「国宝になりそう」ネット衝撃…ミニだんじりは「肉眼では見えないレベル」まで精密加工

秋のお祭りで有名なだんじり。豪華絢爛(けんらん)な山車を“完全再現”したミニチュアが、ネット上で話題を呼んでいる。SNSで公開された材料は、木の板だけ。そして、片手で持てるサイズ感。「本当にすごい技術」と驚きをもたらした投稿者に製作の秘密を聞いた。

完成度の高い岸和田型だんじりのミニチュアが話題だ【写真:織広堂(@orihirodo)さん提供】
完成度の高い岸和田型だんじりのミニチュアが話題だ【写真:織広堂(@orihirodo)さん提供】

「あらゆる工法を探った結果」の超精密…高さは20センチ程度

 秋のお祭りで有名なだんじり。豪華絢爛(けんらん)な山車を“完全再現”したミニチュアが、ネット上で話題を呼んでいる。SNSで公開された材料は、木の板だけ。そして、片手で持てるサイズ感。「本当にすごい技術」と驚きをもたらした投稿者に製作の秘密を聞いた。

「材料はほぼほぼこれから始めます」。写っているのは小さな木の板だ。そこから、迫力満点で精緻な仕上がりまでのビフォーアフター写真が掲載されている。竜の意匠は指でつまんでいるが、鼻息で飛んでいってしまいそうな小ささだ。

 投稿主は、岸和田型だんじりを1/20スケールで製作している織広堂(@orihirodo)さん。材料はすべて「桧を使用しています」。大きさは幅13センチ、長さ20センチ、高さ20センチ程度だという。

 気になる加工方法について、「粗加工(不要な部分を削る工程)後にレーザーで仕上げを行うことで、肉眼では見えないレベルまで精密加工を施しています。製作期間は1台あたり半年かかります」。根気の要る“職人技”だ。

 芸術的なミニだんじりは反響を呼んでおり、「国宝になりそうなレベルで凄い」「再現度が素晴らしい」「お美事すぎて実物拝見できたらずっと見ていられそうです」「すごすぎる!」「えっっぐ」などの驚嘆の声が次々と寄せられている。

 織広堂さんは「とんでもないです」と謙遜。「手彫りと思われることが多いのですが、手彫りでここまで出来ません」と話す。

「『小さくても超精密』なミニだんじり製作を目指し、そのために手段を選ばずあらゆる工法を探った結果、現在の工法にたどり着きました。私は技術で作ってるわけではなく、アイデアと工夫で作っているという感じです」と、製作の極意を教えてくれた。

 最後に、だんじりの魅力について聞いてみた。織広堂さんは「だんじりは姿形の美しさも魅力の1つですが、私は彫刻に注目してもらいたいと思っています。彫刻にはそれぞれ物語があり、そこには時代を駆け抜けた人物たちの生き様が刻まれています。私はなるべく彫刻の題材の解説を入れながら製作工程を投稿しているので、その彫刻の物語にも注目して見ていただきたいと思っております」と熱く語った。

次のページへ (2/2) 【写真】肉眼では見えないレベルまで精密加工を施したミニだんじり、実際のビフォーアフター
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