新型コロナ禍で生まれたニューヨーカーへの“偏見” 「今やNY出身は隠したい事実に…」
新型コロナウイルスの感染拡大で日本でも県外ナンバー車に対する差別が問題化したが、感染者180万人、死者10万人を記録している米国でもニューヨーカーに対する差別が社会問題化している。地元紙「ニューヨーク・ポスト」が報じている。
ニューヨークは米国内で最大となる新型コロナのパンデミックが…
新型コロナウイルスの感染拡大で日本でも県外ナンバー車に対する差別が問題化したが、感染者180万人、死者10万人を記録している米国でもニューヨーカーに対する差別が社会問題化している。地元紙「ニューヨーク・ポスト」が報じている。
ニューヨークは世界の人々の憧れの摩天楼としても知られているが、同州では国内最高となる38万人の感染者と、3万人近い死者を記録するなど新型コロナのパンデミックで最大の被害を出している。
そんな中、ニューヨーク在住者が地方で差別を受ける状況が生まれているという。
「ニューヨーカーに対する本当の差別です。着いた時から近所の人にあからさまに避けられましたし、我々が滞在した時から、滞在中ずっとでした」
こう語ったのはジェラルディン・グリーンバーグさん。ニューヨークから近場で人気のニュージャージー州のロングビーチに家族とともに向かった。
だが、パンデミックの時節柄、地元民はニューヨーカーに冷たかったという。「地元民は侮辱、指さし、威圧的な振る舞いで、パンデミック以前から頻繁に訪問していた都会民に対し、地理的な厄介者のレッテルを貼った」と記事では報じている。
米国疾病予防管理センター(CDC)はパンデミック直後の3月末にニューヨーク、コネチカット、ニュージャージーの3州の住民に移動禁止を要請したが、すでに解除となっている。
だが、「ニューヨーカーはコロナウイルスで破壊された街を去ったことで、依然としてバッシングを浴びている」と記事では差別の存在を指摘した上で、「ビッグアップル(ニューヨーク)出身であることはかつて名誉の証だった。だが、今や隠したい事実に」とレポートしている。
コロナの傷跡が大きく刻まれたアメリカ。世界最大のコロナ被害大国で、最大の被害を出しているニューヨーカーは肩身の狭い思いを強いられている様子だ。