堀口恭司、BreakingDownで「勘違い野郎が増えてしまう」 著書で本音「格闘技の未来はない」

日本人史上初のBellator世界王者・堀口恭司(アメリカン・トップチーム)が大みそかの格闘技イベント「RIZIN.45」へ、参戦することが決まった。また大みそかの前には初の著書『EASY FIGHT』(12月7日・幻冬舎)が発売されることもアナウンスされた。ENCOUNTでは“史上最強のMade in JAPAN”こと堀口の自伝的書籍に関する内容の一部を、随時掲載していく。第1回はタイトルの『EASY FIGHT』に込められた意味。今最も“数字の取れる”格闘技エンタメ「BreakingDown」に抱く思いについて紹介する。

堀口恭司【写真:ENCOUNT編集部】
堀口恭司【写真:ENCOUNT編集部】

「格闘技をメジャーにしたい」

 日本人史上初のBellator世界王者・堀口恭司(アメリカン・トップチーム)が大みそかの格闘技イベント「RIZIN.45」へ、参戦することが決まった。また大みそかの前には初の著書『EASY FIGHT』(12月7日・幻冬舎)が発売されることもアナウンスされた。ENCOUNTでは“史上最強のMade in JAPAN”こと堀口の自伝的書籍に関する内容の一部を、随時掲載していく。第1回はタイトルの『EASY FIGHT』に込められた意味。今最も“数字の取れる”格闘技エンタメ「BreakingDown」に抱く思いについて紹介する。

 まず、タイトル名の「EASY FIGHT」は、堀口が朝倉海との再戦(2020年大みそか、さいたまスーパーアリーナ)に勝利した直後、セコンドに対して口にした言葉から取ったものだが、全体を通して、この言葉に通ずる話がつづられている。

「誰に限らず、総じて日本人は頭がいいとは思うし、賢い人が多いと思う。ただ、裏を返すと考えすぎることが多いのではないか、と思っている。それと、大したことをしているわけではないのに、それをさもすごいと伝えると、ビビッて挑戦しない子が増えてしまう気がしている。だからすぐに『僕には無理』なんて答えを出してしまう。なにをしたいのかにもよるけど、だいたい物事は全然難しくなんてない。同じ人間なのだとしたら、他にできる人がいるなら自分にも絶対にできる」

 UFCのタイトルマッチで敗れはしたものの、その後、RIZINバンタム級とBellatorバンタム級の二冠王に輝き、日本人の総合格闘家として最高の実績を持つ堀口の言葉だと思うと、おいそれとは受け入れ難い気もするが、当の本人は「逆に(他の人と)いったい何が違うのか、それを教えてほしい。要は、自分で自分にマイナスの洗脳をかけることは今すぐヤメたほうがいい」と読者に訴えかける。

 また、堀口は著書を通じて、「格闘技をメジャーにしたい」と説く。

「自分は、カッとなって相手に反則ギリギリだったり、もっと言えば目の中に指を入れてやろうとか、金的を蹴ってやろうと思ったことはない。というのは、自分は格闘技をスポーツにしていきたいと思っているから。意識として言えば、自分はアスリートにカテゴライズされると思うし、格闘技をメジャーにしたい気持ちがある。出来れば野球やサッカーに並ぶくらいのものになってほしいと思っている。そうやって浮き沈みも少ない世界にすれば、格闘技人口も増えるし、プロとして食えるようになる選手も増えていくと思う」。

堀口恭司初の著書『EASY FIGHT』(幻冬舎)
堀口恭司初の著書『EASY FIGHT』(幻冬舎)

「子どもたちに夢を」

 そして堀口は「今の子どもたちに夢を与えていきたい」と記している。

 だからこそ、堀口が過去にも口にしてきたように、「BreakingDown」への苦言が書かれている。

「最近は、とくに『Breaking Down』の影響もあってか、手っ取り早くカネを稼いで、影響力をもちたいと思う不良がそっちを目指すようになった。細かいことは知らないけど、端から見ている限り、あのリングは強くなくても、キャラだけ立っていればいい、ような世界観に見える」

 さらに堀口はこう続けている。

「本音を言えば、『果たしてそれでいいのかな』と思う。部外者が偉そうなことを言うなと言われるかもしれないけど、あれが許されてしまうと、余計に勘違い野郎が増えてしまうのかな、と正直に言えば心配している。例えばの話、DEEPや修斗、パンクラスを始め、地道に日本の格闘技団体で試合をしている選手は悩むと思う。だって自分より全然弱い選手が急に有名になって、世の中的に『強い』イメージで語られていくのだから、『は?』となるのは当たり前だろう。

 そう考えると、良い意味でも悪い意味でも、ちょっとどうなんだろう? とはなる。やっぱりリング上は『誰が一番強いのか』。ここに尽きる。もしこのテーマから外れた瞬間に、例えば『誰が一番目立つのか』か゛テーマになってしまった瞬間に、本質を見失う。少なくとも自分は、そこに格闘技の未来はないと思う」。

 どちらかと言えば毒舌キャラではない堀口だが、ここまで記載したように、著書「EASY FIGHT」ではある程度、苦言を呈する部分は呈しながら、持論が展開されていく。

 注目の発売日は12月7日になっており、近日中にAmazonでの予約も開始される。

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