堂本光一、異例の単独会見で語った胸中 KinKi Kidsの今後やジャニー氏への思い【一問一答全文】
KinKi Kidsの堂本光一が8日、主演するミュージカル『チャーリーとチョコレート工場』の開幕記念会見に出席。ジャニー喜多川元社長の性加害問題をめぐる一連の騒動や自身の“引退説”について言及した。主な一問一答は下記の通り。
“引退説”は一蹴「後ろ向きなだけの文章ではない」
KinKi Kidsの堂本光一が8日、主演するミュージカル『チャーリーとチョコレート工場』の開幕記念会見に出席。ジャニー喜多川元社長の性加害問題をめぐる一連の騒動や自身の“引退説”について言及した。主な一問一答は下記の通り。
――ジャニー氏の教えが自身の活動の根底にあるとお話しされていた堂本さんですが、ジャニーズという看板がなくなるということについて、どのように感じていますか。
「すごく葛藤はありました。自分のウェブでも、ファンの皆さんにはお伝えしてはいるんですけど、自分の知っている彼(ジャニー氏)と違ったりする部分もあったりするんですよね。ですけど、それを自分の中でも認めないといけないんだろうなという風に思います。
何よりも被害に遭われた方が救われなきゃいけないと思っておりますので、自分もこれまでのことを、改めないといけない部分は改めて、自分の中にあるエンターテインメントというものをどう育てていけるかということを、今後、行動を持って示していかないといけないと思います。少しずつ前に進む、自分も進まなきゃいけない。その前に、何よりも救済されなきゃいけないという風な思いでいます」
――事務所の全てが肯定できるわけではないとのことですが、その点はいかがでしょうか。
「いろんなことを報道、テレビとかで知ることもあったりします。それを見たときに、『なんなんだこれは』と思うこともたくさんあったり、被害者の方の言葉を見たり聞いたりすると、『なんてことが起きてたんだ』と、本当に言葉を失うようなことが起きてます。今の事務所のあり方、それが、新事務所を立ち上げたりする方向になっていくとは思うんですけど、そこの詳しいことも、少しずつ、ひな形を作っていって、形にしていかなければならない。まず1歩進んだところだと思うんです。
我々も、疑問がたくさんある状態なので、今後について、『こうするよ』という明言というか、そういった部分は今はまだできない状態ではありますね。しかし、自分としては30年以上ですかね。ファンの皆さんと歩んできたものがありますので、やっぱりファンの皆さんが1番、大事だと思ってます。ファンの皆さんも、ある意味、応援することだけで、今は誹謗中傷を受けたりするパターンもあると思うんですよ。ですから、ファンの皆さんも救われなければいけないと思いますし、そのためにはやっぱり自分たちが活動をもって示していかないといけないという風にも思っております。
この先何ができるかというのは、いろんなことを見極めながらという形にはなると思うんですけども、(堂本)剛くんと一緒に話し合いもしなきゃいけないですし、1歩ずつ進んでいかなければならないと思っております」
――現時点で、光一さん、もしくはKinKi Kidsは、どういう契約形態を考えていますか。
「すごく難しい問題だと思うんです。KinKi Kidsは、音楽を中心にやってきたグループでもあると思うので、それの権利がどういう形になってしまうか、とか、そういった説明をまだ聞いていないんです。ですから、その辺がやっぱりポイントになってくるのかなという風には思ってます。
迷い、ジレンマとか、いろんなことがあるんですけど、剛くんと一度話したとき、それこそ、ジャニーズ事務所で『グループ名を変えなきゃいけないグループもいるよね』と聞いたときに、KinKi Kidsも変えてもいいんじゃないかというところまで出ました。だけど、音楽活動してるグループとしては我々が1番上になっているので、我々が変えてしまうと、その下の子たちも考えなきゃいけなくなる。そういうことまで考えないといけなくて。ですから、その辺は慎重にやっていかないといけないなというのは剛くんとも話しています」
――KinKi Kidsの活動やご自身の舞台も続けたいという気持ちはお持ちでいらっしゃる。
「そうですね。僕らにはそれしか表現方法がないんです。エンターテインメントの力を信じて、今までもやってきましたので、ちょっと手放したくなるような瞬間もありましたけど、やっぱり自分はそれしか生きる道がない。そこでどう示していけるかというのを考えていかないといけないと今は思ってます。
本当にいろんなことが急激に変わっていく。いろんなことを急に知ったりするので、明日言うことがまた変わったりするかもしれない。それくらい激動の中にあると思います。自分たちが大変だとかは違うと思いますし、何よりも大変な思いされたのは、やっぱり被害に遭われた方たちなので、そこをまずは念頭を置いて、自分たちに何ができるかを考えていかないといけないと思っています」
――後輩の方々に何か伝えたいことはありますか。
「自分も後輩の演出をしたり、関わっている後輩も多くいますので、彼らがすごく不安に思っていたりすると思うんです。そういう彼らには、『大丈夫?』という風にメールですけども、声をかけています。ある意味、僕らよりもデビューをまだしていない、若い彼らの方が心配に思っていることってたくさんあると思うんですよ。まだ若いですし、自分で右、左、前に進む、後ろに進むのか決めなきゃいけないっていうのは、それも酷だなと。
ですから、その辺はできる限りを相談にのれるように。もちろん、東山(紀之)さんがいて、イノッチ(井ノ原快彦)がいて、体制というのは、大きくタレントにとっては変わった部分ってあると思うんですね。今まで上に話すことができないよっていう人も話せるような環境っていうのは少しできてきたと思うんですよ。それでもまだ、どっちも大先輩だしっ……ていう子も絶対いると思うんですよね。その辺は自分が中継となって、話を聞くようにしてあげれば、吸い出して上に伝えたりだとか、別にそういう役割を担ったわけではないんですけど、自分にできることはやっていこうかなという、やっていってる次第です」
――新会社に願うことは。
「世界一クリーンな会社じゃないですか。どの口が言ってんだっていうことかもしれませんけど、それを願って、それを目指して、本当に安心してエンターテインメントを楽しんでいただける環境を、長くはかかるとは思いますけど、少しずつ整えていかないといけないなって。ファンの皆さんにも安心して応援してもらえるように。そういった環境を作れるように、自分が何ができるのか考えないといけないと思っています」
――雑誌のインタビューで、光一さんが「引退を覚悟」という言葉を使ってらっしゃいましたが、意図を教えてください。
「どうしても時間の尺もあるでしょうから、切り取って報道されたりはあると思うんですけど、全文を読んでいただいたら、決して後ろ向きなだけの文章ではないはずなんです。ことによっては、そういった思いも持ちながら活動しないと、何か自分にできる責任というか、そういったものも果たせないなっていう風に思ったんですよね。
先程も言いましたように、本当に日々いろんなことが動いていって、自分の考え方や気持ちも変わっていく。そういった意味では、何か取材でしゃべったりだとか、自分がウェブでアップしたりだとか、いろんな時差が起きたりして、『こいつ何言ってんだろうな』みたいな感じになってしまったのは、もうちょっと考えてしゃべらなきゃいけなかったなと思っていますので、申し訳なかったです。だけど、決して自分としては、『もう本当に引退します』という意味ではなくて、そういった十字架を背負いながらやっていかないといけないなという思いです」
――やはりいろいろ継承している自分だからということでしょうか。
「そうですね。今後、自分としての表現の仕方や演出の仕方だとか、今までも随分あの人(ジャニー氏)とは戦ってやってきた部分はあるので、今までは彼に迷惑をかけてはいけない。恥ずかしい作品を作っては彼の名誉のためにいけないっていう思いでやってきたんですけど、もう、そういった思いは捨てて、刻まれたものにバツをつけて、十字架にして、今後は自分として表現していかなきゃいけないと強く思っています」
――最後にファンの方にメッセージをお願いします。
「重ね重ねになります。まずは、被害に遭われた方々、1日も早く救済されることを願っております。ファンの皆さんも、1日も早く安心して応援できる環境っていうのを、我々が整えていかないという風に思っております。長くはかかるとは思うんですけれど、本当に1歩ずつ、1つずつ、示していきたいと思っております。よろしくお願い致します」