【どうする家康】“鳥居元忠”音尾琢真が明かす松本潤の素顔「本当によく泣くなと思います(笑)」
俳優・音尾琢真が鳥居元忠を演じるNHKの大河ドラマ『どうする家康』(日曜午後8時)について、クランクアップした心境や第42回の台本を初めて読んだ時の印象などをコメントした。作品は松本潤が主人公の徳川家康を演じ、音尾が演じる鳥居は徳川一筋の忠義者の家臣。
生涯を通じて主君を守り続ける徳川一筋の忠義者・鳥居元忠を熱演
俳優・音尾琢真が鳥居元忠を演じるNHKの大河ドラマ『どうする家康』(日曜午後8時)について、クランクアップした心境や第42回の台本を初めて読んだ時の印象などをコメントした。作品は松本潤が主人公の徳川家康を演じ、音尾が演じる鳥居は徳川一筋の忠義者の家臣。
「次々と他の家臣団がアップしていったので、いつか自分もと思ってはいましたが、いざ迎えてみるとやっと抜け出せたような、寂しいような…。長いこと撮影していましたので、本当に終わったんだろうかと、実感が持てず不思議な気持ちです。でもこの作品に参加できて良かったなと、しみじみ感じております」
千代と結ばれることについてもコメント。
「役について学ぶ中で、武田家の女性をちゃっかり自分の奥様にしていたというエピソードは知っていたので、今作でも描かれるのかなと気にはなっていました。結果的に千代さんを妻にするという思いもよらない形で描かれました。当初は想定されていなかったそうですが、ある日突然、監督から『千代と結婚することになりそうなんですけど、彦さんどうですか』『武田の女性を見つけ出して妻にしたという言い伝えとジョイントした形にはなるんですけど…』と言われました。相手がまさかの千代ということで、台本を頂く前はいつか寝首をかかれるのかなと想像しましたが、いざ台本が完成すると、彦さんはOKだけど周りの皆が反対するという形。なるほど、と思いました。このエピソードを描いてくれて良かったなと思いましたけれど、これは千代人気が高かったから再登場させたんじゃないか!?と個人的には訝しんでおります(笑)」
第42回の台本を初めて読んだ時の印象も紹介。
「伏見城の戦いと言えば、“血天井”をご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、配下の皆さんとともに戦い抜いて死ぬ、古風な時代の男らしさというか。壮絶で孤独なにおいがするイメージでした。でも今作では千代さんが側にいるので、妙に幸せなムードもあるというのが新しいなと思いました。伏見城で千代と最後に言葉を交わすシーンで、僕は遠くを見ていました。そのシーンの撮影後、監督から『あれはどういう表情だったんですか。殿を思っていたんですか』と聞かれましたが、あらためて振り返ると『違うなぁ』と思って…。武士として殿のために死ねるというだけで幸せなのに、隣をみたら千代がいて最期まで一緒にいられて更に幸せで。元忠さんにとっては、本当に幸せでしかない時間だったのかなと思いました。撮影が始まった頃には全く想像もしていなかった最期になりました。元忠さん一人で最期を迎えていたら、もっと混沌とした空気になっていたんじゃないかと思いますし、従来の戦国作品であればこういう描き方にはならないと思いますが、まだまだ幸せが続きそうとさえ思えるような『どうする家康』ならではの新しい描き方になっていて良いなと思っています」
第41回で殿と最後に言葉を交わすシーン(伏見城の留守を任される場面)にも言及。
「事前に台本を読んでいる時点では、お互い涙する場面なのかなと想像はしつつも、泣けるのかな…一気にそこまでいけるのかな…と一人で考えていました。でも殿とあらかじめ読み合わせをして、目を見た時、『これは泣けるな』とすぐに分かりました。殿にもそう伝えると『俺もやばい、泣く場面のもっと前から泣きそうでどうしよう』と言っていまして(笑)。戦のない太平の世を成し遂げるまでは涙の別れはしない、という思いでやっていたと思いますが、すぐ泣きたくなっちゃうらしいので。あの撮影の間、殿も泣かないように頑張っていたそうです。この作品を振り返ると、あらためて殿って本当によく泣くなと思います(笑)。お芝居の中ですけど、松本潤という人は感情がピュアでよく泣けるというか。ストーリーの中にすっと入って涙を流される方で、いつもすごいなと思っていました。それがこのシーンでも、現れていたと思います。単純にセリフとセリフをぶつけ合うのではなく、役としての気持ちと気持ちの交換がきちんとできる人なんだなと思っていました」
徳川家臣団の思いについてもコメント。
「家臣団メンバー皆が、クランクインしてからずっと変わらず持ち続けていた共通の思いがあると思っていて。それは、役として徳川家康という人を支えたいし、役者として松本潤さんという人を支えたいという気持ちです。それを、一人ひとりが、それぞれのやり方で実行してきたという感じがします。誰もが自分勝手じゃなくて。自分が“こうしたい”“こう魅せたい”ということよりも、何より殿を支えたいという気持ちを持って作品に参加していたと思うので、それが素晴らしいし、良いチームだったなと思っています」