無人の停車中トラックからクラクション…「直ぐに荷台を開けて」と注意喚起 「これは知らなかった」の声相次ぐ

「中に人が閉じ込められているのかも知れません」。トラックの荷台について、危険な状況を知らせる注意喚起の投稿がネット上で話題になっている。「これは知らなかった」「下手すると命に関わる」などの声が相次ぎ、1200万超の表示回数を記録する反響に。投稿した商用車メーカーの中の人(@trucknakanohito)さんに詳細を聞いた。

停車中のトラックからクラクションが聞こえてきたら…(写真はイメージ)【写真:写真AC】
停車中のトラックからクラクションが聞こえてきたら…(写真はイメージ)【写真:写真AC】

「中に人が閉じ込められているのかも知れません」

「中に人が閉じ込められているのかも知れません」。トラックの荷台について、危険な状況を知らせる注意喚起の投稿がネット上で話題になっている。「これは知らなかった」「下手すると命に関わる」などの声が相次ぎ、1200万超の表示回数を記録する反響に。投稿した商用車メーカーの中の人(@trucknakanohito)さんに詳細を聞いた。

「これは義務教育に含むべきと思っているのですが誰も乗っていない停車中のトラックがクラクションを鳴らし続けていたら怖がらないで直ぐに荷台を開けてあげて下さい。中に人が閉じ込められているのかも知れません。これは知っておいて下さい」

 9月29日、商用車メーカーの中の人さんが画像とともに投稿すると、8万件のいいね、1232件の表示回数を記録するなど、大きな話題に。「これは知らなかった」「これは覚えておいた方がいいですね!」「何もわからなければ、うるさいなー。迷惑考えてよくらいで通り過ぎてしまいますね」「下手すると命に関わりますものね、ありがとうございます」「自力で出られないのだから、かなりの恐怖」など多くの反応が寄せられた。

 いったい、トラックの荷台はどのような構造なのだろうか。

「設計の考えとしては、内部の荷物が荷崩れしても外部に出てこないように中からは開かないように作られています(走行中にトラックから荷物が崩れ落ちる方が危ない)。仮に閉じ込められた際は、非常ブザーでクラクションを鳴らして知らせるという方法を救済方法として残しています。技術的には中からドアを開ける設計をすることは可能ですが、このような事情で内部から開かないようになっています」

 確かに走行中に荷物が倒れた拍子に、中からボタンが押され、ドアが開いてしまったら、後続車を危険にさらす可能性がある。

 一方で、運転手が荷台で作業している際、誤って閉じ込められてしまうと、中から開けられないリスクがある。

「実例としてそんなに多くはないと思いますが、荷物の搬入や搬出時に運転手が中に入って作業している際、何かの弾みでドアが閉まってしまい、出られなくなってしまうということがあります」

 そんなとき、運転手は荷台に設置されている非常用ブザーのスイッチを押して、クラクションを鳴らす。

 ただ、事情を知らなければ、無人のトラックからクラクションが鳴り続けることを、単に故障と思う人もいるかもしれない。しかし、実際は“閉じ込められる”という事態が発生している可能性がある。

 商用車メーカーの中の人さんは「人命の危機を救うために内部にブザーが設置されていますが、滅多にあることではないので、知らない運転手もいるのかと想像します。トラックの周りの方も、誰も乗っていないトラックからクラクションが鳴っても何が起きているのか理解できないと思います」と認知度の低さを指摘し、投稿の意図を明かした。

 ネット通販の普及で、物流の需要は拡大。トラックによる配達はこれまで以上に身近な存在となっているが、トラックの荷台がこのような機能になっていることは初めて知ったという人は多いだろう。

 ネット上には、投稿を受け、「そもそも、トラックの設計を見直してはどうかと思います」との指摘も挙がる。クラクションを別の音声に変更するなど、改良の余地はありそうだ。

 トラックのクラクションで不審に思ったら、注意して状況を確認したい。

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