『下剋上球児』出演で叶えた念願、名門大野球部出身の中山翔貴が父・秀征から教えられたこと

青山学院大野球部出身の俳優・中山翔貴が、TBS系連続ドラマ『下剋上球児』(日曜午後9時)に26日放送の第7話から出演する。役どころはドラマの舞台となっている越山高野球部の新入生。24歳ながら高校1年生としてグラウンドを駆け回る。父はタレントの中山秀征、母は元宝塚歌劇団星組トップ娘役で俳優の白城あやかという芸能一家に生まれ育ち、昨年4月期のテレビ東京系ドラマ『しろめし修行僧』で俳優デビュー。「最近、お芝居が楽しくなってきました」と目を輝かせる中山に、高校球児役への意気込みと自身における“下剋上”を聞いた。

「アンダースロー」のポーズを見せる中山翔貴【写真:徳原隆元】
「アンダースロー」のポーズを見せる中山翔貴【写真:徳原隆元】

主演・鈴木亮平の印象は「本当にドラマに出てくる監督のようです」

 青山学院大野球部出身の俳優・中山翔貴が、TBS系連続ドラマ『下剋上球児』(日曜午後9時)に26日放送の第7話から出演する。役どころはドラマの舞台となっている越山高野球部の新入生。24歳ながら高校1年生としてグラウンドを駆け回る。父はタレントの中山秀征、母は元宝塚歌劇団星組トップ娘役で俳優の白城あやかという芸能一家に生まれ育ち、昨年4月期のテレビ東京系ドラマ『しろめし修行僧』で俳優デビュー。「最近、お芝居が楽しくなってきました」と目を輝かせる中山に、高校球児役への意気込みと自身における“下剋上”を聞いた。(取材・文=鄭孝俊)

 東京・JR原宿駅近くに移転したワタナベエンターテインメントの新社屋。身長180センチの中山が、シックな衣装で取材の部屋に入ってきた。軽くウェーブがかかった黒髪。ジャケット姿が似合っていることを伝えると、「実はこれ、かつらです」といたずらっぽく笑った。それもそのはず。『下剋上球児』で野球部員を演じているため、頭髪は短く刈り込んでいるのだ。ドラマの感想を聞くと、「もともと野球をやっていたので、高校、大学時代の感覚が演技の中に自然と出てきます。ドラマを見ていると、当時の自分や先輩、後輩、同期を思い出しますね」と選手時代を振り返った。

 青山学院高から内部進学で青山学院大へ。小学1年から野球を始め、高校、大学も野球部に所属した。緩急をつけた変化球が得意のアンダースロー投手だったが、剛腕ぞろいの青学野球部では、レギュラーの座をつかむことはできなかったという。それでも、途中で投げ出すことはしなかった。

「大学4年の春にやっと初めてベンチ入りできることになりましたが、コロナ禍で大会が中止になってしまいました。ただ、辞めるという選択肢はありませんでした。それは父の教えです。普段から『1度始めたら最後まであきらめるな』と何度も励まされていました。父の言葉がなかったら、どこかであきらめていたかもしれません。『下剋上球児』も見てくれていて、『すごく面白い作品に出演できて良かったな』と言ってくれました」

 高校時代は早朝5時起き。1時間かけて野球部のグラウンドへ移動し、朝練は同6時半からで夜10時まで練習の日々だったという。

「自宅に帰ってくるのは午前0時で、翌朝はまた5時起き。そんな毎日でした。練習では毎日300球は普通に投げていました。縄跳びは1時間。一般の人が見たらビックリするような生活でした」

 野球にどっぷり浸かる毎日が7年間近く続いた。大学時代の体重は約80キロ。当時と比べて15キロ減ったため、現在は筋力増強に取り組んでいる。

「野球は下半身が重要なので、スクワットやデッドリフト、ランニングなどで下半身を重点的に鍛えています。(トレーニングで)体重にあまり変化はないものの体脂肪は8%ぐらいに激減しました。かなりの効果が出ています」

『下剋上球児』では、半年間に及んだオーディションで「野球部の新入生」という役どころをつかんだ。「甲子園に出場できる可能性はゼロではない」というドラマのテーマ同様、「野球ドラマに出演できる可能性はゼロではない」と信じ、トレーニングを重ねた中山にとっての“大金星”だった。

「『野球のドラマ』と聞いて、『絶対に出演したい』と思いました。大学時代に悔いはないですし、だからこそ、ドラマで野球ができることがうれしいです。『野球を続けてきたことが無駄ではなかった』と思っています」

 役柄は15歳の高校1年生だが、戸惑いはなく、自然体を心掛けている。

「今の自分のほぼ10歳年下を演じるので無理に役作りはせず、とにかく元気いっぱい、フレッシュいっぱい、『無邪気に野球が好き』という気持ちを込めて演じていきます」

 主演している鈴木亮平の印象を聞くと、中山は「ムードは最高です」と即答し、楽しそうな撮影現場の風景も踏まえて説明した。

「僕たち生徒役が演技について何度質問しても、鈴木さんは話をきちんと聞いてくれます。その上で『こうしたらどうだろう』『こうしたらいいと思う』と分け隔てなく教えてくます。監督から『自由にアドリブ入れていいよ』と言われたので、小声で軽く入れてみたら鈴木さんは『それ、いいね。もうちょっと“オン”(大きな声)で言っていいよ』と背中を押してくれます。本当にドラマに出てくる監督のようです。先生役側と球児役側のコミュニケーションを取ってくれて、会話がとてもしやすい環境を作ってくれています」

 俳優デビューから約1年半。「デビューしたての頃は自分のことで精いっぱいというか、本当に周りが見えていない状態でした」と振り返り、「最近は徐々に相手の方とお芝居をしていく楽しさが分かってきました」と成長を実感している。野球部員で出演している俳優仲間はほぼ全員が野球経験者で、「投球も打撃もみんなマジでやっています。ホームランを打つシーンでは、本当にホームランを打つことができます。甲子園に出場したメンバーもいて、プレーも演技も立派に披露しているので“化け物”だと思って見ています(笑)」と明かした。

 芸能界入りを意識したきっかけは、高校3年生の時に観覧した白城が出演の『エリザベートTAKARAZUKA20周年スペシャルガラコンサート』だった。ステージに立つ母親のまばゆい姿に驚き、「スポットライトの当たる世界に強烈に引かれた」という。だが、野球は継続して大学卒業後に父親と同じ事務所に入所した。そして、同じ世界に入ったことで、父と母の“すごさ”が見えてきたという。

「僕が芸能界に入ったことについて母は本当に何も言いません。でも、そんな母が舞台の仕事前になると部屋にこもって練習に没頭しています。父とも芝居論など仕事の話を具体的に交わすことはありません。ただ、『この世界は人と人のつながりが大事。礼儀正しく、どんな時でも誰に対しても分け隔てなく謙虚であることがすごく大切だ』と言われました。自分が俳優になったことで、父や母の努力、才能、そして、人間性が改めて分かったような気がします」

 最後に今後の目標を聞くと「作品を見てくださる方々の胸に印象が残る存在感のある俳優になりたいです。特に挑戦してみたいのはアクション。野球で鍛えた体をアピールして、『クローズ』シリーズのような映画に出演してみたい」と目を輝かせた。中山の“下剋上物語”は始まったばかり。両親のように実力をつけ、人間性を高めて厳しい芸能界を生き抜いていく。

□中山翔貴(なかやま・しょうき) 1999年3月18日、東京生まれ。父はタレント・司会者の中山秀征。母は元宝塚歌劇団星組トップ娘役の白城あやか(本名・中山光希)。青山学院高から青山学院大経営学部に進学して卒業。22年4月期放送のテレビ東京系『しろめし修行僧』で俳優デビュー。以降、MBS・TBS系『闇金ウシジマくん外伝 闇金サイハラさん』、NHKBSプレミアム『定年退食』、WOWOW『ドラフトキング』、テレビ朝日系『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』、映画『沈黙の艦隊』(9月29日公開)、映画『うかうかと終焉』(10月13日公開)などに出演。180センチ。



トップページに戻る

あなたの“気になる”を教えてください