『千の風になって』の秋川雅史、木彫刻で3年連続二科展に入選 歌と二刀流「自分自身への挑戦でした」
『千の風になって』(2007年)の大ヒットで知られるテノール歌手・秋川雅史(55)が、木彫刻作品で3年連続の美術展覧会「二科展」で入選を果たしたことが6日、分かった。同日、所属事務所が発表した。
日本三大美術展覧会の1つ
『千の風になって』(2007年)の大ヒットで知られるテノール歌手・秋川雅史(55)が、木彫刻作品で3年連続の美術展覧会「二科展」で入選を果たしたことが6日、分かった。同日、所属事務所が発表した。
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秋川は10年、訪れたドイツで木彫刻に初めて触れた。購入した鷹の彫刻を見て、「自分でも彫れる」と思ったことで自身でも彫刻を始めた。そして、21年、初めて出品した「木彫楠公像」二科展に初入選。昨年も「木彫龍図」で入選。今回は自身18作目となる「木彫蛙と蛇」を出品し、3年連続での入選ととなった。
その腕の評判は大きく広がっている。昨年出演した日本テレビ系『踊る!さんま御殿!!』で、秋川は「等身大の仁王像を彫りたい」という発言から。これをきっかけに、群馬県の寺院から制作の依頼を受け、現在5年計画で2メートルの仁王像を制作している。また、今月8日に東京オペラシティにて行われるコンサートでは、自身初の試みとして、過去の二科展入選作品など、計3作品の展示会も同時開催。「音楽」と「彫刻」の二刀流を同時に楽しめる機会になっている。
「二科展(二科会展覧会)」とは、「日展(日本美術展覧会)」「院展(日本美術院展覧会)」と並ぶ日本三大美術展の1つ。美術団体の「二科会」が主催し、現在は絵画、彫刻、デザイン、写真の4つの部門がある。
秋川雅史のコメントは以下の通り。
彫刻家として初めて評価を頂いた2021年から2年連続での入選となり、3年目となる今年の「二科展」への応募は、まさに自分自身への挑戦でした。昨年と一昨年はどちらも3年ほどかけて制作した大作を出品しましたが、今回は構想から完成まで1年の小さな作品です。
私の彫刻の好みは写実的な作品です。これまでも躍動する馬や武士の鎧、またうねる龍の姿などを細かく写実的に表現してきました。本来、私は木肌の色や質感を見せる無彩色の作品を好んでいますが、今回は竹の上にいる蛙と蛇です。作品は色の対比も作品の良さを引き立てる要素になると思い、故郷愛媛県の西条に帰省した時に、山の竹藪から枯れて倒れて落ちていた竹の木を一本持ち帰り、彩色を前提にイメージを構築していきました。枯れた竹の薄茶色とカエルの黄緑とヒバカリという蛇の濃い茶色のコントラストを美しく、また本物と同じように写実的に表現し、竹から蛙と蛇まで檜の一木で彫り上げました。
制作の過程においては、持ち帰った竹の木だけでなく、アマガエルを捕まえてきて観察から始めました。彩色に関しては、最後に先生に修正は入れてもらいましたが、一応、自分で塗ることにトライしています。タイトルに関しては、これまでの私の二科展の出品作は頭に“木彫”が入っています。私の彫刻のテーマは、ある姿を写実的に木で彫ること。木彫◯◯とは、そういう意味があるのだと、今回私の作家としてのテーマを位置付けた事にもなり、最終的に作品タイトルは『木彫蛙と蛇』に致しました。