国内最大級の野外音楽イベント「FUJI ROCK FESTIVAL’20」が来年8月に延期されることが5日、発表された。今年は8月21日、22日、23日の開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から「フジロックに携わるすべてのみなさまの安全と健康を考慮」として開催を断念。1997年から行われている同イベントで初めて完全中止となる。

　フジロック・フェスティバル事務局は公式HPを通じて、「新型コロナウイルス感染のパンデミックな状況が一日も早く正常化することを期待し、今年も予定通りのフェスティバル開催を目指し、準備してきました。 しかし、緊急事態宣言が解除されてもなお世界的に収束の目処は立っておらず、現時点において日本への入国拒否対象地域の拡大など、厳しい制限措置は未だに解除されていません。そして、何よりも人々の健康と安全、私たちの生命を脅かすこの危機的な状況を無視することはできません」と説明した。

　そのうえで、「刻一刻と変わる国内外の状況を日々観察し、政府機関の発表も踏まえスタッフ一同、開催の実現に向けて何度も協議を重ねてきました。そのために、みなさまへのご案内に時間を要する結果となりました事を心よりお詫び申し上げます」として、ぎりぎりまで開催の可否を検討していたことを明かした。

　購入済みのチケットについては払い戻しの対応を実施する。チケットは来年開催のフジロックでも有効になるという。「人々が互いに尊敬し合い、健康と安全を取り戻せる未来が近いことを信じ、来年の8月に苗場でお会いできることを楽しみにしています」とメッセージを寄せた。

　来年に延期される「FUJI ROCK FESTIVAL’21」は、2021年8月20日、21日、22日の開催に決定。「新たなラインナップを織り交ぜ、よりパワフルで、新鮮なエネルギーに溢れたフェスティバルを呼び戻したいと考えています。そして、幸せに満ち溢れたフジロックをぜひまたみなさんと一緒に創り上げていきたいと思っています」とした。

　新型コロナウイルス感染症をめぐり、コンサートや音楽フェス、大型イベントは開催のめどが立たず、厳しい状況に追いやられている。

　日本の野外ロックフェスの象徴的な存在であるフジロックの今夏の中止に、ネット上では、決断への理解や来年に期待する声、ショックの声が相次いだ。

　フジロックの公式ツイッターアカウントには、「自然と人と音楽と美味しいご飯やお酒　フジロックが最高であることは訪れたことが誰もが知っています　来年こそは、苗場で、フジロック!!」、「チケットは来年まで大切に取っておきます。SMASHがんばれ!!」、「人生初のロックフェスを今年のフジロックで迎える予定でした。開催延期は残念ですが、チケットもハートも来年まで大事に大事にとっておきますね」、「僕にとってフジロックが1年の生き甲斐です。国内で比類なき素晴らしいラインナップとともに、来年以降の開催を楽しみにしております」などと寄せられた。ほかにも、「うわー!遂に出てしまった!悲しいけど仕方ない」、「ついにフジも中止ですか　これで夏の予定、楽しみが無くなりました」といった声もある。