研ナオコ、谷村新司さんを追悼「届けば良いなと思って歌います」 3年遅れの50周年ライブ

歌手の研ナオコが19日、東京・LINE CUBE SHIBUYASHIBUYAでアニバーサリーライブ『研ナオコ デビュー53周年記念ファイナルコンサート~すっぴん人生 70歳~ みなさんお世話になりました』を開催。チケットは完売し、約2000人の観客と梅沢富美男、宇崎竜童、小椋桂のスペシャルゲスト、さらに田原俊彦がサプライズ登場するなど、コロナ禍で3年遅れとなった研の50周年を盛大に祝福した。アンコールでは今月8日に74歳で亡くなった谷村新司さんへの感謝を込めて涙を流しながら思い出の曲を歌った。

アニバーサリーライブを開催した研ナオコ
アニバーサリーライブを開催した研ナオコ

笑いと涙の53周年ライブ…梅沢富美男、宇崎竜童、小椋桂、田原俊彦が祝福

 歌手の研ナオコが19日、東京・LINE CUBE SHIBUYASHIBUYAでアニバーサリーライブ『研ナオコ デビュー53周年記念ファイナルコンサート~すっぴん人生 70歳~ みなさんお世話になりました』を開催。チケットは完売し、約2000人の観客と梅沢富美男、宇崎竜童、小椋桂のスペシャルゲスト、さらに田原俊彦がサプライズ登場するなど、コロナ禍で3年遅れとなった研の50周年を盛大に祝福した。アンコールでは今月8日に74歳で亡くなった谷村新司さんへの感謝を込めて涙を流しながら思い出の曲を歌った。

「こんばんは吉永小百合です。どこから見ても吉永小百合。今日は53年周年という中途半端なコンサートにお越しいただきありがとうございます」と第一声から観客を笑わせた研。前半は、数多くの研の代表曲を手掛けた中島みゆきとの思い出話を交えながら中島のデビュー曲『アザミ嬢のララバイ』(75年)、過去に研がカバーした『わかれうた』(78年)を歌った。

「ナオコさーん、おめでとう!」と大きな声が会場に響くと田原俊彦がステージに登場。研は田原が会場に来ることを一切知らされておらず、驚きを隠せないまま田原とのデュエット曲『夏ざかりほの字組』(85年)を2人で腕を組みながら歌った。すると田原は研の70歳に合わせて70本の真っ赤なバラの花束をプレゼントして「いつまでも元気な姉でいてください」と祝福。笑顔で手を振りステージを降りた。

 次に登場したのは公私ともに仲の良い梅沢がステージに上がり、得意のトークで観客を沸かせた。「研ナオコさまの53年という本当に中途半端なコンサートではございますが、素晴らしい歌声トークで感服いたしております」とユーモアを交えて褒め称え、コントのような息の合った2人のやり取りで笑いが絶えなかった。

 3人目に登場したのは小椋。研が「大切に歌っていかないといけない」と決意したという33枚目のシングル『泣かせて』を83年に提供してもらった恩人だ。小椋は研の歌声を「『世の中どうでも良いわ』という捨て鉢で憂いのある声」と独特の表現で絶賛。2人で『泣かせて』を歌った。途中小椋が歌詞を忘れて歌い直す場面もあったが、2人のほっこりとしたやり取りと79歳を迎えても変わらない小椋の美しい歌声に観客からも大きな拍手が起こった。

 最後に登場したゲストは宇崎だ。77歳とは思えぬカッコいい立ち姿に研もうっとりすると「日焼け止めを塗って、毎朝、嫁(作詞家の阿木燿子氏)に連れられて散歩しています」と照れながら健康の秘訣を明かし、「俺は100まで生きるから」と宣言した。そして研と宇崎がサングラスをかけて『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』(75年)を歌った。2人のトークコーナーでは研が本格的な歌手へと成長するきっかけになった曲『愚図』の誕生秘話を披露。研の所属事務所(田辺エージェンシー)の田邊昭知社長が直々に宇崎のもとに訪れ「ナオコを男にしてくれ」とお願いされたという。宇崎は「男にすることはできなかったけど(笑)、でき上がった歌詞を見てあっという間に曲ができ上がった」と振り返った。

 終盤は『夏をあきらめて』(82年)、『あばよ』(76年)、『かもめはかもめ』(78年)とヒット曲を次々と歌い、本編が終了。アンコールの大きな拍手の中、研がふたたびステージに登場すると今月8日に74歳で亡くなった谷村新司さんへの思いを語った。

「私にとっても大切な人です。実は今年8月に出したベスト盤の最後の曲が谷村さんの曲だったんです。今日は予定になかったんですが『感謝の意味を込めて1コーラスだけでも歌わせてほしい』とバンドメンバーにお願いしました。谷村さんに届けば良いなと思って歌わせてもらいます」

 込み上げてくるものをグッとこらえて谷村さんに提供してもらった42枚目のシングル『悲しい女』(92年)を歌った。しかし途中で涙があふれを歌えなくなってしまうと、客席から温かい拍手が鳴り響いた。

 最後に「暗い歌ばかりだから最後は明るい歌を歌います」と言って『LA-LA-LA』(76年)を歌った。イントロが流れると観客も立ち上がり大きな手拍子と「ラ・ラ・ラ」の掛け声で1つになった。

「歳なんかどうでもいい。とにかく人生を楽しんで! 私もそうします。まだまだやりたいことが、たくさんあるんです」

 そう話すと客席に大きく手を振ってステージを降りた。

◯研ナオコのコメント
「67歳で迎えるはずの50周年がコロナ禍で延期になり、今回は少々中途半端ですが53周年を迎えてのコンサートとなりました。YouTubeやインスタグラムなどで研ナオコを知っていただいた方は面白いおばちゃんだと思っていると思いますが、今回のコンサートで、歌手だっていうところも分かっていただければと思っています。70歳ということもあり、あと何年できるかわかりませんが、毎回これが最後というつもりでやっておりますので、ファイナルコンサートというタイトルにさせていただきました。でもまだまだやり残したことがあるので、頑張ります!」

次のページへ (2/2) 【写真】田原俊彦がサプライズ登場…研ナオコ“デビュー53周年記念コンサート”の様子
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