結婚式が次々変化 「高砂席」不採用でゲストと同じ卓で食事、上司・主賓あいさつ省略…「常識にとらわれない」

結婚情報サービス『ゼクシィ』が25日、「結婚トレンド調査2023」をオンライン会見で発表した。新型コロナウイルス禍からの回復傾向が見られる中で、これまでの新郎新婦の男女による役割をなくすといったジェンダーレスなどの「常識にとらわれない結婚式」への変化、最新の結婚事情が明らかになった。

最新の結婚式トレンドが明らかになった(写真はイメージ)【写真:写真AC】
最新の結婚式トレンドが明らかになった(写真はイメージ)【写真:写真AC】

80年代「派手婚」からどう変化を遂げているのか『ゼクシィ』が調査分析

 結婚情報サービス『ゼクシィ』が25日、「結婚トレンド調査2023」をオンライン会見で発表した。新型コロナウイルス禍からの回復傾向が見られる中で、これまでの新郎新婦の男女による役割をなくすといったジェンダーレスなどの「常識にとらわれない結婚式」への変化、最新の結婚事情が明らかになった。

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 今回の分析はまず、2019年度をコロナ前、20年度をコロナ1年目、21年度をコロナ2年目、22年度をコロナ3年目として位置付け。「結婚トレンド調査2023」は22年度の調査結果に該当する。

 挙式、披露宴・ウエディングパーティーの平均総額は327.1万円で、21年度の調査から23.3万円増。コロナ1年目(20年度)比で111.9%、コロナ前(19年度)比で90.3%まで回復していることが判明した。

 一方で、同感染症は23年5月に「5類感染症」に移行。最新の流れが浮き彫りになった。23年5~7月の首都圏での動向を追加調査。「ウエディングイベント実施率はコロナ前(19年同時期)の82.6%から83.2%へ」、「挙式・披露宴・ウエディングパーティー総額は394.7万円。コロナ前(19年同時期)より、37.3万円増」のデータが示された。『リクルートブライダル総研』所長の落合歩氏は「直近の兆しとしてはコロナ前に戻りつつあるのではないかと思っています。今後については社会状況が変化する中で、引き続きいろいろな角度からウオッチしていきたいです」と語った。

 最新トレンドの解析では、『ゼクシィ』統括編集長の森奈織子氏が登壇した。

 これまでの変遷として、80年代はゴンドラ登場やイミテーションケーキに代表される派手婚、90年代は地味婚でシンプルに。2000年代は「結婚することが幸せの象徴」とされるアットホーム婚がブームとなり、再び結婚式が隆盛。10年代はつながり婚がキーワードに。近年の潮流として、「結婚することが2人の選択」という考え方に変化してきていることを解説した。

 今回の調査を受けて、「『自分たちが楽しむ気持ち』を大切にする兆しがあります。また、新郎新婦がこれまでの人生をより好きになったり、列席者から2人が応援されていることを感じるなど、結婚式自体が『自己肯定感が高まる場』として捉えられるようになってきました」。総合的に検討した結果、最新の20年代は「NOノーマル婚」と発表。森氏は「周囲や自分の中での『こうであらねばならない』という既成概念を超えて、自分が何をしたいかを基軸に、自分らしく、2人らしく、常識にとらわれない結婚式へ。多様な変化の傾向が見受けられます」と説明した。

披露宴の定番・高砂席はどうなる?(写真はイメージ)【写真:写真AC】
披露宴の定番・高砂席はどうなる?(写真はイメージ)【写真:写真AC】

家族席を新郎新婦の隣にする「親も楽しむ」スタイルへ変化も

 会見では、NOノーマル婚の多くの事例が紹介された。森氏は「『新郎が謝辞をする』『花嫁が手紙を読む』といった、これまで当たり前とされていた男女の役割として性別で役割を分けるのではなく、『2人が同じ立場で作る』意識に変化している」ことを強調。乾杯の発声や謝辞を2人でこなし、新婦だけでなく新郎も親に手紙を読むケースも実際にあるという。

 結婚式場の演出にもこんな変化が。フルオーダーの料理メニューの中に、「新郎新婦の親が作ってくれたナンバー1の一品を振る舞う」という日常を取り入れた事例があった。ドレスコードはカジュアルでOKと案内し、「私服参加を認める」スタイルも。

 また、「一般的なプログラム」に縛られず、自由なアレンジを加える流れもあるという。新郎新婦が座るメインテーブルで一段高くしつらえられることが多い「高砂席」を不採用。高砂席を設けるレイアウトから、新郎新婦とゲストが同じ卓で食事をする形式に変更したという一例が挙げられた。さらに、上司や主賓のあいさつを省略するといったプログラムの変化も紹介された。

 さらに、「親はもてなす立場」から「親も楽しむ」への時代の流れも見受けられるように。「親は末席に座ってゲストにあいさつ回りして、お酌を……といった『もてなす側に立つ』ことが一般的でしたが、親にもリラックスして楽しんでもらえるようなスタイルや席次を取り入れるケースもあります」。家族の席を新郎新婦の隣にする、父親や家族と一緒にパラパラを踊る「ダンシング人前式」の実例が挙げられた。

 重要視されるオリジナリティーや自分たちらしさの概念。森氏は「カップルが、2人らしく、ありのままを楽しんでもらう結婚式の形を選んでいただきたいです。2人の満足度、ゲストの満足度も高まっています。結婚式の素晴らしい機会を、時代と進化を捉えながら盛り上げていきたいです」と強調した。

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