新型コロナ、ワクチン開発成功率が80%→50%に…感染者減少で「時間との戦い」

新型コロナウイルスのワクチン開発を行っている研究者が、同ウイルスからの回復者の増加に応じて、ワクチン開発成功の確率が低くなっていると話している、と英紙「ザ・サン」が報じている。

ワクチンは開発されるのか(写真はイメージ)【写真:Getty Images】
ワクチンは開発されるのか(写真はイメージ)【写真:Getty Images】

英国の研究者、有効性を見極める機会が減少と指摘

 新型コロナウイルスのワクチン開発を行っている研究者が、同ウイルスからの回復者の増加に応じて、ワクチン開発成功の確率が低くなっていると話している、と英紙「ザ・サン」が報じている。

 研究者はオックスフォード大学のジェンナー研究所の所長で、同大教授のエイドリアン・ヒル氏。

 英国政府は現在、1億回分のワクチン供給に向けた資金提供を行うことを承認しており、9月までに国民に対し3000万回分のワクチンの準備を進めるとしている。

 ただ、ヒル氏は感染者数の減少でワクチン開発の可能性も低くなってきていると主張。科学者にとって開発中のワクチンの有効性を見極める機会が少なくなるためだ。

 ヒル氏は英紙「サンデー・テレグラフ」に対し、「これは競争です。他の研究者とではなく、ウイルスの減少との競争、時間との戦いです」とコメント。加えて、「当初は9月までに有効なワクチンを開発できる可能性は80%あると言いましたが、現状では50%です」とも語っている。

 英国では、ワクチンの効果実証のために1万人の被験者が集められたが、このうちの新型コロナウイルスへの陽性反応者が20人以下となった場合、実証されたワクチンの効果は無効になる恐れがあると警告している。

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