管理人をコンシェルジュと勘違い…海外生活→日本の高級タワマンに移住した男の勘違い

日本のタワマンで自身の“無知”さを恥じることになった男性。海外での生活も長かったことから、高級マンションには必ずコンシェルジュがいるものだと思い込んでいたが……。比較的裕福な家庭に生まれ育った男性にいったい何があったのだろうか。

タワーマンション(写真はイメージ)【写真:写真AC】
タワーマンション(写真はイメージ)【写真:写真AC】

コンシェルジュと管理人は別物だった!?

 日本のタワマンで自身の“無知”さを恥じることになった男性。海外での生活も長かったことから、高級マンションには必ずコンシェルジュがいるものだと思い込んでいたが……。比較的裕福な家庭に生まれ育った男性にいったい何があったのだろうか。

 アメリカ・ニューヨークのマンハッタンで幼少期を過ごした後、10代後半からはフランス・パリへと移り、日本の大学院に通うため20代になってから都内で暮らし始めたという金田耕太郎さん(仮名・32歳)。「先日、恥をかいてしまったんですよ」と顔を赤らめながら語る。

「僕ね、どんなマンションにも『コンシェルジュ』がいるものだと思っていたんですよ」

 幼少期に住んでいたのは、マンハッタン内にある高層マンション。コンシェルジュが常駐していて、とても便利だったという。パリではホテルの部屋を借りて住んでいたため、言わずもがな。単身日本に来た際も高級タワーマンションを選んだことから、家事に関することなどはコンシェルジュにオーダーしていた。

「本当にお恥ずかしい話なのですが……コンシェルジュが常駐しているのが当たり前だと思っていたんですよ。でも、昨年引っ越したタワマンは、コンシェルジュがいないタイプだったらしくて。僕、管理人さんに普通にクリーニングを頼んじゃったんです。そしたら『そういうのは自分でやってよ。いい大人なんだからさ』なんて言われてびっくり。仲介してくれた不動産屋に連絡をして『コンシェルジュがなってない!』と文句を言ったら『お客さまが現在お住まいのマンションにコンシェルジュはいませんが……』って言われて、『あれ? 管理人って何? コンシェルジュと何が違うの?』ってパニック寸前になってしまいました」

 会社でこの話をポロリと同僚にこぼしたところ、大爆笑された後、『お坊ちゃまくん』というあだ名を付けられてしまったという。

「同僚からの目も、なんだか生暖かく感じられて……。特にお坊ちゃま育ちだったわけではないのですが、当たり前のことを知らずに育ってしまったことが、今はただただ恥ずかしい限りです」

日本ではコンシェルジュがいるのは一部の高級マンション

 笑い話にして流すしかない失敗談だが、「実は意中の方からもお坊ちゃま呼ばわりされているみたいで……今、すごくつらいんですよ」と、マンションコンシェルジュにはとてもお願いできない悩みを抱えることになってしまったという耕太郎さん。ところで、コンシェルジュサービスは日本で実際のところどこまで広まっているのだろうか。不動産のプロである中目黒「コレカライフ不動産」の姉帯裕樹さんに話を聞いた。

「タワマンの中でも最高級をうたうものでは、コンシェルジュサービスやそれに近いサービスを行っている場所が多いようです。それでも、日本ではまだまだコンシェルジュが常駐するマンションは少ないと思います。

 マンションに常駐する、いわゆる『マンションコンシェルジュ』はクリーニングや宅配便の取り次ぎを行ったり、館内設備の予約を行ってくれたり、タクシーやベビーシッターの手配を行ってくれたりと、とても便利なサービスです。なので、子どものときからこのサービスに慣れてしまっていたのであれば、『コンシェルジュがいない』という現実にさぞかし驚いたのではないでしょうか。

 近年、いわゆるマンションコンシェルジュとは別に『入居コンシェルジュ』というサービスも見受けられるようになってきました。これは、新しい物件に入居する際、インフラの開通や住所変更など行政関連の手続きを請け負ってくれるサービスです。あれこれしている時間がない、面倒くさい手続きをしたくない、という方はこうしたサービスを利用するといいでしょう」

□姉帯裕樹(あねたい・ひろき)「株式会社ジュネクス」代表取締役。宅地建物取引士の資格を持ち、不動産取り扱い経験は20年以上を数える。独立した現在は目黒区中目黒で不動産の賃貸、売買、管理を扱う「コレカライフ不動産」として営業中。趣味はおいしいラーメンの食べ歩き。

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