シンプルながらもシビアで奥深い…80年代登場のファミコンを代表するレースゲーム3選

ファミコン用レースゲームには、完成度が高く今プレイしても楽しめる作品が数多く存在している。シンプルだがやり込み要素がある名作ぞろいなのも特徴だ。今回はファミコンを代表するレースゲームを紹介する。

『ファミリーサーキット』【写真:ENCOUNT編集部】
『ファミリーサーキット』【写真:ENCOUNT編集部】

自分が作ったコースを友達に走ってもらうことができた『エキサイトバイク』

 ファミコン用レースゲームには、完成度が高く今プレイしても楽しめる作品が数多く存在している。シンプルだがやり込み要素がある名作ぞろいなのも特徴だ。今回はファミコンを代表するレースゲームを紹介する。

 1作目は、1984年に任天堂から発売された『エキサイトバイク』だ。同作はオフロードバイクでダイナミックなレース展開が楽しめる。操作に慣れるまでは、速いタイムが出にくいが、敵との対戦モードだけでなく、単独走行モードも用意されているのでじっくり練習することができる。タイムを縮める楽しみ方以外にも「DESIGN」モードで自分だけのオリジナルコースを作ることができるので、友達と一緒にワイワイ楽しめるのも魅力的だ。

 レースで速く走る秘けつはいくつもある。ぬかるみや障害物を避けたり、エンジンを冷ますクールゾーンを通ることも大切だ。さらに、バイクがジャンプする前と着地するときに、バイクの角度調整をすることも早く走るためには重要である。本作をプレイした人なら、このコントロールがうまくできず、転倒ばかりした苦い記憶があるだろう。

 SNS上でも「派手に見えるけど実は細かい操作が重要」「やり込まなければタイムを短縮できず熱中してプレイした」などのコメントがあり、奥深いゲーム性に夢中になった人が多いことが分かる。

 次に紹介する、F1を題材にしたレースゲーム『ファミリーサーキット』は、88年にナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)から発売された。コースやドライバーが非公式ながらほぼ実名で登場し、車のカラーリングやハンドル、ブレーキを自由にセッティングできるのが特徴だ。

 レース中は実際のマシンのように、電気系統やトランスミッションなどの故障やタイヤの摩耗があり、状況によってマメにピットインしないと走行できなくなるシビアさも魅力である。

「スプリントレース」モードでは最下位クラスのノービスから最上位ランクのスーパーAまでの4カテゴリーに分かれ、上のカテゴリーになるにつれ相手も強くなっていく。

 ほかにも、時間や周回数で己の実力を測る「たいきゅうレース」やライバルの走りを研究できる「かんせん」などのモードを用意。SNS上では「独特の操作性やセッティングが楽しかった」「F1マシンの壊れやすい点が上手に再現されていて今のゲームより楽しい」などの好意的な声が多く寄せられている。

 F1を題材にしたゲーム紹介なら『ファミコングランプリF1レース』も忘れてはいけない。同作品は87年に任天堂から「ファミコンディスクシステム」用ソフトとして発売された。

 F1カーを操りグランプリレースで賞金を稼ぎ、徐々にマシンをアップグレードしていくのが楽しいゲームだ。遊べるモードは「GRAND PRIX」と「TIME TRIAL」の2種類。どのモードでも最初は所持金が少なく性能の低いマシンしか購入できないが、GRAND PRIXモードで4つのサーキットを走行し6位以上で賞金を稼げばグレードの高い車の購入も可能になる。

 マシンにはボディーやタイヤ、ガソリンといったステータスがあり、レース中に消耗していくので、状況を見てピットインで回復させる必要がある。同作品はプレイ動画を配信しているファンも多く、動画には「コーナーギリギリを攻め直進ではターボを効かせる」「タイヤが減ってもピットインせずに滑らせっぱなしで走らせた」など、ゲームプレイの思い出コメントが多く集まった。

 ファミコンで楽しめるレースゲームは、シンプルながらも完成度が高く今でも多くのファンから愛されている。ゲーム機の進化が著しい現在でも、まだまだ楽しめるに違いない。

次のページへ (2/2) 【写真】『エキサイトバイク』『ファミリーサーキット』実際のプレイ画面
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