安保瑠輝也、RIZINの立ち技は「華がない」 キック戦へ決意「ジモキックと俺は言わせない」【RIZIN】

元K-1の安保瑠輝也は格闘技イベント「RIZIN.44」で宇佐美正パトリックとキックボクシングルールで対戦する。K-1離脱後、「BreakingDown」に参戦するなど、破天荒な行動に目が離せないファイターのひとり。そんな安保に現在の目標や野杁正明、平本蓮、まな弟子・ジョリーなどさまざまなトピックを語ってもらった。

安保瑠輝也【写真:山口比佐夫】
安保瑠輝也【写真:山口比佐夫】

K-1開国で野杁正明への思い語る「絶対勝てると思っている」

 元K-1の安保瑠輝也は格闘技イベント「RIZIN.44」で宇佐美正パトリックとキックボクシングルールで対戦する。K-1離脱後、「BreakingDown」に参戦するなど、破天荒な行動に目が離せないファイターのひとり。そんな安保に現在の目標や野杁正明、平本蓮、まな弟子・ジョリーなどさまざまなトピックを語ってもらった。(取材・文=島田将斗)

 ◇ ◇ ◇

――BreakingDownに移籍した時にキックボクシングで世界を目指すモチベーションではないとお話していましたが、現在の気持ちはいかがでしょうか。

「移籍はしてないっすよ(笑)。あれは特別な1試合。そんなこと言ってましたか? 当時と心境は全然違います。昨日言ったことも忘れるから、“三歩”瑠輝也って言われてます(笑)」

――明日変わってしまっても大丈夫なので、今日は何を目指していますか。

「いま、目指しているのは格闘技で世界一になることです。それは競技がどうとかではなくて、試合をこなしていった先に見えてくるもの。RIZINもいま立ち技格闘技を盛り上げていきたいと言っていますし業界全体自体が変わっていっているんですよね。だから自分はその渦の中に巻き込まれている状態。巻き込まれながら、僕が中心に行って竜巻になる感じです」

――以前、自分がK-1を辞めた理由は「野杁正明と試合ができないから」と話していました。いまの野杁選手への思いはいかがですか。

「あのときはそう思ってましたねぇ。リベンジしたかったんですよ。K-1で『やらせてくれ』って言ったら外国人選手がどうのこうのって。あのときは、お前『THE MATCH 2022』で日本人に負けてるやんって思っていて、それでその発言になったんですよね。

 いまリベンジしたい気持ち……もちろんやれるならやりたいです。絶対勝てると思っているので。K-1は今回開国したじゃないですか。そうなるのであれば立ち技盛り上がっていくなと。やっぱり国内はRISEとK-1が良い選手を抱えている。野杁と戦うとするならばボコボコっす!」

――BreakingDown参戦からRIZIN初参戦まで暗さがあったと思うのですが、RIZIN.44の会見はとても明るかったです。何か変化があったのでしょうか。

「悔しかったんですよね。(野杁に)勝てると思ってて言ってるのに、やりたいのにやらせてくれない。僕もリスペクトが足りない面もあったと思うんですよ。向こうは1回勝ってますし。負けた本人としてはリベンジしたい。その思いが強かったですね。

 変わったきっかけは盛り上げようとしてなにかを発言するのをやめたこと。自分の心で思っていないこと言うとずれてくるんですよね。自分の心で思っていることを言わないとダメなんですよ。それを最近になって気が付いた。『盛り上げな、あかんな』っていうサービス精神で空回りしている部分がありましたね」

――宇佐美選手はボディーで沈めると言っていました。怒りの感情などありましたか。

「全然です。それを言ってくると思っていたので。あれを言うってことはそこしか攻めるポイントがないんですよ。それしか活路が見いだせていない。俺からしたら、顔面に膝を合わせてKOですよ」

――宇佐美選手との間に実力差は感じていますか。

「やってみないと分からないですけど、俺は確実にそう思っていますね。立ち技のキックボクシングとMMAは違うので。ボクシングやってきた、空手やってきたではなくて、キックボクシングっていう競技なんですよ」

平本蓮との対戦可能性に言及「言ったからにはやろうよ」

――いままでの安保さんはさまざまな発言をしてきました。MMAをやる可能性はあるのでしょうか。

「可能性としてはある。でもいま確実にやるとは言わないですね。RIZINが立ち技格闘技を盛り上げたいというのなら、それは俺しかいない。立ち技の他のやつは華がないので。ジモ(地元)キックと俺は言わせないですよ」

――いまの目標はRIZINの立ち技を先頭に立って盛り上げることになるんですか。

「いまはそう思っていますね。だから目の前の試合をこなしていく。RIZINが競技的な部分でどうしていくのか。新ルールみたいな話も榊原信行CEOから聞いてますし。運営が考えているところでもあるので、僕もすごく考えているんですよ」

――他と違う道でトップになるという主旨の発言も過去にありました。それは変わりないですか。

「それはいまもありますね。その他大勢にはなりたくない。絶対そういう器ではないですし」

――“安保瑠輝也”の名が売れていくなかで弟子のジョリー選手がいろいろ問題発言をしています。

「そろそろその質問くると思ったんですよね(笑)。彼には最近ちょっと困ってます。弟子ってなんなんですかね。でも今って叩かれる側が得する。叩かれるとPV(ページビュー)取れるんですよ。視聴数が取れたらそれでいいんか?って話になってくるんですけど、そうであったとしても叩かれた方が得なんですよね。存在を知ってもらえるじゃないですか。

 ジョリーっていう人間がRIZINにもし出るとなったときに絶対あいつが絞め落とされるのみたいじゃないですか。注目される試合になる、それでPPVも売れるんですよ。あとは僕の考え方のひとつで、人にいちいち言われたくない。自分で考えたことをやりたいと思っていて、これは他人に対してもそう。だからジョリーには僕の許容範囲であれば好きなことやればって感じ。この発言が『師匠のくせに』となるのでしょうけど、本当にそう思ってるから仕方ない」

――ひとつ気になっているのは安保選手が「別格」と称した井上尚弥選手をジョリー選手が引き合いに出したことなのですが。

「あれはタイミングもね(苦笑)。よくあんなことできるなと。それできるのすごいなって思う部分もありますね。でもMMAファイターの選手も心のどこかで考えてると思うんですよ。ボクシングがいくら強いからといって、何でもありのルールでやったら勝てるでって。みんなが思っている部分を言えるのがすごい。僕もそう思ってますよ。キックボクシングルールでやったら負けるわけないじゃないですか。あ、でも今のは使わないでください(笑)。

 でもそんなこと言ったら叩かれるのもあいつも分かってる。それが戦略なんです。良くないやり方かもしれないけど、そういう発言をすることで、あいつは損もしてるけど、得もしてる。僕の好きなやり方ではないですけど。特にエンターテインメントでは叩かれる側が得する時代ですよね。さらに僕らは戦いますしね。それで成り上がったのが(フロイド)メイウェザー。とにかくみんなが負けてくれと、でも彼はそれで勝つ。だから格闘技って面白い。結果が全てじゃないですか」

――ジョリー選手はRIZINに出場できる器になると思いますか。

「いまは無理っすね。全然無理。僕はエンターテインメントもファイターのなかではやってる方なんですけど、大前提、ファイターとしてK-1でチャンピオンにまでなってるんですよ。例えばBreakingDownの選手の考え方と一流のトップファイターの考え方の根本の違いを知ってる。それで言うと彼は全然なれない。絶対に。『RIZIN王者になる』って言いきれるやつじゃないと。1試合出たいとか思い出作りの場所じゃないんで。そこに関しては強く言ってますね」

――話は変わりますがSNSで静かになった平本蓮選手をどう見ていますか。

「姫路の音楽の祭りに女性といるって情報入ってきていて。だから彼は元気です。だから良かったんじゃないですか? SNSに長文で投稿してたじゃないですか。言いたいことは“疲れた”なんですよ。俺イラッとしますけど、彼のSNSってなんやかんや面白いじゃないですか。おらんくなったらおらんくなったでちょっと寂しい。みんなも見たかったですよね」

――そんな平本選手と戦う可能性はあるんですか。

「全然あると思いますよ。ルールは運営、ファン、僕らで決めることですよね。もちろん僕はやりたいです。俺はね、トラッシュトークが実は好きじゃない。理由はやらない相手とあおり合いをする意味ってなくないですか。ファンに期待だけさせるのが嫌なんすよね。言ったからにはやろうよっていうのがあって。あいつ(平本)は周囲まで巻き込むから、そこが合わなくて。やるなら俺はやるって」

――では、今後安保選手がトラッシュトークをする相手はターゲットだと捉えて大丈夫ですか。

「そうです。宇佐美に返してたっていうことはそういうことなんです。梅野源治がクラウドファンディングについていろいろ言ってきたけど、反応しなかったのはそういうことなんです。彼と戦うことはないんで。階級が合わなすぎる。嗜好品がなんとかって言ってましたけど、人それぞれやんって話ですよね」

トップページに戻る

あなたの“気になる”を教えてください