苦境に立つジャニーズ、悲しむファンの声「こんなのイジメ」「応援し続けるしかない」
ジャニーズ事務所がジャニー喜多川元社長による性加害を認め、大手企業が続々と同事務所との広告契約見直しを発表している。事務所は13日、被害者救済委員会の設置、今後1年間は広告出演並びに番組出演などの出演料は全てタレント本人に支払うことなどを発表したが、強い逆風は止まらない。そして、多くのファンが「このまま推しがテレビに出られなくなるのでは」と心配している。やれることは推し(のタレント、グループ)がリリースした楽曲のCD購入、再生回数を上げること、広告見直しを発表した企業の商品を買わないことなどだという。彼女たちの思いを聞いた。
モスバーガー広告騒動には怒り
ジャニーズ事務所がジャニー喜多川元社長による性加害を認め、大手企業が続々と同事務所との広告契約見直しを発表している。事務所は13日、被害者救済委員会の設置、今後1年間は広告出演並びに番組出演などの出演料は全てタレント本人に支払うことなどを発表したが、強い逆風は止まらない。そして、多くのファンが「このまま推しがテレビに出られなくなるのでは」と心配している。やれることは推し(のタレント、グループ)がリリースした楽曲のCD購入、再生回数を上げること、広告見直しを発表した企業の商品を買わないことなどだという。彼女たちの思いを聞いた。(取材・文=柳田通斉)
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「思わず泣いてしまいました」「さすがにひどいです」「こんなのはイジメです」
13日、SNS上に1つの画像が拡散された。モスバーガーの広告キャラクターを務めていたSnow Manのラウールと渡辺翔太の顔に貼り紙をしたポスター。Snow Manのファンは一斉に嘆き、怒りの声を上げた。株式会社モスフードサービスは同日、特定の店舗で広告物に不適切な加工がされていることを確認したとし、謝罪文を発表した。
「このようなことはあってはならないことで誠に遺憾であり、タレントご本人、ファンの方、ならびにお客さまに極めて不快な思いをさせてしまったことに対し、大変申し訳なく心よりお詫び申し上げます。店頭掲示物等へ何らかの変更を加えるなどの本部からの指示は一切ございませんが、指導が行き届かなかった点について責任を感じております」
ファンの怒りは収まらない。問題を受け、続々と広告契約見直しを発表している大手企業に向けても「もう、絶対に商品を買わない」と不買の声を上げている。
ジャニー氏による性加害については、ジャニーズ事務所が7日に記者会見をして謝罪したとはいえ、その時点で被害者救済策を示さなかったこと、社名継続を表明したことで、問題はさらに深刻化した。国内外で「ジャニーズ事務所=性犯罪を放置して隠ぺいした会社」として断じられ、13日に事務所が具体的な被害者救済策を公表しても、「全てが後手後手」などと非難され続けている。
ファンもこの問題の大きさを感じつつも、「ジャニーズ」の社名に愛着を感じていることを理由に「社名は残してほしい」と願う声は少なくない。
「堂本光一くんが会員制ブログで、『自分の知っているジャニーさんと違いがありすぎて何が真実でどう受け止めればいいのか』と話したのと同じ思いです。ジャニーさんがあのワクワクさせてくれる世界観を作ったのは間違いありません。一方で『性犯罪者』と言われていることをどう整理すればいいのか分かりません」(28歳・埼玉県在住OL)
「好きになった時から『ジャニーズ』でしたし、推しのグループにもジャニーズの名前がついています。こうなっても捨てがたい愛着があります」(32歳・神奈川県在住主婦)
だが、世論は厳しく、社名変更を求める声に加え、「このままジャニーズのタレントを番組で使い続けていいのか」の指摘も大きくなってきた。お笑いコンビ・オリエンタルラジオの中田敦彦は自身のYouTubeチャンネルで「芸能事務所というのは、芸能人という商品をサービスとしてテレビ局に届けるのが仕事という認識。『タレントは悪くないから』と言って使い続けるのは、『商品自体に罪はないので問題のある企業から仕入れを続きたい』ということです。それは、『いかなる性加害も容認しない』というテレビ局の声明と矛盾するのです」などとコメントしている。
テレビ各局もスポンサーとの協議を続けているが、10月改編のドラマなどは制作に入っているため、「起用に変更はない」と言わざるを得ない状況。ただ、その先は不透明で「ジャニーズに残っていて活動が制限されるなら独立してほしい」「どこに移籍しても応援は続ける」とXでつぶやくファンもいる。一方で、ジャニーズ事務所前副社長の滝沢秀明氏が設立したTOBE(トゥービー)のIMP.がadidasの広告に起用されたことも踏まえ、都内在住の38歳OLは言った。
「とても複雑です。ジャニーズとは逆に滝沢さんのTOBEが成長しているからです。滝沢さんはジャニーズ時代にジャニーさんにとても近い立場だったので、せめて性加害問題に関するコメントを出してほしいです」
ただ、ファンの声は厳しい世論に押しつぶされているのも事実で、「せめて」の思いで推しのリリースしたCDの購入や配信の再生回数を増やす行動をしている。13日、ビルボードジャパンが、Snow Manの新曲『Dangerholic』がBillboard JAPAN 総合ソング・チャート“JAPAN Hot 100”で1位となり、CDセールスが初週89万3666枚だったことが発表されると、ファンは「こうして応援し続けるしかない」「メンバーは思いを感じてくれているはず」「出直し応援。東山さん、ジュリーさんも頑張ってほしい」などの声を上げている。
問題解決には長い道のりになることが予想されるが、多くのファンはタレントたちが、すさまじい努力を重ねてステージに立ってきたことを知っている。今できることは推しの苦境を支えること。そして、再び推しに笑顔で会える日を心待ちにしている。