【どうする家康】広瀬アリス、初大河で“重圧”も松本潤に感謝「常に周りを見ている方、かっこいい」

俳優の広瀬アリスがこのほど、徳川家康の側室・於愛の方を演じたNHKの大河ドラマ『どうする家康』(日曜午後8時)の合同取材会に出席。主演を務める松本潤との撮影中のエピソードや本作に懸けた思いとともに、於愛を演じきった心境を語った。

広瀬アリス演じる於愛の方【写真:(C)NHK】
広瀬アリス演じる於愛の方【写真:(C)NHK】

家康の側室・於愛の方を熱演

 俳優の広瀬アリスがこのほど、徳川家康の側室・於愛の方を演じたNHKの大河ドラマ『どうする家康』(日曜午後8時)の合同取材会に出席。主演を務める松本潤との撮影中のエピソードや本作に懸けた思いとともに、於愛を演じきった心境を語った。

 24日放送の第36回「於愛日記」では、於愛の知られざる過去が明かされ、初登場した第23回「瀬名、覚醒」からの、於愛の方から見た物語の裏側が、モノローグで“日記”のように描かれた。

 家康の正室・瀬名(有村架純)が世を去ってからは、側室としてこれを支えた於愛。「全てが伏線になればいいな」と演じるうえでのポイントを振り返り、第36回では「今まで見せたことのない於愛の表情を全て出せれば」と心がけた。

「第35回までは笑顔がないシーンをあまり作らない。彼女がいることによって、殿が“徳川家康”という鎧を脱いで、一人の人間として心地よくそばにいられるというキャラクターになればいいなと思っていました」

 広瀬が言う「太陽のような女性を演じられたら」という言葉通り、朗らかで明るい於愛が登場すると、家康のみならず視聴者までも笑顔にさせる癒やしの時間を与えていた。於愛についてはネットで調べ、ドラマのスタッフが用意した資料も読み込んで事前に準備。「もちろん演じるのは私なので、資料を読んでいることにプラスして、実際に本読みもしていくなかで、少しずつ役のイメージを膨らましていったという感じです」と語った。

 大河ドラマ初出演の広瀬にとって、今作は約10か月ぶりに入る復帰作でもあった。作品にかけた時間を「すごくあっという間」としみじみと振り返り、「復帰作がこの作品で本当に良かったなって思いました」とにっこりと笑う。

「本当に一から役を作っていきました。所作や笛、いろんな稽古を重ねて役を作っていく……もう一度改めてお芝居ってどんなのものだったのかを学べました。なかなか20代後半で新しく学ぶ機会も少なくなってくると思うので、自分の中で大きな経験になりました」

 また、時代劇への出演に「自分の中でハードルが高くて、すべて美しくやらなきゃいけない、美しく見せなきゃいけないと、すごく考えて、構えちゃってたんです」とプレッシャーも感じていた。しかし、台本を読むと「於愛はすごく人間らしくて。お方様と呼ばれる立場ではあるし、人の上に立つ瞬間もあるんですけど、実はめちゃめちゃ緊張してるとか、すごく嫌そうに『ええ……』っていう顔をするとか、そういう人間らしさがすごくにじみ出ていて」と共感する部分が多く、演じるうえでの余裕も作れた。

 そして、「あの時代の女性たちは全員強いですね、男性よりも。今の時代の女性より強いんじゃないかってぐらい筋が通ってるし、形はどうであれ、とにかく男性を支えるという強さがとてもあるなと感じました」と続けた。

 撮影では、家康を演じる松本に大いに助けられたそうで、取材中も松本のことを「殿」と呼びながら現場の様子を伝えた。

「殿は座長としても現場を引っ張ってくださる方ですし、本当に細かな気遣いもしてくださいました。セリフで気になるところがあったら、何度も確認してくださるように、360度常に周りを見ている方で、かっこいいなって。家臣団の皆さんから現場でも『殿ー!』と呼ばれていますし、リーダーみたいな雰囲気があるんです。そうなる意味が分かりました。一緒にいる時間が長いと、本当についていきたいと思う方です」

 松本との思い出を問われ、初登場時の家康の尻を叩いた場面をあげた。現場では松本から「どんどん来て」「遠慮なんかしなくていいから」と声をかけられていたのだが、「松本潤さんのお尻を叩くって結構すごいことですから。どうしても遠慮しちゃったんですけど、テストだったり、手元のカットを撮ったりで……だんだんやってるうちに、まあ~強くはなっていきましたよね、慣れてきちゃって」と笑う。尻をたたくカットだけでも「多分4、5回」と重ねたそうで、「ぜいたくな時間でした」と松本に感謝した。

 そんな広瀬から見た今作の家康の魅力として「とても不器用なところ」を挙げた。

「誰よりも1番上に立っていないといけないんだけど、実は弱くて、すごく考えすぎるとか、思ってるようにうまくいかないとか、横にいて本当に支えたいと思うような方だなって思います。私は表立って『わー!』ってやってるというよりは、夜に2人でお茶を飲むようなシーンが多かったので、余計に殿の弱い部分にたくさん触れてきたのだと思いますね」

 於愛を演じるなかで、周りからも「私はあんまり意識はないですけど、似てるってよく言っていただいてました」と反響があった。最後まで演じきった今、改めて広瀬が感じた於愛の魅力を語った。

「彼女はとても人に愛されていたと思います。実際のお墓も女性の中では本当に大きいんです。瞽女(ごぜ)と呼ばれる、目の不自由な方たちにご飯を与えたり、衣服を与えたりと、とても愛を与えたからこそ、たくさん愛されていて、とても愛にあふれた方だと思いました。だから、もし彼女がもっと長生きされてたら、瀬名様すらも超えるすごいお方になってたのかなと思いました。演じながら、この方がもっと年を取った姿を見たかったなって。誰もが引きつけられる女性だなと感じました」

 そして、周りを明るくするキャラクターは「自分の得意分野でもあるので、改めてそれを再確認できました」と手応えをつかんだ。最後に、「演じていて自分も楽しいなって本当に思えて、演じられてよかったなって思います」と感慨深げだった。

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