King & Prince、2人での初の全国アリーナツアー開催 「今までの歴史も背負って活動していく」

King & Princeは22日、オリジナルアルバム『ピース』を引っ提げた全国アリーナツアー「King & Prince LIVE TOUR 2023 ~ピース~」のKアリーナ横浜公演を開催した。

King & Princeが2人で初の全国アリーナツアーを開催【写真:山口比佐夫】
King & Princeが2人で初の全国アリーナツアーを開催【写真:山口比佐夫】

全国7都市24公演を開催し、27万人を動員予定

 King & Princeは22日、オリジナルアルバム『ピース』を引っ提げた全国アリーナツアー「King & Prince LIVE TOUR 2023 ~ピース~」のKアリーナ横浜公演を開催した。(取材・文=水谷賀奈子)

 2022年7月30日の静岡エコパアリーナから10月20日の真駒内セキスイハイムアリーナまで開催した「King & Prince ARENA TOUR 2022 ~Made in~」以来、約1年ぶりの全国ツアーだが、2人で創り上げたコンサートとしてはKing & Prince初の全国アリーナツアーとなった。

 ツアータイトル「ピース」には“平和”や“楽しさ”“2人”などさまざまな意味が込められており、「今のKing & Princeの全て」をテーマに選曲、衣装、映像、構成、演出などメンバー2人を中心に創り上げた。

 開演3分前になると、どこからともなく手拍子と「キンプリ」とコールする声が聞こえ、ライブグッズのペンライトによって会場全体が黄色と白に彩られた。予定通り午後1時に会場の照明が落とされると、「キャー」とファンからは歓声があがり、待望の瞬間を迎えた。

 鐘の音とともにメインステージに2人のシルエットが現れ、今回のアルバムの表題曲であり、愛の再告白をテーマに老若男女すべての人に届ける王道ラブソング『My Love Song』で幕を開けた。顔を見合わせてはほほ笑みながら歌う2人。衣装は白をベースにライトグリーンをポイントカラーとして使っており、照明や動きに合わせて輝くスパンコールが2人の笑顔を引き立てた。続く『Magic of love』では永瀬が「ようこそ! 楽しんでいこうぜ~」と、高橋が「俺たちに会いたかったですか?」などと呼びかけてアリーナ中央のステージへと移動し、よりファンとの距離を縮めた。

 そして、バックステージへと移動すると、映画『かぐや様は告らせたい』シリーズの主題歌でファンからも人気の『koi-wazurai』と『恋降る月夜に君想ふ』を続けて披露。アリーナの左右にセットされたリフターに乗って高く上がると、スタンド席のファンに向けて手を振って見せる。さらに、メインステージへと移動した2人が「Can we be happy?」という歌詞に合わせて肩を寄せ合うと、ファンからは歓声があがった。

 次に、黒のデニムジャケットと深みのある赤のジャケットという対象的な衣装に着替えた2人が、アリーナの後方から『ピース』と書かれた旗と木や花のついたトロッコに1人ずつ乗って『静寂のパレード』を披露すると、オープニングとはまた変わった世界観に。さらには、バックダンサーとしてライブに出演するジュニアの7 MEN 侍も同じ旗を手にアリーナ中央のステージに登場。黒のジャケットにシルバーやゴールドの模様の入った衣装で体を大きく使いながら旗を振り、会場は一気に華やかになった。

『That’s Entertainment』では、オレンジがかった照明のなか、メインステージでダンサーをバックに置いてのパフォーマンス。ダンサーたちとの息のあったダンスだけでなく、間奏になるとスポットライトを浴びながらソロダンスを、そしてペアダンスを披露し、観客を“エンターテインメント”へと引き込んだ。

 そして、ジャケットを脱いでニットスタイルになった2人は、ゴンドラに乗り込み、再び高く舞い上がるとスタンド客へ接近。1枚目のアルバム『King & Prince』に収録された『Super Duper Crazy』では、白いライン照明が会場内を旋回し、アップテンポな曲調をさらに盛り上げた。

炎などを使った演出で一気にラストスパートをかける【写真:山口比佐夫】
炎などを使った演出で一気にラストスパートをかける【写真:山口比佐夫】

後半には今回初となるソロ曲も披露

 途中のMCでは「我々2人が、せーの! King & Princeでーす!」という自己紹介から始まり、各ブロックごとに「元気ですかー!」とのコールアンドレスポンスが会場内に響き渡る。ファンたちからの「イェーイ!」というレスポンスに対して、「耳が気持ちいい~」と笑顔を見せた高橋。そして、前日の公演に高橋の父親と永瀬の友人たちが見に来ていたこと、高橋が個人のインスタグラムで公開した永瀬の鎖骨に水をためることでできあがった通称“永瀬湖(ながせこ)”についての話題などで、会場は笑いに包まれた。2人から自然と生まれる温かく穏やかな時間をファンが見守っている、そんな空間となっていた。

 後半では、今回初となるソロ曲も披露。高橋は直々のオファーにより実現したロックバンド・クリープハイプでボーカル・ギターを務める尾崎世界観が作詞作曲を担当した『ワレワレハコイビトドウシダ』を、7 MEN 侍によるバンド演奏に合わせてスタンドマイクを前に、歌い出しから力強い美声を披露。白のTシャツに淡いデニムというシンプルな衣装に、スクリーンに映し出された映像もモノクロとなっており、より“曲を聞かせる”演出となっていた。

 一方で、永瀬のソロ曲『きみいろ』は、初めて共作で作詞にチャレンジした恋愛ソング。披露する前には高橋から衣装のジャケットを着せてもらい、メインステージへとつながる花道を歩くと見せかけては後ろを振り向いてカメラに笑顔を見せるなど、おちゃめな一面をのぞかせた。いざスタンドマイクの前に立つと、7 MEN 侍のバンド演奏に合わせて歌い、最後のアウトロでは口パクで「ありがとう」とファンへ感謝のメッセージを送った。

 そして、Dancer Interに差し掛かると会場はレーザー照明に包まれ、雰囲気が一変。永瀬は黒のツイード生地のスタジャンに、高橋は鮮やかなピンクのジャケットに身を包んで登場した。『CHASE IT DOWN』のイントロがかかり始めると、ステージでは炎があがった。さらには花火も加わり、派手なパフォーマンスと会場の音響設備を最大級に活かした重低音を響かせ、一気にラストスパートをかける。一度照明が落ちたと思ったのもつかの間、和を感じさせる音が聞こえるとファンからは歓声が。ダンスでも好評のKing & Princeの楽曲の中でもハイレベルなダンス曲とされている『ichiban』だ。ミュージックビデオをほうふつとさせるスクリーン映像と、振り付けに合わせて左右へと動くレーザー照明がステージの中央で歌い踊る2人のパフォーマンスを引き立てた。

 最後の衣装チェンジを終え、白と青のロングコート姿で登場すると1人ずつファンへの思いを語った。そして、『Happy ever after』を優しい表情で会場全体を見渡し、歌い上げた。曲の後半の「百年先も『ありがとう』」という歌詞の永瀬によるロングトーンが響くと、ステージには複数のカラフルな大きな花が広がった。一気に色鮮やかなステージになり、デビュー曲『シンデレラガール』を披露し、会場の盛り上がりは最高潮を迎えた。

 本編が終わり、2人がステージから姿を消すも、ファンからは「キンプリコール」が止まらない。その期待に応えるかのように、高橋がダブル主演を務めた日本テレビ系ドラマ『だが、情熱はある』の主題歌『なにもの』を歌いながら再び登場。アンコールでは、さらに3曲を歌い上げ、ファンに「ありがとう」「気をつけて帰ってね」などと呼びかけてライブは幕を閉じた。

 本公演は、8月27日の宮城・セキスイハイムスーパーアリーナを皮切りに12月10日の愛知・Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)Aホールまで、全国7都市24公演を開催し、27万人を動員予定だ。10月20~22日開催の神奈川・Kアリーナ横浜公演は、3日間で5公演を開催し、約10万人を動員した。

※高橋海人の「高」の正式表記ははしごだか

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