ファミコン世代が熱中した相撲ゲーム3選 プロレス技にRPG要素…モロ出しの“迷技”も

ネット配信ドラマで相撲を題材にしたドラマ『サンクチュアリ -聖域-』が人気となったが、1980年代には、ドラマではなく実際に多くの力士が活躍し相撲ブームを押し上げていた。その影響もあり、この時代はファミコンソフトに秀逸な相撲ゲームが数多く誕生。本記事ではファミコン世代の人たちが、相撲の醍醐味を味わうことができたゲームを紹介する。

『つっぱり大相撲』(テクモ)【写真:ENCOUNT編集部】
『つっぱり大相撲』(テクモ)【写真:ENCOUNT編集部】

憧れの大横綱の元で力士の頂点を目指せた『千代の富士の大銀杏』

 ネット配信ドラマで相撲を題材にしたドラマ『サンクチュアリ -聖域-』が人気となったが、1980年代には、ドラマではなく実際に多くの力士が活躍し相撲ブームを押し上げていた。その影響もあり、この時代はファミコンソフトに秀逸な相撲ゲームが数多く誕生。本記事ではファミコン世代の人たちが、相撲の醍醐味を味わうことができたゲームを紹介する。

 まず最初に紹介するのは、ファミコンの相撲ゲームとして認知度が高い『つっぱり大相撲』だ。87年にテクモから発売された同作は、新米力士が横綱を目指すという内容。相撲以外のプロレス技「ブレーンバスター」なども使え、友達との対戦でも多彩なプレイスタイルで盛り上がることができた。

 SNS上でも「プロレス技など技も多彩で面白かった」など、楽しんでプレイしていた人の姿が多く確認できる。また「子供の頃、ひたすらモロだしを狙っていた記憶がある」とのコメントがあるように、同作品では「モロ出し」という技が人気を集めていた。一定の条件を満たすことで発動できる技で、技をかけられた相手は、回しが取れて下半身がモロ出しになる。SNS上でも「つっぱり大相撲といえばモロ出しでしょ」とのコメントが多く寄せられている人気技だ。相撲だけの魅力ではなく遊び心が多く盛り込まれていたのが、当時の子どもたちを魅了した理由の1つといえるだろう。

 次に紹介するのは、89年に発売された『寺尾のどすこい大相撲』だ。『燃えろ!!プロ野球』などの人気ファミコンソフトを生み出したジャレコから発売された相撲ゲームである。同作品は、甘いマスクで人気を博していた関脇力士「寺尾」や、オリジナルキャラを主人公にして横綱を目指していく内容だ。

 ゲームモードは3種類。横綱を目指す「昇進編」、盗まれた優勝賜杯を取り戻すために日本中を旅する「日本一周編」、友達と熱いプレイができる「対戦編」が用意されていた。当時プレイした人のなかには「格上相手を倒すのは大変だけど、勝てた時はとてもうれしかった」「全国制覇モードで日本をまわるのが好き」などの声が見られた。そして「相撲とRPGを組み合わせた内容が結構好き」とのコメントがあるように、ほかの相撲ゲームにはない独特なゲームモードにハマったとの声も多かった。

 最後に紹介するのは90年にフェイスから発売されたファミコンソフト『千代の富士の大銀杏』だ。千代の富士と言えばファミコン世代に関わらず、多くの相撲ファンをとりこにしたあの大横綱「千代の富士」である。その大横綱の名前を冠したゲームなだけに人気はとても高かった。同作品は最初に「まくしたモード」「せきとりモード」の2種類から難易度設定ができ、自身のレベルに合わせて遊べるのが特徴。主人公は顔パーツから選んで作り、千代の富士と稽古や10人抜きなどのメニューをこなしてキャラ育成を行い、本場所を勝ち抜いていくというゲーム内容だ。優勝するほど勝ち続ければ、最後に千代の富士との対戦も実現する。

 SNS上では「好きな名前や顔を選んで力士を作れるのが楽しいゲームだった」と相撲ゲームとしての魅力を伝える人もいれば、「私が小学生の頃ヒーローだった千代の富士がゲームになったから嬉しかった」など、あこがれの横綱が登場する作品として好きだったというコメントも多い。

 相撲ゲームは、ファミコン世代にとって特別な存在であり熱中できた作品だった。もし興味があるなら、現在ドラマなどで注目が集まっている相撲の魅力を、ゲームを通し再認識してみるのも面白いかもしれない。

次のページへ (2/2) 【写真】『つっぱり大相撲』実際のプレイ画面
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