ゴツい女装外国人が愛するニッポンの魅力とは BABYBEARDが世界に発信を続けるワケ

女装した外国人の両脇にはフリフリ衣装の日本人女性が2人……。まさに異色な3人組アイドル。その名もBABYBEARDだ。オーストラリア出身のLadybeard(ビアちゃん)は日本の“カワイイ文化”に魅了された1人。2020年にSUZUらとグループを結成した。23年8月には新たにMAHRIが加わり、新体制での活動がスタート。日本よりも海外での知名度が高く、現在の活動も海外が中心。謎に包まれたグループの実態を3人に聞いた。

謎のアイドルグループ、BABYBEARDに迫る
謎のアイドルグループ、BABYBEARDに迫る

日本人メンバーのSUZU、MAHRIとともに世界へ発信

 女装した外国人の両脇にはフリフリ衣装の日本人女性が2人……。まさに異色な3人組アイドル。その名もBABYBEARDだ。オーストラリア出身のLadybeard(ビアちゃん)は日本の“カワイイ文化”に魅了された1人。2020年にSUZUらとグループを結成した。23年8月には新たにMAHRIが加わり、新体制での活動がスタート。日本よりも海外での知名度が高く、現在の活動も海外が中心。謎に包まれたグループの実態を3人に聞いた。(取材・文=中村彰洋)

――BABYBEARDはかつてLadybeardさんが所属していたグループ・LADYBABYの流れを色濃く継いでいるかと思いますが、結成の流れを教えてください。

Ladybeard「LADYBABYはとても人気でした。LADYBABYを辞めた後、たくさんの人から『ビアちゃんとかわいい女子2人のユニットが好き』と声を掛けてもらいました。だから、もう1回同じイメージでBABYBEARDを作りました。世界中のファンに、日本の“カワイイ文化”を見せたいです。海外にいたら、興味があっても体験することが大変です。だから、私たちが海外と日本の橋になりたいです」

SUZU「元々、私は乃木坂46さんのようなアイドルが好きで、オーディションを調べていたときに、BABYBEARDを見つけました。乃木坂さんとは別ジャンルにはなりますが、BABYMETALさんも好きだったので、いいとこ取りができているかなと思っています(笑)」

――フリフリな衣装が目を引きます。選んだ理由をお聞かせください。

Ladybeard「日本のポップカルチャーだからです。最初の衣装は、カップケーキがテーマでした。皆さんも日本のおいしいお菓子好きですね! その後は、メイド服もありました。これも日本の文化です。最新の衣装は『セーラームーン』インスパイアです。だってかわいいじゃん!(笑)」

――MAHRIさんは8月に加入したばかり。どういった経緯で加入されたのでしょうか。

MAHRI「私は高校時代まで、タイ、パナマ、オーストラリアに住んでいて、タイのときは、インターナショナルスクール、オーストラリアのときは、現地の学校に通っていました。その経験もあって、いろんなバックグラウンドを持つ人と出会うことができました。言語の壁だけではなく、育ち方、経験してきた内容も全く異なる人と関わる機会があって、日本に住んでいるだけでは経験できないことばかりでした。

 BABYBEARDに加入する前もアイドルをやっていたのですが、アイドルになりたいというよりも、海外に日本の文化を発信したいという思いが理由でした。BABYBEARDのオーディションを見つけたとき、『私がやりたかったこととマッチしてる』と思い、応募して、今ここにいます」

――さまざまな手段がある中で、なぜアイドルを選んだのでしょうか。

MAHRI「幼少期の頃から、音楽に触れた生活をしてきました。父がジャズのベースをやっていて、いつかセッションしたいという夢を小さい頃から持っていました。ピアノから始まり、歌を歌うようになっていき、ステージに立つことが好きだと気付きました。それでアイドルを選びました」

夢は「マディソン・スクエア・ガーデンでライブ」と構想を上げた
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コロナ禍を経て本格始動へ「世界の皆さんに、新しいBABYBEARDを見せたい」

――Ladybeardさんが日本に興味を持ったきっかけを教えてください。

Ladybeard「私は昔、香港に住んでいました。声優をやっていて、日本アニメに英語の声をあてていました。その時代に、毎日8時間ぐらい、日本のアニメを見ていました。ちびまる子ちゃん、ゲゲゲの鬼太郎、ウルトラマン……。すごく日本に興味を持ちましたね。日本の魅力は、まずカワイイです。そして日本人の皆さんはいつもすごく丁寧です。日本のポップカルチャーはいつも海外のポップカルチャーとは違うんです。日本の“カワイイ文化”は、皆さんに幸せを与えます。基本的に海外のポップカルチャーはいつもかっこいいです。でも、日本はカワイイんです!」

――声優、プロレスラー、DJなどいろんな経験をされてきましたが、活動の軸はございますか。

Ladybeard「1番大事なのは、お客さんのためにパフォーマンスするということです。ライブ、DJ、プロレス……1番大事なことは、お客さんに幸せな気持ちをあげることですね。フォーマットは違っていても、いつもその目的が軸にあります」

――海外を中心に活動されていますが、日本でのライブとの違いはありますか。

SUZU「日本のファンの方はダンスをまねしようとしてくれるんですけど、外国のファンの方は独自のダンスを生み出して曲にノッてくれます。そこの違いは大きいです」

Ladybeard「海外のお客さんは、日本のお客さんより自由です。日本の人はちゃんとパフォーマンスを一緒に踊りたい。でも、海外のお客さんは陽気にワーってはしゃいでます(笑)」

――BABYBEARDは2021年に結成しました。コロナ禍で思うように海外での活動ができなかったかと思います。

Ladybeard「その時期は日本にいながら、ネットで活動をしていました。大変でしたね。私たちのアピールポイントはライブですが、それができませんでした。最初の海外ライブは2022年のブラジルでした。お客さんは超盛り上がっていました。ステージに入る前から大歓声で、SUZUちゃんはびっくりしてたね。本当に楽しかったです」

SUZU「かわいい服を着て、かわいい髪の毛にしていただいても、オンラインの取材ばかりで、『早くライブをしたい』とずっと思っていたタイミングでのブラジルだったので、爆発しましたね(笑)。本当に楽しかったです。お客さんから、直接反応をいただくことが初めてだったので、そこで『やっとアイドルになれたんだな』と実感しました」

――MAHRIさんは9月のメキシコが初ライブとなりますが、心境はいかがでしょうか。(※取材はメキシコでのライブ前に実施)

MAHRI「BABYBEARDが海外で人気があるという実感がまだないんです。すごい熱狂的なファンがいてくれるらしいんです。SUZUちゃんやビアちゃんは、『実際に行ったら分かる』と言うんですけど、今はまだ、『本当にファンの人いるのかな? 1人も見に来ないんじゃないかな?』と思ってしまっているくらいです。なので、確かめるのが楽しみです(笑)」

――今後の活動の展望を教えてください。

Ladybeard「まずは世界の皆さんに、新しいBABYBEARDを見せたいです。その後は日本でも活動していきたいですね」

――BABYBERADとしての夢を教えてください。

Ladybeard「世界の大きなステージでライブをしたいですね。マディソン・スクエア・ガーデンとか東京ドームとかでライブしたいです」

SUZU「今はカバー曲も歌わせてもらいながらライブをしているので、持ち曲をたくさん増やして、自分たちの曲、BABYBEARDのオリジナル曲でライブができるようになればと思っています」

MAHRI「海外へ発信していくアイドルということは分かっていますが、日本でのライブが少ないので、日本での活動も増やしていきたいです」

――これを読んでいる人へ向けてのメッセージをお願いします。

Ladybeard「日本での活動は今はあまりありませんが、今後やっていきます。皆さん、楽しみにしていてください!」

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