渋谷区長がハロウィーン期間の来訪自粛要請 当日の“閉鎖”の可能性に言及「そうならないように」
東京・渋谷区の長谷部健区長が5日、日本外国特派員協会で会見を行い、今月31日のハロウィーン直前の数日間について、区への来訪を控えるよう呼びかけた。
ハチ公前広場についても「条例やルール作りをしていく必要がある」と言及
東京・渋谷区の長谷部健区長が5日、日本外国特派員協会で会見を行い、今月31日のハロウィーン直前の数日間について、区への来訪を控えるよう呼びかけた。
ハロウィーン期間の渋谷については、例年人が殺到し、器物損壊、盗撮や痴漢など、迷惑行為が多発し問題となっている。渋谷区の概算によるとピーク時の2019年には約4万人が渋谷を訪れていたが、今年は新型コロナウイルスが5類に引き下げられたことや訪日外国人の増加などから、区ではコロナ禍前の1.5倍となる約5~6万人、それ以上が渋谷に訪れるのではないかと予測している。
また昨年、韓国・梨泰院(イテウォン)で159人が亡くなる雑踏事故が起きたことを踏まえ、渋谷区では急きょ、28~31日にかけての4日間で昨年の5割多い300人の警備員を動員すると発表。さらに、コンビニなど約35店舗にハロウィーン期間中の酒類販売自粛を今年も依頼し、例年以上に警戒を強めている。
会見で長谷部区長は、有事の際に備え警察や消防を配置するなど綿密に連携を取っていることを明かしたうえで、「何も対策を取らなければ例年とは比べ物にならないほどの人出となり、事故やトラブル発生の強い危機感を抱いている。あえて強く言うならば、ハロウィーン期間に渋谷駅周辺には来ないでほしい」と述べ、改めて渋谷への来訪を控えるよう呼びかけた。
記者からハロウィーン期間中に渋谷の街を閉鎖する、または渋谷駅に電車が止まらないようにするなどの対策を講じる可能性について問われると「検討したことはある。ただ区の判断では不可能であり、公道は基本自由であること、周辺の店舗の営業補償や居住者の生活に必要な行動もあることなどから、なかなか難しい。本当にどうしようもなくなったときは駅を閉じるということも、もしかしたら判断としてはあるかと考えているが、状況に応じて警察、鉄道事業者と対応していくことになる。そういうことにならないように呼びかけることが大切」と回答。条例の周知など現状可能な範囲で対応していくと明かした。
YouTuberなどによる迷惑行為についても触れ、渋谷の象徴的なスポットである「ハチ公前広場」についても「現在は公道扱いだが、迷惑行為が続けば条例やルール作りをしていく必要があると感じているし、話題にも上っている」と言及。会見の最後には「ハロウィーン期間に渋谷に来ても楽しめない、ということをもう少し伝えていかないといけない。また、渋谷はハロウィーンイベントの会場ではないと世界に発信していかなければならない。直前からの数日間は来訪を考え直してほしい」とあらためて訴えた。