紅葉写真、過度な加工に「詐欺画像」の声 限度が大切? “がっかり観光地化”招くことも
3連休最終日の今日、各地で紅葉が見頃を迎えている。SNS上でも名所の紅葉が多数アップされているが、一方で気になるのが写真映えのために過度に画像の彩度を上げた“紅葉詐欺”。現実にはありえないような極彩色は見る人の目を引く反面、「自然の美しさが台無し」との声もあり、議論を呼んでいる。
写真映えのために過度に画像の彩度を上げた写真が議論に
3連休最終日の今日、各地で紅葉が見頃を迎えている。SNS上でも名所の紅葉が多数アップされているが、一方で気になるのが写真映えのために過度に画像の彩度を上げた“紅葉詐欺”。現実にはありえないような極彩色は見る人の目を引く反面、「自然の美しさが台無し」との声もあり、議論を呼んでいる。(取材・文=佐藤佑輔)
スマートフォンのカメラ機能向上とともに、今や撮影した写真をよりきれいに「加工」することは当たり前に。若い女性がスタイルよく、目を大きくと自身の容姿を加工することはもとより、自然の風景や食べ物の写真でも、見栄えをよくするための加工文化は一般的となっている。多くの人に見てもらうための写真である以上、よりきれいに見せたいと思うのは自然な発想だが、あまりにもやりすぎた加工は「加工詐欺」「詐欺画像」と呼ばれ、嫌えんされてしまうことも多々ある。
今年8月には、あるSNSユーザーが投稿した岐阜にある名もなき池、通称「モネの池」の加工写真が「絵画みたい」と話題に。「きれい」「行ってみたい」という声が殺到した一方で、「加工のやりすぎで目がチカチカする」「無加工の方がきれいだと思います」という意見も寄せられるなど、賛否両論を呼んだ。
紅葉の時期を迎え、ネット上では加工の是非が再び議論に。「加工するにしても限度がある。自然の美しさが台無し」との声もあれば「今どきプロの写真家だって加工は当たり前」という擁護の声もある。
また、観光地の“映え写真”について、「ネットの写真見て行ってみたけど、全然思ってたのと違ってがっかりだった」「地元民だけど、静かでいいところだったのにSNSで話題になってから人が大勢来てうんざり。みんながっかりしてる」という声もあり、過度な期待と実物とのギャップから“がっかり観光地化”を招いてしまう例も。その他にも、SNS映え目当ての安易な登山や違法駐車、自然環境への影響など、必ずしもいいことばかりとは言えないようだ。
雪と紅葉と木々の緑の3色が織りなす「三段紅葉」が屈指の人気を誇る紅葉スポット・長野の涸沢カール。山小屋「涸沢ヒュッテ」の担当者は「涸沢は上高地から徒歩で6時間以上、朝晩は氷点下になることもあり、この時期だといつ雪が降ってもおかしくない。SNSの使い方は人それぞれでいいと思いますが、しっかりした靴と十分な防寒対策をした上で来てください」と話している。