行商人で歌手、さらに市議会議員にもなった4刀流レスラーのハードすぎる日々 年間150試合も「予定が白紙だと落ち着かない」
「わらじを脱いで裸足に戻って走り抜けます!」――。“情熱バカ一代”大和ヒロシが「努力に勝る力なし!」を信条にフル活動している。
「やりがいしかない」と全力集中
「わらじを脱いで裸足に戻って走り抜けます!」――。“情熱バカ一代”大和ヒロシが「努力に勝る力なし!」を信条にフル活動している。
プロレスラー、海苔の行商人、歌手に加えて9月から、千葉・君津市議会議員となった大和。四足のわらじとなったわけだが「わらじが増えたので、もはや裸足になって頑張ります」とニッコリ。
君津市議会では予算、環境、社会福祉、消防の委員会に所属。3、6、9、12月と年4回開かれる議会に加え、委員会は元より、議員としての活動に勤しんでいる。
プロレスラーらしくスポーツによる地域振興、君津市を襲うキョン、イノシシ、シカなどの害獣駆除、教育の充実、街づくり、企業誘致……君津市のためにやりたいことは山ほどある。正直、体がいくつあっても足りないが「やりがいしかない」と全力集中だ。
プロレスラーとしては2007年にメキシコでデビュー。全日本プロレス、WRESTLE―1を経て、多くの団体で活躍してきた。
今年も150試合ほど参戦。議員当選後もスケジュールをやりくりしている。「以前と忙しさは変わらない。予定が白紙だと落ち着かないタイプ」と充実度200%のハードな生活を楽しんでいる。
不惑の40歳になった。レスラーとしてもまさに円熟期。チャリティ大会の開催など、プロレスを通じて君津市そして千葉県の振興を図るためにも、議員活動とのリンクは大いに役立つはずで、ますます張り切っている。
今年の上半期には7本のチャンピオンベルトを保持していたという。「ここにきて、次々と王座から転落して、今は2本」と顔を曇らす。とはいえ「ケツを叩かれたと思っている。お尻に火がついているので、これから巻き返す」とすぐに気持ちを切り替えた。大阪のシンボル・通天閣を戦場にして暴れまわったこともある。
実は、首を負傷し長期欠場した経験もしている。「首から下が全く動かなくなり、救急車で搬送された」と振り返る。一歩、間違えば全身不随もあった大けがだった。「どうなってしまうのか。病院のベッドでいろんな思いがグルグル回った」が、幸いなことに一晩で感覚が戻り、今では何の問題もないという。
「あれで覚悟が決まった。人間、いつどうなるかわからない。一度きりの人生。止まってなんかいられない。悔いのないように走り続けよう」と、生来のパワフル体質にさらなるエネルギーが注ぎ込まれた。
地元の千葉テレビで番組スタート
今年の前半には地元の千葉テレビで「大和ヒロシの千葉プロレス百景」という番組をスタートさせた。元々は地域密着のフリー冊子を制作していたが「映像の方が伝えやすいこともある」と、プロレスに限らず、様々な話題を取り上げている。24日(金)深夜26時からオンエア。今のところ、不定期放送だが「レギュラー化したい」と、こちらも熱い。
自ら車を運転し君津市を走り回っている。走行距離は年間1万5000キロ以上というから、車中で過ごす時間も長いが、ハンドルを握っていると「アイデアが浮かんでくる」と、さわやかな笑顔。
若手時代から実直で裏表がないと評判が良い。選手仲間からも「本当に真面目。礼儀正しくてきちんとしている。議員でも頑張ってくれると思う」と期待する声が上がっている。
「夢と海苔を売る男」大和。歌いながらファイトし、演説しながらファイトし、海苔をセールスしながらファイトしたこともある。
「24時間、闘えますか?」というCMがあったが、大和ヒロシならできるのではないか。パワフルで情熱一直線の爆走人生に幸あれ。