あまり知られていないスーファミ周辺機器たち 驚きのゲーム機内蔵テレビは「ロマンがあった」
任天堂が1990年に発売して以来、大人気となったゲーム機『スーパーファミコン(通称スーファミ)』には、あまり知られていない周辺機器がいくつか存在していた。どの機器もスーファミをより楽しむことができるもので、ゲーム好きの間では多くの支持を集めていた。本記事では、人知れず輝きを放っていたスーファミの周辺機器を紹介する。
『ドラクエ』のオリジナルゲームが楽しめた『サテラビュー』
任天堂が1990年に発売して以来、大人気となったゲーム機『スーパーファミコン(通称スーファミ)』には、あまり知られていない周辺機器がいくつか存在していた。どの機器もスーファミをより楽しむことができるもので、ゲーム好きの間では多くの支持を集めていた。本記事では、人知れず輝きを放っていたスーファミの周辺機器を紹介する。
最初に紹介する周辺機器は、94年に発売された『スーパーゲームボーイ』である。この機器は上部にゲームボーイカセットの差し込み口がついたスーファミカセットの形状をしていた。ゲームボーイソフト差し込み口に遊びたいゲームカセットを差した同機器を、スーファミ本体に差し込むことで、テレビ画面でゲームボーイのゲームを楽しむことができたのだ。
さらに、98年にはスーパーゲームボーイの改良版『スーパーゲームボーイ2』が発売。『スーパーゲームボーイ』との違いは、追加された通信対応コネクタである。通信対応コネクタによって、ゲームボーイとの通信プレイができるようになったのだ。『ポケットモンスター』『メダロット』など通信プレイで楽しみの幅が広がるゲームが多く発売されていたため、多くのゲームファンに喜ばれる改良だったと言える。また『スーパーゲームボーイ2』はLEDランプも搭載。そのためスーファミの電源が入っているときは赤色に点灯し、通信プレイ中には緑色のLEDランプが点滅した。
当時『スーパーゲームボーイ』で遊んでいた人からは「ゲームボーイで使用する電池が必要ないので助かった」「ゲームボーイをスーパーファミコンで遊べたのは良かった。みんなで盛り上がった」などの声もあがっている。
95年に発売された『サテラビュー』という周辺機器もゲームファンから大きな注目を集めていた。衛星放送電波によってゲームデータを受信できるという画期的な機器である。自宅に衛星放送が映る環境さえ整っていれば『サテラビュー』によって、スーファミゲームの体験版や『BSドラゴンクエストI』などのオリジナルゲームを楽しめたのだ。現在世界中で楽しまれている『Nintendo Switch』で新作ゲームのトライアルなどが楽しめるNintendo Switch Onlineの原型といえるサービスである。
残念なことに、BSアンテナがないと利用できないことや、96年に発売される『NINTENDO64』への移行時期と重なったことなどから、大きな普及にはつながらなかった。しかし、SNS上では「サテラビューは、持っている人だけが楽しめるライブ感があって良かった」「体験版などサテラビューでしか遊べないソフトがあって結構楽しめた記憶がある」など、サテラビューならではの魅力を懐かしむ声も多く見られた。
最後に紹介するのは、“スーパーファミコン内蔵テレビ”こと『SF1』だ。こちらの機器は90年にシャープから発売され、名前のとおりスーファミとテレビが一体化しており、テレビ上部にある差し込み口にソフトを入れることでスーファミのゲームを楽しむことができたのだ。
発売当時、このスーファミ内蔵テレビを欲しいと思っていた人は多く「幼少期にすごく憧れた」「ゲーム機が合体していたのはロマンがあった」などと、小さいころに強いあこがれを抱く機器だったようだ。
スーファミには、当時としては画期的な機能を持った機器が存在し、多くのゲームファンをうならせていた。後続のゲーム機に使われている機能の原型となったものも多く、現在のゲームに与えた影響は計り知れない。