【ブギウギ】高瀬耕造アナ、部屋にこもって語りの猛練習 「録音した数2000ファイル超」
NHKの高瀬耕造アナウンサーが、語りを務める連続テレビ小説『ブギウギ』(月~土曜、午前8時)について、語りを担当することが決まった時の気持ちや、語りとして目指していることなどをコメントした。
5年間“朝ドラ”の前番組のエンディングでコメントする”朝ドラ送り”
NHKの高瀬耕造アナウンサーが、語りを務める連続テレビ小説『ブギウギ』(月~土曜、午前8時)について、語りを担当することが決まった時の気持ちや、語りとして目指していることなどをコメントした。
「正直に申し上げると、これはまずいことになったなと(笑)。これまで“朝ドラ”の前番組のエンディングでコメントする“朝ドラ送り”を5年間続けてきて、毎朝楽しみにしている視聴者の皆さんと一緒にスタートを迎えたいという一心で勝手に応援していただけだったのですが、今回語りを担当することになり、ファンとして“越えてはならない一線”を越えてしまうのでは? と思いました。また、ニュース番組で情報を伝えるという仕事を長くしてきた人間にとって、“朝ドラ”のナレーションは似て非なるものです。ドラマに感情や時代の空気をのせて語るというのは、アプローチとしては全く違いますし、実際、声の使い方や発声方法も違います。アナウンサーとしては未知の分野で新たなチャレンジだと感じました」
どういう語りを目指しているのだろうか。
「自分の中に声の引き出しとなるものがなかったので、『スカーレット』の語りを担当した先輩の中條誠子アナウンサーに相談したところ『“朝ドラ送り”で視聴者の皆さんに広く認知されているのだから、存在感を消して影になる語りではなく、高瀬さんらしい語りで“息遣い”を大切に』という助言をもらいました。また、ドラマの制作チームと顔合わせをしたときにディレクターが言った『出演者たちがうれしい場面では一緒に喜んでください。悲しい場面では一緒に泣かないで一歩引いて見守ってください』という言葉がとても印象に残っています。そのときに、これまで“朝ドラ送り”でやってきた視聴者の皆さんと一緒に楽しんできたスタンスとそう遠くないんだ、とようやく自分らしいアプローチが見えた瞬間でした」
苦労した点、工夫した点はあるだろうか。
「どれも難しいですが、やはり第1週第1回の冒頭の第一声ですね。『今から75年前、昭和23年の東京です』と私の語りからスタートしますが、物語の空気やカラーを見誤ってしまうと、最初から違和感を与えてしまうのではないかと危惧していました。台本をいただいてからは部屋にこもって、声を出して自分で録音をして確認するという作業を延々と繰り返しました。録音した数は2000ファイルを超えています。練習をしすぎてどれが正解かわからなくなってきたので、“朝ドラ送り”込みで練習しました。『さあこの後はいよいよ朝ドラ『ブギウギ』のスタートです。どんな始まりなのでしょうか?』という朝ドラ送りから始めて『今から75年前……』とナレーションを続けるのが、一番自分の中でうまくできるリズムなんです」
最後は視聴者にメッセージ。
「私が語りでいいのかどうか今も一抹の不安がありますが、新たな“朝ドラ”に向けて自分も新しいチャレンジをさせてもらっています。これまで多くの“朝ドラ送り”をしてきて、“朝ドラ”を見てきた経験から言わせてもらえば、自信を持っておすすめできる作品です。1日の始まりに、ぜひ見ていただきたいです」
物語は俳優・趣里が主演を務め、大阪の下町の銭湯の看板娘として育つヒロイン・花田鈴子が、小さな頃から歌って踊るのが大好きで、やがて歌の才能を発揮し、戦後のスターとなっていく半生を描く。戦後の大スター・笠置シヅ子さんをモデルに描くフィクション。