【RIZIN】なぜ山本アーセンは「クソみたいな試合」を選んだのか グラウンド主体の作戦を無視した理由
格闘技イベント「RIZIN.44」(埼玉・さいたまスーパーアリーナ/ABEMA PPV ONLINE LIVEで生中継)が24日、行われた。第4試合では山本アーセンがDEEPフライ級暫定王者の福田龍彌と対戦。3Rに有効打による負傷でドクターストップ。TKO負けを喫した。
セコンドのUFC戦士・中村倫也は幼なじみ
格闘技イベント「RIZIN.44」(埼玉・さいたまスーパーアリーナ/ABEMA PPV ONLINE LIVEで生中継)が24日、行われた。第4試合では山本アーセンがDEEPフライ級暫定王者の福田龍彌と対戦。3Rに有効打による負傷でドクターストップ。TKO負けを喫した。
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レスリングエリートのアーセンが打撃勝負。福田の的確な打撃はアーセンの顔をどんどん腫らす。最後は右目上がパックリと割れ、大流血。リングドクターのチェックの際に「大丈夫だって! お願い! やらせて! まだやれるんだって!」と懇願する姿や試合後に「まだ脳は大丈夫なんだって俺」と泣き崩れる姿が印象的だった。
「自分の良さを自分で消した、クソみたいな試合」とアーセン。セコンドにはUFCファイターで幼なじみでもある中村倫也が入っていたが一体何が起きていたのか。
「福田選手がジャブで気持ちいい状態になってたから、それをはたいて奥手を当てようと思ってた。スパーリングとかでも当てていたし、ウォーミングアップでもちょっと狙えるなと自信がついていたので狙いすぎた。自分なんてカウンタータイプの選手になっちゃダメなのになちゃったすね。余計なことをして自分の良さを自分で消したみたいな。言葉悪くてすみません。クソみたいな試合をしてしまいました」
2年9か月ぶりの試合となった5月の伊藤裕樹戦では得意のレスリングで相手をコントロールし、判定勝ちを収めていたが、この日はその姿がほとんどなく。攻防のほとんどが打撃戦だった。
「グラウンドありきで進めるのが元々のプランだった。でも自分のなかで『漬ける』試合じゃなくて、KOで勝てる気がしたんですよ。なんの根拠もないんですけど。チームに言わずに立ち技でいこうって自分だけで決めていたところがあったんです」
相手がストライカーだったからこそ「これで(KOすれば)超魅せられる」と勘違いしてしまったという。「俺は死んでもレスラーということをこれからは忘れないようにしたい」と下を向いた。
しかし、この選択を成長と見たのがセコンドの中村だ。中村は芸能事務所LDHの格闘技部門「LDH martial arts」の一員として格闘家デビュー。その後、フリーとなり、Road To UFCに参戦。無傷で優勝し、UFCとの契約を勝ち取った。8月のデビュー戦では格上のファーニー・ガルシアに3-0の判定勝ちを収めている。戦績は8戦8勝(5KO)無敗だ。アーセンとは幼少期から山本美憂のもとでレスリングを学んできた仲でもある。
「プランはレスリングをしっかり使うことだったんですけど、結果的に練習での打撃の自信と実戦の打撃の自信って全く別物。今回のアーセンは後者を手に入れたと思っている。結果的にすごい良かった」
打撃を生かせてこそレスリングも生きてくる。今回の経験が次戦以降にどんな影響を与えてくるのか。試合をするたびに成長するアーセンに目が離せない。