批判的な声も増えてくる。前科者や、刺青入りファイターの参戦、さらに見るに堪えないののしり合いや、流血乱闘から格闘技界への悪影響を懸念する声も関係者から多く声が上がっている。元K-1ファイターの魔裟斗は「格闘技の未来がなくなる」と、現RIZIN王者の鈴木千裕は「不良やヤンキーが格闘技の質を下げている」と発信した。
一方で現場からは別の声もある。日本の名門ジム・パラエストラ柏所属で総合格闘家として戦いながらジムでインストラクターをしている神田コウヤは「日本の格闘技ジムは潤っている部分はあります」と明かしていた。「BreakingDown」を模したような格闘技団体も次々と立ち上がっている。
選手視点で見ると、選手の格闘キャリアの選択肢のひとつにもなっているようだ。K-1のトップ戦線で活躍していた安保瑠輝也や才賀紀左衛門の参戦は大きな話題となった。
プロ団体へ対抗戦を呼びかけ「BreakingDown側の底上げになっていく」
今後はどのように展開していくのか。記念大会ではBreakingDown勢とプロ格闘家との対抗戦を実施。結果は3勝2敗でBreakingDownが勝利した。1分とはいえ実力ある選手もそろってきている。
これを受け未来は「またこれで賛否が生まれてきそうですけど、BreakingDownをよく思っていないプロ団体の関係者様、『うちなら勝てるよ』という方は11回大会で対抗戦しましょう」と呼び掛けた。
ただの宣戦布告ではない。今月9日には「BreakingDown」の台頭についてプロ格闘家視点で見ると「悔しい」と語っていた。アスリートとしての格闘技を広げるためにも選手の成長をプロモーターとして望んでいる。
「10回大会の対抗戦はプロといってもトップ選手ではなかった。トップ選手が格の違いを見せに来てくれたら今後、面白い。BreakingDown側の底上げになっていくと思いますし、それはとても良いことだと思います」
あまりの人気に海外からのオファーもあるようで「海外から対抗戦を申し出されている状態が続いていて、いろんな国から話がきています。BreakingDownの精鋭を連れていって、海外の会場でやって世界への認知を広げたいですね」と仰天プランも明かした。
賛否ありながらも常に注目の的となっている「BreakingDown」。2024年も大きな動きがありそうだ。この団体から第2の朝倉未来は登場するのか。今後も目が離せないコンテンツとなりそうだ。