『紅白』K-POPから6組出場と躍進が目立ったワケ 紅組の日本人メンバー計14人は時代を象徴

大みそか恒例の『第74回NHK紅白歌合戦』(午後7時20分)の出演者が13日、NHKから発表された。K-POP系は韓国の8人組・Stray Kids(ストレイキッズ)と同13人組・SEVENTEEN(セブンティーン)が白組で、TWICE(トゥワイス)の日本人メンバー3人組ユニット・MISAMO(ミサモ)が紅組で初出場を決めた。女性9人組・NiziU(ニジュー)は4年連続、昨年初出場の女性5人組・LE SSERAFIM(ルセラフィム)も2年連続出場。日本の吉本興業と韓国のCJ ENMによる合弁会社所属の男性11人組・JO1(ジェイオーワン)を加えると、K-POP系は6組となり、昨年の5組を上回った。今回は旧ジャニーズ事務所の所属タレントが出演を見送られたため、空き枠をめぐってさまざまな観測が出ていたが、予想通り、K-POP系が増えたかっこうだ。

『第74回NHK紅白歌合戦』出演者発表会見に登場したStray Kids【写真:山口比佐夫】
『第74回NHK紅白歌合戦』出演者発表会見に登場したStray Kids【写真:山口比佐夫】

白で初出場、Stray Kids、SEVENTEENの人気はワールドワイド

 大みそか恒例の『第74回NHK紅白歌合戦』(午後7時20分)の出演者が13日、NHKから発表された。K-POP系は韓国の8人組・Stray Kids(ストレイキッズ)と同13人組・SEVENTEEN(セブンティーン)が白組で、TWICE(トゥワイス)の日本人メンバー3人組ユニット・MISAMO(ミサモ)が紅組で初出場を決めた。女性9人組・NiziU(ニジュー)は4年連続、昨年初出場の女性5人組・LE SSERAFIM(ルセラフィム)も2年連続出場。日本の吉本興業と韓国のCJ ENMによる合弁会社所属の男性11人組・JO1(ジェイオーワン)を加えると、K-POP系は6組となり、昨年の5組を上回った。今回は旧ジャニーズ事務所の所属タレントが出演を見送られたため、空き枠をめぐってさまざまな観測が出ていたが、予想通り、K-POP系が増えたかっこうだ。

 昨年出場したK-POP系グループはTWICE、LE SSERAFIM、IVE(アイヴ)、NiziU、JO1の5組だった。今年のK-POP系アーティストの特徴としては、紅組で日本人メンバーが目立つことだ。LE SSERAFIMは元HKT48で元IZ*ONE(アイズワン)のサクラ(宮脇咲良)と元バレリーナのカズハ、MISAMOは日本出身のミナ、サナ、モモのユニット、NiziUは全員が日本人(NINAは米シアトル出身)で、K-POPアイドルを目指す10代女子が増加した時代を象徴している。

 一方、白組として出演するStray KidsとSEVENTEENはNHKの歌番組に出演した実績がある。7月放送の『SONGS』でSEVENTEENは司会の大泉洋と共演。9月放送の『Venue101』はStray Kidsのスピンオフ特番を放送しており、当時から紅白初出場組の候補とみなされていた。世界的に見ても両グループの実績は申し分ない。Stray Kidsは8月からグループ初の日本ドームツアーを行い、全8公演のチケットが即時ソールドアウト。計34万人以上を動員した。9月6日に発売した日本初EP『Social Path (feat. LiSA) / Super Bowl -Japanese ver.-』はBillboard JAPAN「Top Albums Sales」で1位を獲得。K-POPボーイズグループとしては日本デビュー後、史上最速でのミリオン認定となった。昨年4月から1年間にわたり、米国、欧州、アジアを回る第2弾世界ツアーを実現。その人気はワールドワイドになっている。

 SEVENTEENも世界ツアーを行っており、10月25日発売の11枚目のミニアルバム『SEVENTEENTH HEAVEN』が日本レコード協会10月度ゴールドディスク認定で、「トリプル・プラチナ」(75万枚以上の売り上げ)を獲得。今年、全アーティストで唯一の複数アルバムが「トリプル・プラチナ」認定の快挙も達成している。5月には京セラドーム大阪と東京ドームでファンミーティングを開催。そして、今月14、15日(現地時間)には、フランス・パリのユネスコ本部で開催される第13回ユネスコ・ユースフォーラムに出席し、1時間の特別セッションで青少年代表としてスピーチとパフォーマンスを披露する。K-POPアーティストが同特別セッションに招待されるのは今回が初で、同グループの世界的な影響力をうかがわせている。

 今回の紅白のテーマは「ボーダレス-超えてつながる大みそか-」。選考基準の中には「CD・DVD・Blu-rayの売り上げ」「インターネットでのダウンロード・ストリーミング・ミュージックビデオ再生回数・SNSなどについての調査」「ライブやコンサートの実績」が含まれている。YouTube総再生回数を見ると、Stray Kidsが39億回でSEVENTEENが約47億回。どちらも驚異的な数字だ。

 K-POP系を事務所別で見ると、MISAMO、NiziU、Stray KidsはプロデューサーのJ.Y. Park氏が率いるJYPエンターテインメント(ソウル市)に所属しており、NiziUはTWICEの妹的な存在。LE SSERAFIMとSEVENTEENは、BTSを擁するHYBE(同)傘下のレーベルに所属しており、韓国を代表する芸能事務所であるJYPとHYBEのグローバルな影響力が日本にも波及していると言えそうだ。日本の吉本興業と韓国のCJ ENMによる合弁会社所属のJO1は、資本関係を見ると、K-POPとJ-POPの中間に位置。ただ、韓国の歌番組や日本、米国で開催された世界最大級Kカルチャーフェスティバルの『KCON』に出演し、韓国語で歌唱していることから、海外ファンの間では「K-POP系アーティスト」との見方が一般的だ。

 当日披露する楽曲で特に注目されるグループは、10月30日に『HEARTRIS』で韓国デビューを果たしたNiziUだ。今月8日に放送された現地音楽ランキング番組『SHOW CHAMPION』で1位を獲得。YouTubeの再生回数も5700万回を超えている。全編韓国語曲だが、そのまま披露されれば紅白史上でも異例の試みとなる。また、LE SSERAFIMも8月23日に発売した日本2ndシングル『UNFORGIVEN』の収録曲『UNFORGIVEN(feat. Nile Rodgers, Ado)-Japanese ver.-』に、紅白初出場のAdoがフィーチャリングゲストとして参加していることから、こちらもコラボが見られるか注目だ。

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