復讐心から始まるアニメ3選 家族の不幸が成長のきっかけ? 主人公を襲った悲劇

漫画やアニメで、平穏に暮らしている主人公が、家族の死や不幸をきっかけに敵討ちを心に誓う作品は少なくない。突然始まる不幸な展開に理不尽さを感じながらも、成長していく主人公の姿に感情移入していくファンも多いだろう。今回は、家族の不幸をきっかけに主人公の人生が大きく変わっていくアニメ作品を3つ紹介する。

『【推しの子】』【画像:(C)赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会】
『【推しの子】』【画像:(C)赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会】

悲しみを乗り越えて覚醒する主人公たち

 漫画やアニメで、平穏に暮らしている主人公が、家族の死や不幸をきっかけに敵討ちを心に誓う作品は少なくない。突然始まる不幸な展開に理不尽さを感じながらも、成長していく主人公の姿に感情移入していくファンも多いだろう。今回は、家族の不幸をきっかけに主人公の人生が大きく変わっていくアニメ作品を3つ紹介する。

 1つ目は、2023年4月よりTOKYO MXなどで放送されたアニメ『【推しの子】』だ。主人公は人気急上昇中のアイドル・星野アイが秘密裏に産んだ双子の子ども・星野愛久愛海(通称アクア)と星野瑠美衣(通称ルビー)。2人は前世の記憶を受け継いで生まれ、しかも、2人とも前世はアイの大ファンだったのだ。

 アクアの前世は産婦人科医・雨宮吾郎。吾郎はアイの出産担当医であったが、出産直前のタイミングで何者かに襲われ、殺されてしまう。

 一方、ルビーの前世は大人になることなく難病により死んでしまった天童寺さりなという少女。2人は前世の記憶を持っている状況を受け入れつつ、アイの幸せを間近で見守りながら平和に暮らしていた。しかし、アイの20歳の誕生日であり、初の東京ドーム公演を控えた当日、ファンの1人に殺害されてしまう。

“推しアイドル”の子どもとして生まれ、複雑な心境ながらも幸せな人生を送ろうとしていた最中、母親でもあるアイを、目の前で奪われたとなると、2人の心は穏やかではない。特に前世が大人だったアクアは、すぐにアイが殺されるように手引きをした真犯人がいることを悟り、それが自分の父親であることに気づく。そして、アクアは前世の記憶や経験を駆使し、実の父親への復讐(ふくしゅう)を果たそうと動き出すのだった。

『【推しの子】』は25日にABEMAにて全話一挙配信も予定されている。

 次に紹介する作品は、19年4月からフジテレビなどで放送された『鬼滅の刃』だ。主人公・竈門炭治郎は炭売りとして家族を養う心優しき少年。炭治郎が家を空けていたある日、家族は鬼に殺され、妹の竈門禰豆子は鬼に変貌してしまう。家族を殺した鬼に復讐し、禰豆子を人間に戻すため、炭治郎は鬼との戦いに足を踏み入れていく。

 炭売りで支えていた家族が鬼に殺される姿を目にした炭治郎が、家族の遺体を埋めるシーンは涙なくして見ることはできないだろう。鬼への復讐や妹を人間に戻すという理由がなければ、炭治郎は生きる意味を失ってしまっていたかもしれない。

 同じく家族の死から始まるのが、ゲーム作品からアニメ化された『テイルズ オブ ファンタジア THE ANIMATION』だ。アニメでは、主人公・クレスの出身地であるトーティスで、1人の少年が墓標に花を手向けるシーンから始まる。原作のゲームの設定によると、トーティスの村人は、クレスが幼なじみのチェスターと狩りに出ていた際に、魔王ダオスを復活させようとする敵に皆殺しにされていたのだった。クレスは殺された家族の仇を討つために、復活してしまったダオスを倒すべく旅に出る。

 ナムコから発売されたゲーム『テイルズ オブ ファンタジア』は、のちに続く『テイルズ オブ』シリーズの原点となった作品。数々の名作を生み出したシリーズの1作目でも家族の不幸が発端となっている。復讐とは、やはり主人公を大きく成長させるきっかけとなるのだろう。

 ちなみに今回紹介した作品のうち『【推しの子】』は原作でも未完結。ほかの2作品のように無事復讐を遂げるのか、バッドエンドを迎えるのか、『【推しの子】』の新たな展開から目が離せない。

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