不良キャラの人気が出やすい3つの理由 スラダンにイニD…人気漫画キャラから考察

「不良キャラ」と言われて、あなたは誰が思い浮かぶだろうか? 現実世界では「こわい」「話しかけづらい」など、近寄りにくいイメージの不良だが、アニメや漫画では人気を得ている場合が多い。では、なぜ不良キャラは人気が出やすいのか。いくつかの人物を例に理由を挙げてみよう。

頭文字D 1巻(著:しげの秀一/講談社)
頭文字D 1巻(著:しげの秀一/講談社)

不良キャラは、人を魅了する要素をあわせ持っている

「不良キャラ」と言われて、あなたは誰が思い浮かぶだろうか? 現実世界では「こわい」「話しかけづらい」など、近寄りにくいイメージの不良だが、アニメや漫画では人気を得ている場合が多い。では、なぜ不良キャラは人気が出やすいのか。いくつかの人物を例に理由を挙げてみよう。

 不良キャラの人気が出やすい理由の1つは、「ギャップが作りやすい」ことだろう。漫画の不良キャラは授業をサボったり、他校の生徒とケンカするなど、トラブルメイカーな印象を持つ方が多いだろう。しかし、そんな問題児が別人のように成長していくと、ギャップに魅了されてしまうのだ。

 例えば大人気バスケ漫画の『SLAM DUNK』(作:井上雄彦)の桜木花道は、ギャップのある不良キャラの代表例だろう。桜木は高校入学当初、不良仲間とつるむ問題児だったが、一目惚れした女の子に好かれたい一心でバスケットボールを始める。最初はドリブルもできない素人だったが、努力を重ね、チームに欠かせない存在へと成長していく。SNS上では「やる時はやる男。ギャップがたまらない」「不良にいいイメージないけど花道は根性あって魅力的」など好意的なコメントが多く見られる。桜木のように「悪」から「善」のギャップがあることで、キャラクターがより魅力的に映るのだ。

 不良キャラの人気が出やすいもう1つの理由は、「頼りがいのあるリーダシップ」だ。人気の不良キャラは、問題行動をよく起こすが仲間意識が強く、「この人にならついていきたい」と思わせる魅力も持っていることが多い。

 具体例としては、不良漫画の代名詞『ろくでなしBLUES』(作:森田まさのり)の主人公、前田太尊が挙げられる。彼はハチャメチャな行動をとることが多いが、ここぞという場面では必ず仲間を助けてくれる頼もしい存在だ。

 そして、ただケンカに勝つだけでなく、相手のトラウマを解いて信頼を得るのも前田のすごいところ。本作コミックスの17巻(第166話)では、カッターで額に消えない傷を付けられた過去を持つ相手に対して、「安心しな俺の凶器は身体ひとつだ」というセリフとともに上半身裸になり、筋を通したタイマン勝負を仕掛けていく。

 こうした前田の行動に惹かれる者は多く、かつて覇権を争ったライバルさえも仲間になってしまうほどの魅力があるのだ。

 不良キャラの人気が出やすい3つ目の理由は、「友情・努力・勝利」が描きやすいことだ。このキーワードは、ヒットする漫画が持っている三原則と言われている。

 大人気公道バトル漫画『頭文字D』(作:しげの秀一)に登場する高橋啓介は、上記の例に当てはまる存在だ。走り屋チーム「赤城レッドサンズ」のナンバー2である高橋の性格は、ケンカっぱやく、口が悪い。過去には暴走族にも所属していたほどの不良キャラだ。しかし、主人公・藤原拓海とのレースに敗北し、高橋は挫折を味わうことになる。その後は拓海のチームメートになり、不断の努力とバトルを重ねていく。

 レースに負けるという挫折を経験した後に「努力」した結果、ライバルとの「友情」も芽生え、レースに「勝利」する展開は、人気漫画の王道だ。SNS上では、「天性のセンスもあるけど努力や練習を積む姿が好き」「普段スカしてるけど皆が見てないところで努力してるとか最高に好き」と高評価コメントが多いのも頷ける。

 このように、不良キャラが人気の理由は「ギャップが作りやすい」「リーダーシップを持っている」「友情・努力・勝利が描きやすい」の3点が挙げられる。

 これから漫画に不良キャラが登場してきたら、今回紹介した特徴を兼ね備えているか確かめてみるといいだろう。

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