ただただ邪悪すぎる『ジャンプ』悪役キャラ3選 同情の余地なし…最後は敗北でスッキリ
近年の漫画では、悪役にも悲しい過去や共感する部分があり、同情的に描かれることも珍しくはない。しかし、ひたすら純粋な悪役として強いインパクトを残す敵キャラもまだまだ存在する。今回は、同情の余地などまるでない邪悪な悪役キャラを紹介していく。
ひたすら純粋な悪役として強いインパクト
近年の漫画では、悪役にも悲しい過去や共感する部分があり、同情的に描かれることも珍しくはない。しかし、ひたすら純粋な悪役として強いインパクトを残す敵キャラもまだまだ存在する。今回は、同情の余地などまるでない邪悪な悪役キャラを紹介していく。
純粋な悪役として有名なキャラに挙げられるのは、『魔人探偵脳噛ネウロ』(作:松井優征)に登場する「シックス」だ。『ネウロ』は『週刊少年ジャンプ』で連載されていた漫画で、魔界からきた「謎」を主食とする魔人・ネウロが、人間界で女子高生の弥子とコンビを組んで事件を解決していくストーリーである。シックスは「新しい血族」と呼ばれる人類から進化した生物で、本作のラスボスを務めるキャラだ。
「絶対悪」と作中で評されるシックスは、誰かに悪意を向けずにはいられない邪悪な存在で、自身が悪に手を染めたことを嬉々として話しつつ「好きなんだ、生まれついて……そういうのが」と語る危険人物。ネウロをおびき寄せるために一般人を脅して血を吐かせ、自身の名前を地面に描かせたり、謎を好物とするネウロをもてなすために多くの死傷者を出したりするなど、狂気的な行為が何度も描かれた。
そんなシックスだが、最後はネウロに敗北して死亡する。最初から最後まで悪役を貫いたキャラクター性には、ネット上で「(悪役は)こういうのでいいんだよ」「ちゃんと退場するからスッキリした」といったファンの声が見られ、悪役として高い評価が寄せられていた。
「悲しい過去はあるけど、同情はできない」と読者から評価される悪役もいる。例えば人外の鬼と戦う大ヒット作品『鬼滅の刃』(作:吾峠呼世晴)のラスボス・鬼舞辻無惨だ。彼は主人公・竈門炭治郎が所属する「鬼殺隊」と敵対する鬼の首領で、支配者でもあるキャラ。鬼の弱点である日光を克服し、完全な不死者になることを目的としている。
無惨はジャンプの悪役キャラとしては珍しく、大それた野望を抱いていない。生きたいから人間を捕食し、危なくなると逃げ出す「臆病者」とも揶揄されるキャラだ。自身を人間にとっての「天災」と称しており、傷つけることになんの罪悪感も抱いていない。
人間だったころは病気がちで、鬼にはなりたくてなったわけではない、という過去の持ち主ではあるが、人外になったことを後悔しているわけではないため、同情できるほどではない。人を喰らう鬼にも慈悲を見せる炭治郎からも「存在してはいけない生き物」と断じられている。
ラスボスではないものの、純粋な悪意を見せつけ読者に強烈な印象を与えたキャラもいる。『週刊少年ジャンプ』で連載されているバトルマンガ『呪術廻戦』(作:芥見下々)に登場する敵キャラ「真人」もその1人だ。真人は人間の負の感情から生まれたヒト型の呪いで、人の魂に触れて人体を自在に操れる能力を持つ。真人自身、まだ生まれたばかりで無邪気な存在ではあるが、人に対する悪意は強く、人間を異形に変えて弄ぶ悪意を見せた。さらに、作中での戦いを通して強くなっていき、吉野順平や七海建人などメインキャラを次々と殺害していった。
悪役として大いに活躍する真人の姿は、「読者をイラつかせると言う点ではピカイチ」「ヒール役としてよく仕事している」など、憎まれ役として高い評価を得ている。憎むべき悪役として読者に強い印象を残した真人は、悪役キャラのお手本といえるだろう。
「思い切りぶん殴ってやれ」と思えるような純粋な悪役は、今では希少種といえるかもしれない。ヒールとして主人公陣営に立ち塞がり、最後は敗北して読者をスッキリさせてくれるストレートな悪役も、見ていて清々しいものだ。