「ニワカを見分けるセンターライン」 36歳の“オールドルーキー”佐藤将光がRIZINに吹かせる新風
格闘技イベント「For Japan presents RIZIN LANDMARK 6 in NAGOYA」(10月1日、愛知・ドルフィンズアリーナ/ABEMA PPV ONLINE LIVEで生中継)第12試合(63キロ)RIZIN MMAルール5分×3R セミファイナルでは電撃参戦の佐藤将光(坂口道場一族/FightBase都立大)がレスリングの五輪銀メダリスト・太田忍(パラエストラ柏)に2-1の判定勝ち。RIZINデビュー戦を白星で飾った。2週間前にオファーを受け、1週間前に参戦が正式に決まった36歳の“オールドルーキー”はRIZINで何を目指すのか。自らの信念を口にした。(文・角野敬介)
発言の真意は「そういう発言をすることで、注目を集められるかなと思っていただけ」
格闘技イベント「For Japan presents RIZIN LANDMARK 6 in NAGOYA」(10月1日、愛知・ドルフィンズアリーナ/ABEMA PPV ONLINE LIVEで生中継)第12試合(63キロ)RIZIN MMAルール5分×3R
セミファイナルでは電撃参戦の佐藤将光(坂口道場一族/FightBase都立大)がレスリングの五輪銀メダリスト・太田忍(パラエストラ柏)に2-1の判定勝ち。RIZINデビュー戦を白星で飾った。2週間前にオファーを受け、1週間前に参戦が正式に決まった36歳の“オールドルーキー”はRIZINで何を目指すのか。自らの信念を口にした。(文・角野敬介)
佐藤が勢いに乗る太田の勢いを受け止め、そして上回った。序盤から執拗にタックルを仕掛けられ、受けに回る展開。下になりパウンドも打たれたが、冷静に対処し、盛り返していった。太田の突進を受け倒されても、すぐに立ち、打撃を的確に当てていった。3R終盤には佐藤がジャブからの左ハイキックを当て、ぐらつかせた。
ジャッジの判定は割れたが、最後は佐藤の手が上がった。「デビュー戦をしっかりKOで勝ちたかったなと思うんですが、まずは勝てて良かったです」と貫禄を漂わせ、「僕的には30-27と感じていたゲームではあります。太田選手が押している展開が評価されるんだなと。客観的に見られた」と百戦錬磨のベテランらしく冷静に振り返った。
オファーは2週間前、正式決定は1週間前という緊急参戦。準備期間が短い中でも、確かな実力を証明した佐藤は、自らのことをこう評した。
「(自分を知っているかどうかで)ニワカか、ニワカじゃないかのセンターラインの佐藤将光です」
この日の試合後のマイクでファンに向けてあいさつしたが、実は2日前の記者会見でも同様のセリフを発していた。一体どういうことか。9月24日の「RIZIN.44」のリング上まで遡る。
この名古屋大会を巡っては直前で大きく状況が動いた。1つはメインで太田忍と対戦予定だった井上直樹の病気による欠場。これにより佐藤の代役での出場が決まった。
日本での実績に加え、直近に参戦していたONEで4勝2敗の戦績。敗れたうちの1つも元ONEバンタム級MMA王者ファブリシオ・アンドラージ(ブラジル)ということを考えても、この階級の日本人ではトップクラスの実力者。このタイミングでの参戦でなければ、もっと話題になっていいはずの選手だ。
だが発表され、榊原信行CEOの紹介でリングに上がっても会場のファンが大きく盛り上がるわけでもなければ、ネット上でもことさらクローズアップされることなく、すぐに、話題は2つ目の皇治への異例の生電話オファーへ移り、「朝倉海ー皇治」という良くも悪くもRIZINらしいサプライズにかき消された。