【VIVANT】最終話後も盛り上がる考察 “ベキ生存説”が圧倒的多数「すべては親子の計算通り」
俳優の堺雅人が主演を務めるTBS系連続ドラマ『VIVANT』の最終話が17日に放送された。架空のバルカ共和国と日本を舞台に地下資源をめぐる親子の愛と葛藤が壮絶に描かれ視聴者に衝撃を与えたアクションドラマ。主演の堺のほか、阿部寛、松坂桃李、二階堂ふみ、二宮和也、役所広司ら主演級クラスが豪華共演し話題になった。最終話をめぐってはテロ組織リーダーのノゴーン・ベキ(役所)のしたたかすぎる計算が話題となっている。
父は公安、子は別班…似た者同士の壮絶な頭脳戦
俳優の堺雅人が主演を務めるTBS系連続ドラマ『VIVANT』の最終話が17日に放送された。架空のバルカ共和国と日本を舞台に地下資源をめぐる親子の愛と葛藤が壮絶に描かれ視聴者に衝撃を与えたアクションドラマ。主演の堺のほか、阿部寛、松坂桃李、二階堂ふみ、二宮和也、役所広司ら主演級クラスが豪華共演し話題になった。最終話をめぐってはテロ組織リーダーのノゴーン・ベキ(役所)のしたたかすぎる計算が話題となっている
(※以下、ドラマの内容に関する記述があります)
自衛隊の秘密諜報部隊・別班の乃木憂助(堺)は別班の仲間を射殺したと見せかけて謎のテロ組織・テントに潜入し、リーダーのベキが生き別れた父であることを確かめる。一方、ベキはバルカ共和国の土地に眠る地下資源・フローライトを採掘してその利益を元手に孤児たちを半永久的に救済しようとしていた。
憂助とベキは協力して、地下資源を横取りしようとしていたバルカ共和国の外務大臣・ワニズの策略に対抗。その後、公安の野崎守(阿部)とともにベキは幹部のバトラカ(林泰文)、ピヨ(吉原光夫)と日本に渡り逮捕されるが、まさかの逃亡に成功する。手助けした公安の新庄浩太郎(竜星涼)の裏の顔はテントのモニターでベキを崇拝していた。ベキは復讐のため内閣官房副長官で元公安部外事課の上原史郎(橋爪功)を襲うが、そこに憂助が現れる。銃で撃たれたベキは「よくやった。憂助、お前は私の誇りだ」と告げ、そのまま絶命したかのように見えたが…。
ジェットコースターのような急展開で視聴者を引き付けた最終話では、親子愛とそれぞれの正義をめぐる葛藤が色濃く描かれた。ただ、詳細に流れを検証すると、ベキの緻密な計算が透けてみえる。テントナンバー2の幹部でベキの義理の息子・ノコル(二宮)によってロープで吊るされた憂助と黒須(松坂)。ベキは日本刀を抜いて振り下ろしたが、それはロープを切るためだった。
ベキが息子・憂助について得ていた情報は「素手で持ち上げた物の重量が分かる」「たぐいまれな計算力と知略の持ち主」「狙撃の名手」など。劇中で登場したベキの信念は「利用できるものは何でも利用する」だった。公安の裏切りで家族離散を経験したベキの悲しい過去がクローズアップされがちだが、生き残るためにはしたたかな計算も排除しない知略家だ。
ノコルによって殺害されそうになった憂助のロープを切って助けたときからベキの計算が始まった。裏を返すと、ベキは憂助を利用して日本に渡り、拷問で亡くなった妻・明美(高梨臨)が願う公安上官への復讐(ふくしゅう)を果たす。同時にバルカの孤児たちのために姿を変えてさらに生き延びる方法を心の奥底で考えていたのではないか。
改めて最終話を振り返ってみよう。
(1)ベキらは公安の野崎によって身柄を確保される
(2)難なく日本に帰国
(3)逮捕されるが、新庄の協力で警察から逃亡
(4)元上官の上原を急襲
(5)新庄がダミーメールを開き憂助が現場に直行
(6)憂助が発砲
(7)ベキは被弾し倒れる
<以下は考察>
(8)実は急所を外れていたため延命
(9)野崎のアイデアで、ベキらが火災で死亡したように偽装
(10)ベキらが新天地で活動再開
このような流れの全てがあらかじめベキの頭の中で計算されていた、と見るのが自然だ。第7話で憂助は別班の精鋭部隊4人を一瞬のうちに狙撃したが、急所を外しており全員生存していた。これは(6)~(8)の流れと酷似しているため、「ベキは生きている」という考察の根拠となっている。SNSではベキ生存説が圧倒的多数だ。
また、ベキは火災で「炭」になったとされたが、第5話で似たシーンがあった。憂助がテントの幹部・GFL社のアリ(山中崇)の家族を絞首刑にする残酷な仕打ちをしたが、実は偽装でアリの家族にはワイヤーが仕掛けられており命は奪っていなかった。このシーンは(9)につながっていそうだ。
尾行に失敗するなどミス連発だった新庄についても見直す声が増えている。丸菱商事勤務の天才ハッカー・太田(飯沼愛)がウイルスを仕込んだダミーメールを送信。それを新庄が開いたことでベキらの居場所が別班にバレてしまった。「やはりポンコツか」などの声もあったが、新庄は分かっていてあえてダミーメールを開いた、と見るべきだろう。そのことで、憂助はベキの居場所をつかみ、ベキを銃撃する。新庄の行動はベキの意向でもあり、息子から銃撃されることで公安上層部の裏切りの結果とはいえ、妻子を不幸にさせてしまった自らの贖罪(しょくざい)を果たした、という解釈もできるだろう。
しかし、これも計算高いしたたかなベキだからこその大胆な行動だ。ベキは「死」と同時に「再生」への道を切り開く。それら全部を裏で支えたのが息子・憂助だった、という親子愛の構図で最終話はうまくまとめられている。
視聴者からは「公安につかまって、それで死んだことにして逃げられると計算していたような気すらしてしまう」「最期は、息子の手で…それも計算されていたことか」「ベキも、ノコルには一切手を染めさせず、最後は憂助が絶対に追っかけてくるのを知っててあの芝居を打った」「お二人は似ていて計算能力が高い親子。一人は公安、一人は別班。生き別れても結構似ている」などの声が寄せられている。