ボクシング興行「3150FIGHT vol.7 ～拳闘士はゲンコツで語る～」（7日・大田区総合体育館＝ABEMAで全試合無料生中継）セミファイナル WBC世界ミニマム級（47.6キロ）王座統一戦 12回戦

　暫定王者・重岡優大（ワタナベ）が正規王者パンヤ・プラダブスリ（タイ）に判定勝利（3-0）し、団体内王座統一に成功した。この試合の前に行われた、IBF同級王座統一戦では弟の重岡銀次朗（ワタナベ）が正規王者ダニエル・バラダレス（メキシコ）に5R・TKOで勝利しており、史上初の同日に兄弟ダブル団体内王座統一という快挙を成し遂げた。優大の戦績は8勝。5度目の防衛に失敗したパンヤは40勝2敗。

　弟の鮮やかな勝利に兄として応えないわけにはいかない。優大がこの階級の強豪王者を倒してベルトを1本にまとめた。

　スピードで上回る優大が先手をとりかけるが、キャリアで圧倒的に上回るパンヤも下がらず前に出てタイミングの良いカウンターで応戦。両者アグレッシブな打ち合いが展開された。

　3R、優大が踏み込んで左ストレート。そしてロープ際で右フックをクリーンヒット。接近戦でも的確にパンチを当て打ち勝つ。そしてフェイントを入れながらのボディー、打ち終わりを狙った左ストレートとペースをつかむ。4R終わったところでの公開採点ではジャッジ3者が39-37で優大を支持した。

　5R終了間際には右フックでぐらつかせる場面もあったが、パンヤも引かない。6Rにはプレッシャーをかけ、右をクリーンヒットさせる。中盤は一進一退の攻防が続いた。

　8R、積極的に仕掛ける優大がボディー、顔面へのストレート、左オーバーハンドと何度もクリーンヒットさせる。この回終了時の公開採点でも79-73で3人とも優大を支持した。

　勝つには倒すしかなくなったパンヤが前に出てきたところを優大は冷静に対処。ダウンこそ奪えなかったが、最後までKOを狙って手を出し続けた優大が文句なしの判定勝ち。王座統一に成功した。

　当初、両者は4月に対戦予定だったが、パンヤがインフルエンザに罹患。優大はウィルフレド・メンデス（プエルトリコ）との暫定王座決定戦に臨み、7回KO勝ちを収めていた。

　優大はアマチュアで81勝10敗の成績を残し、2019年10月にプロデビュー。地域タイトルを次々と獲得し、7戦目で世界のベルトを巻くと、8戦目で正規王座のベルトを手にした。

　試合後には「今日はどんな結果でも自分をほめてやろうと思っていたので、自分をほめたいです。でも自分はボクシングを見るのは好きじゃなくて、こういうしょっぱい試合は12R、見ててつまらない。申し訳ない。でもこういうこと言ってもしゃあないので、今日は喜びます。皆の声は聞こえてましたし、力になりました」と謝罪していた。