『VIVANT』で「別班」演じた珠城りょう、堺雅人の座長としての振る舞いに「深く感銘受けた」

『天翔ける風に』(9月29日~10月9日まで、東京・池袋の東京芸術劇場プレイハウス)で宝塚歌劇団退団後初となるミュージカルに主演を務める俳優の珠城りょう(34)。退団後は、舞台のほかに歌手、映像作品など新たな挑戦をしてきた。その中でも大ヒットTBSドラマ『VIVANT』への出演は大きかったという。

『VIVANT』で得た学びについて語った珠城りょう【写真:矢口亨】
『VIVANT』で得た学びについて語った珠城りょう【写真:矢口亨】

福澤克雄監督からは「本当に学びが多かったです」

『天翔ける風に』(9月29日~10月9日まで、東京・池袋の東京芸術劇場プレイハウス)で宝塚歌劇団退団後初となるミュージカルに主演を務める俳優の珠城りょう(34)。退団後は、舞台のほかに歌手、映像作品など新たな挑戦をしてきた。その中でも大ヒットTBSドラマ『VIVANT』への出演は大きかったという。(取材・文=平辻哲也)

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『VIVANT』は主演の堺雅人を始め、阿部寛、二階堂ふみ、二宮和也、松坂桃李、役所広司ら主演級のキャストが勢ぞろいしたアドベンチャードラマ。この中で、珠城は第6・7・9話に登場する陸上自衛隊の秘密情報組織「別班」のメンバー、広瀬瑞稀を演じた。映像作品の出演は22年4月期の『マイファミリー』に続き2作目となる。

「役の詳細や登場する話数についてはずっと言えなかったんです。どの回も面白く、監督やスタッフの皆さんのおかげで素晴らしい作品ができたと感じていました」

 自身の中でも大きな収穫はいくつもあるが、特に『半沢直樹』シリーズなどの大ヒット連発してきたドラマの原作者で監督の福澤克雄氏との仕事に大きな刺激を受けた。

「本当に学びが多かったです。監督は私が映像の現場が浅いことをすぐに見抜かれ、足りない部分を指摘してくれ、どう改善したら良いかという相談にも乗っていただきました。監督は『慣れと経験と訓練』が大事だと仰り、仕事がない時に現場を見学することも勧めてくださいました」

 そのアドバイスに従い、撮影がない日でも現場に足を運び、俳優たちの動き方に学んだ。

「この作品には素晴らしい俳優さんたちがたくさん出演していますが、特に座長の堺雅人さんの現場での姿には感動しました。現場でのその瞬発力やキャストやスタッフとのコミュニケーションの取り方が素敵で。堺が言葉にすること、その空気作りやセリフのこなし方、全てが素晴らしかったです。セリフのミスが全くなく、的確に役を演じるのです」

 堺の座長としての振る舞いは、宝塚歌劇団・月組時代に5年間以上、トップスターを務めてきた珠城にも刺激は大きかった。

「堺さんの振る舞いを見ていると、自分がこれまでやってきたことも間違っていなかったんだなと再確認できました。多くのセリフを持ちながらも、セットチェンジの間や休憩時間に他のキャストとコミュニケーションをとる姿勢は本当に素晴らしいと感じました。初対面の私にも気さくに話しかけてくださり、振る舞いや言葉使い、人としての魅力に深く感銘を受けました」

 舞台と映像作品の違いは何か。

「映像も舞台も、多くの人たちが集まって作品を完成させる総合芸術です。ジャンルは違いますが、その核となる部分は変わらないと感じています。ただ、映像の現場では、メインの方とたくさんお話しする機会は少ないかもしれません。コロナになる前は、映像の現場でも最初に顔合わせがあったそうですが、今は撮影の当日に現場入りという流れになっています。新しく映像の現場に入る人にとって、関係性を築くのが難しい部分もあるかもしれません。でも、私は何度も現場に足を運べたので、スタッフやキャストとのコミュニケーションが取りやすかった。」。退団後もチャレンジを続ける珠城。2つの映像作品でのキャリアを積んだことで、俳優としての自信をつけたようだ。

◆珠城(たまき)りょう、10月4日、愛知県蒲郡出身。08年宝塚歌劇団94期生として入団。月組に配属され、入団3年目で新人公演の初主演に抜てきされ、9年目で月組トップスターにスピード就任。21年に退団後は舞台『Greatest Moment』『マヌエラ』、TBS系連続ドラマ『マイファミリー』『VIVANT』、映画『わたしの幸せな結婚』など多数出演。

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