すき家、松屋、吉野家…牛丼店のお酒メニュー、“ほぼビール”の不思議 大手3チェーンに聞いてみた

仕事帰りに立ち寄った牛丼店でチョイ飲みを。そんなときにふと気付いたのが、アルコールの種類だ。どうも、大手牛丼チェーンは今、“ほぼビールのみ”のメニューになっているようだ。ビールと牛丼の相性は抜群とよく言われるが、なぜビール中心で提供しているのか。大手3社の「すき家」「松屋」「吉野家」に聞いてみた。

大手牛丼チェーンはなぜ“ほぼビール”提供なのか(写真はイメージ)【写真:写真AC】
大手牛丼チェーンはなぜ“ほぼビール”提供なのか(写真はイメージ)【写真:写真AC】

ハイボールやチューハイなどの導入予定は? 日常生活の“気になる”について直撃

 仕事帰りに立ち寄った牛丼店でチョイ飲みを。そんなときにふと気付いたのが、アルコールの種類だ。どうも、大手牛丼チェーンは今、“ほぼビールのみ”のメニューになっているようだ。ビールと牛丼の相性は抜群とよく言われるが、なぜビール中心で提供しているのか。大手3社の「すき家」「松屋」「吉野家」に聞いてみた。

 今回、取材を申し込んだのは、全国展開しているチェーン店。公式サイトでドリンクのお酒メニューを確認すると、すき家は「ビール(中瓶)」で銘柄はアサヒスーパードライ。ノンアルコールビールも用意している。松屋はビールの「アサヒスーパードライ」と「生ジョッキ缶」。吉野家は「生ビール(ジョッキ)」、「生ビール(グラス)」と、日本酒の「冷酒」もそろえている。ちなみに銘柄の記載はない。

すき家は“ビールのみ”【写真:ENCOUNT編集部】
すき家は“ビールのみ”【写真:ENCOUNT編集部】

すき家 「『牛皿』などおかずになる単品メニューとのお好きな組み合わせを」

 すき家がビールのみを提供する理由を聞いてみると、「牛丼をはじめとしたすき家の多彩なメニューをアルコールと一緒に楽しみたいお客様のニーズがあり、日本で広く飲まれている酒類であるビール、及びノンアルコールビールを導入しています」との回答が寄せられた。牛丼との相性については、「お客様に選べる楽しさを感じていただけるよう多彩なメニューを取りそろえています。ビールをご注文のお客様には、牛丼はもちろん、『牛皿』などおかずになる単品メニューなど、お好きな商品との組み合わせをお楽しみいただいていると受け止めています」。おかずメニューの楽しみ方を薦めてくれた。

松屋は“ビールのみ”【写真:ENCOUNT編集部】
松屋は“ビールのみ”【写真:ENCOUNT編集部】

松屋 「お食事を召し上がる際の“プラス1”として」

 次に、松屋は「以前はハイボール等の販売をしたことがありますが、商品管理等の問題からビールのみにしております」とのことだ。「『牛めし』とビールの相性はとても良いと思います」と強調する。

 ちょっと気になるのが、日本の牛丼チェーンは“基本的にビールのみ”のメニューを採用しているように思えることの背景だ。一般論として見解を聞いてみると、「牛丼チェーンのビールのみ採用については特に深い意図はないと思います。居酒屋業態ではございませんので、お食事を召し上がる際の“プラス1”としてのビールという認識です」と教えてくれた。

吉野家はビールと冷酒【写真:ENCOUNT編集部】
吉野家はビールと冷酒【写真:ENCOUNT編集部】

吉野家 「仕事終わりの一杯、休みの日の一杯を楽しむ方が多くいます」

 そして、120年以上の歴史を持つ吉野家はどうなのか。「吉野家は1899(明治32)年に東京・日本橋の魚河岸で誕生しました。魚河岸で働く人々をはじめ、多くの働く人々にご愛顧いただいています。仕事終わりの一杯、休みの日の一杯を吉野家で楽しむ方も多くあり、ビールや冷酒を飲みつつ『牛皿』などをつまみに飲食を楽しむ光景は、ずいぶん前から多く見られます」とのことだ。

“ビール以外”の選択肢はあるのか?

 日本のお酒事情は、嗜好(しこう)の多様化が進んでいる。ビールだけでなく、ハイボールやチューハイなどの台頭も見受けられる。今後の可能性として、他の種類のアルコール導入について各社はどのように考えているのか。

 すき家は「現時点では未定です」、松屋は「現在のところ予定はございません」、吉野家は「チューハイやハイボール、サワーなど、他の種類のアルコール導入は現況予定はありませんが、お客様のニーズも鑑みて商品構成は検討してまいります」との答えだった。

 やはり牛丼・牛皿とビールは“テッパン”のようだ。豊富なおかずのサイドメニューとの組み合わせを楽しむことも、食欲の秋の一興になるかもしれない。

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