藤島ジュリー景子氏100%株所有 社長辞任を提言の特別チーム「その後のことは事務所が」【会見一問一答】
ジャニーズ事務所のジャニー喜多川前社長(享年87)をめぐる性加害問題を受け、組成された「外部専門家による再発防止特別チーム」の記者会見が29日、都内で行われた。6月12日に続く2度目の会見。5月26日の組成から約3か月に及ぶ調査・検証の結果、ジャニー氏による性加害を認定。同事務所に対する再発防止策提言書の提出を発表した。
外部専門家による再発防止特別チームが記者会見
ジャニーズ事務所のジャニー喜多川前社長(享年87)をめぐる性加害問題を受け、組成された「外部専門家による再発防止特別チーム」の記者会見が29日、都内で行われた。6月12日に続く2度目の会見。5月26日の組成から約3か月に及ぶ調査・検証の結果、ジャニー氏による性加害を認定。同事務所に対する再発防止策提言書の提出を発表した。
会見にはチームリーダーで元検事総長の林眞琴氏、精神科医の飛鳥井望氏、今月4日にチーム加入が発表された上智大総合人間科学部心理学科の斎藤梓准教授が登壇した。
<以下一問一答>
――メディアとの関係ですが、なぜ、メディア側に対しての調査はしなかったのか。
林氏「ジャニーズ事務所への再発防止を提言する調査であり、メディアの責任を問う立場にはなかったためです。ただ、性加害は続いていたことで、姿勢を改める機会はありましたし、マスメディアからの強い批判、報道があれば、状況は変わったと考えます」
――報告書をジャニーズ事務所に提出された時の状況は。
林氏「データを送る形でした」
――ジャニーズ事務所への会見に期待することは。
林氏「提言の全てを受けていただきたく思っております」
――現役(タレント)からの被害報告はありましたか。
飛鳥井氏「現役の方からは2人にヒアリングをしましたが、それは被害者の方ではありません」
――宣伝、広報を担当した白波瀬傑代表取締役の責任は。
林氏「白波瀬氏の責任は認定しておりません」
――白波瀬氏ら取締役に辞任の必要はないのか。また、メディアや音楽業界がいまだにジャニーズ事務所に忖度が見られる状況については。
林氏「メディアの動きにもコメントする立場にありません。また、白波瀬氏に限らず、取締役が機能していなかったことは認定しています」
――ジャニー氏以外にも、ジャニーズ事務所社員によるジャニーズJr.への性加害あったことを認定していますが。
林氏「ヒアリングを通じて確定しました。その中身は明らかにしていません」
――ジャニーズ事務所は会社として概括的に認識しながら、合宿所にジャニーズJr.を送りこんでいたのは、会社が被害の受ける環境を作っていたようにも見えるが。
飛鳥井氏「確かに合宿所は密室な空間であり、そこで多くの被害があったことは事実です。ただ、ジャニー氏、メリー氏という絶対権力者に物を言えない状況はあったと認定されています」
――ジャニーズ事務所の企業名を維持すべきか。
林氏「それはジャニーズ事務所で考え、判断される問題です」
――「少なくとも数百人規模の被害があった」との証言を明記しているが。
飛鳥井氏「そのような証言は複数からありました。性加害が長期、広範にわたることからも不自然な数字ではないと思います」
――藤島ジュリー景子社長が5月に配信した動画では、「性加害は知らなかった」としているが、虚偽の説明と認識されていますか。
林氏「ジュリー氏による『性加害があった』と認識したのは、カウワン・オカモト氏と会った時からとのことです。ただ、これは動画配信前のことでした。そして、疑惑自体は認識しており、積極的な調査など具体的な対応は取っていませんでした。しかしながら、現実にジャニー氏が存命の時に『性加害があった』と認識できるヒアリングの供述は得られませんでした。そのため、虚偽であるとは認定はできません」
――ジャニーズ事務所の不作為については。
飛鳥井氏「一番大きなことはジャニー氏の異常性的嗜好であり、メリー氏による放置と隠ぺいです。そして、この2大権力に対して何もできなかった事務所の不作為ということです」
――「結語では、ジャニーズ事務所が率先して積極的にエンターテインメント業界全体を変えてほしい姿勢で臨んでほしい」と突っ込んでいるが。
飛鳥井氏「エンターテインメント界では、権力構造的にこのような状況になりやすいとということで、ジャニーズ事務所が先頭に立って業界を変えてほしいということです」
――ジャニーズ事務所のタレントが出る大きな番組が終わった後の発表ですが。
林氏「それは全く関係がありません」
――ジュリー氏が社長を辞任しても株主構造は変わらない。影響力を残すことはどう思いますが。
林氏「実際のところジュリー氏が100%株主ですが、その(辞任)後のことはジャニーズ事務所が考えることです」
――林さんは前検事総長として、この問題がこれまで立件されなかったことをどう思いますか。
林氏「ここでお答えすることはできません」