『モーニングショー』で突然始まるストレッチ 玉川徹氏がはっちゃける意外な理由

テレビ朝日系『羽鳥慎一モーニングショー』(月~金曜、午前8時)の終盤、俳優で気象予報士の片岡信和が天気予報とともに紹介するストレッチが視聴者に好評だ。くすっと笑えるこじつけ的な理由で視聴者にストレッチを勧め、難しいテーマにコメンテーターが熱く意見を述べた後の硬い空気も一変。一緒にストレッチをする出演者らのノリのいい動きに、心もほぐされ軽やかな気分になる。そもそもなぜ、お天気コーナーにストレッチなのか。コメンテーターの玉川徹氏や石山アンジュさんらが突然、はっちゃけてストレッチをするのは演出なのか。人気コーナーの舞台裏を片岡とチーフプロデューサーの小川覚司氏に聞いた。

番組でストレッチを披露する片岡信和【写真:(C)テレビ朝日】
番組でストレッチを披露する片岡信和【写真:(C)テレビ朝日】

テレビ朝日系『羽鳥慎一モーニングショー』のお天気コーナーで運動不足解消へ

 テレビ朝日系『羽鳥慎一モーニングショー』(月~金曜、午前8時)の終盤、俳優で気象予報士の片岡信和が天気予報とともに紹介するストレッチが視聴者に好評だ。くすっと笑えるこじつけ的な理由で視聴者にストレッチを勧め、難しいテーマにコメンテーターが熱く意見を述べた後の硬い空気も一変。一緒にストレッチをする出演者らのノリのいい動きに、心もほぐされ軽やかな気分になる。そもそもなぜ、お天気コーナーにストレッチなのか。コメンテーターの玉川徹氏や石山アンジュさんらが突然、はっちゃけてストレッチをするのは演出なのか。人気コーナーの舞台裏を片岡とチーフプロデューサーの小川覚司氏に聞いた。(取材・文=中野由喜)

 まず、お天気コーナーでストレッチをやる理由を尋ねた。

片岡「本当は期間限定の予定でした。僕が天気予報を担当するようになった20年春は、コロナ禍で外出自粛が叫ばれる状況。当時、お天気コーナーの最後に季節に応じたお勧めスポットを紹介していましたが、外出自粛時に紹介しても意味がないと思ったんです。そこで大学時代にスポーツ科学を勉強した経験から、運動不足になりがちな“おうち時間”の間だけストレッチをやろうと考えました」

 開始当初から“身内”に好評だった。

片岡「外出自粛期間を終え、出演者の皆さんがスタジオに戻ってきたとき、テレビに映っていないのに僕より激しく動いている人影が見え、誰かと思ったら玉川さんでした。翌日も立ち上がって激しく動いていたんです。『シビアな話題の後に玉川さんにストレッチをさせるのは作戦勝ち』『すごく計算された演出』と、よく言われますが、僕からは一切、お願いしていません。玉川さんも視聴者の皆さんの気持ちを一番に考える方なので、映っていなくても一生懸命動いていたのは皆さんの健康を願っているからだと思います」

 玉川氏をはじめコメンテーターたちのはっちゃけた動きは魅力的。硬い話をする顔とは違った柔らかな表情と動きに一気に親近感が高まる。

片岡「気が付いたら皆さん自発的にやってくださっていました。一緒に楽しくストレッチをすることで見ている人たちが一日を明るく過ごしてもらえたらという思いで始めたと思います」

 小川CPが玉川氏の意外な裏事情も明かしてくれた。

小川CP「玉川さんは実は1時間に1回、立ち上がる習慣があるんです。アップルウォッチをつけてずっと座っていると、『立て』と指示されるそうです。玉川さんは午前8時の放送開始から座っていて、CMに入る同8時57分頃に立ちます。その後、座って、次に立つのがちょうどストレッチの頃。映ってないからと立ち上がり、立つと動きやすいから激しく動き始めたと思います。カメラもその動きに何だ? ということで映したら面白い、となりました。アップルウォッチから始まりました(笑)」

 石山さんのはっちゃけぶりはどうか。

小川CP「玉川さんに触発されてでしょうか(笑)。楽しんでやっていただいていて、その中での自己表現の一つだと思います。番組からやってほしいとは言っていません。楽しんでやっていただいております」

ストレッチで片岡にも変化「人の役に立てる喜びを感じています」

 出演者の人柄やいい関係性がうかがわれる。

小川CP「この番組はコメンターをほとんど変えずに放送しているのでファミリー感が生まれ、言いたいことも言え、一致団結感があると思います」

片岡「僕は昔、たまに震えていました。理由は番組ですごくシビアな事件や問題の白熱した議論後もウキウキとストレッチをやることになるので、やっていいのか不安だったから。そんなとき、羽鳥さんが『大丈夫だよ』とニコっとしてくださり、救われました。本当にファミリーです」

 ストレッチは片岡自身が考えているという。

片岡「寒いときは大きい筋肉を動かすとすぐに体が温まり、発達した低気圧が近づいてきたときは、気圧のセンサーが内耳にあるので耳をほぐすとか、その日の天気のコンディションに応じて決めています。いくつか候補を考え、番組開始直前まで悩むこともあります。1週間で全身のストレッチになるように考えています。あとは小川CPの情報です。たとえば入居者の皆さんが一緒にやっている老人ホームがあると分かるとシンプルな動きがいいとか」

 毎回、ストレッチをするこじつけ的理由やユニークな動きが楽しい。

片岡「運動しない人に少しでもきっかけを作りたいという思いでやっています。皆さんに健康でいてほしいので、その最初の一歩を担えたらと。面白い動きほどやってくれるので、できるだけ楽しく明るくを突き詰めた結果、こんなことになっています(笑)」

 片岡は気象予報士の資格を持つが本来は俳優。15年にCDデビューも果たした。いろんな顔を持つが、まだ顔は増えそうだ。

片岡「いま勉強している資格の1つが健康気象アドバイザー。ストレッチと天気をつなげてくれる資格。気圧が低いときはこうした方がいいとか、気温差対策などを伝えられると思います。僕の一番の目標は天気をいかに人の健康につなげられるか。昨年は宅地建物取引士の資格を取りましたが、家のつくり、暮らしに寄り添った天気予報もできると気付きました。これから暮らしと健康、楽しい人生に役立つ天気予報を目指していきます」

 お天気コーナーを担当して片岡の人生がどう変化したか。

「ストレッチも楽しみに見てくださる方も多く、街で年配の方に『毎日やってるよ』と声をかけられるようになりました。天気予報を通して人の役に立てる喜びを感じています。幸せ過ぎ。最高です。こうなったら、次はお天気体操を作るしかないですね(笑)」

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