「相手なのか審判なのか分からなくなった」喧嘩マッチの初代OFG王座決定戦でYA-MANが初代王者に【RISE】

チャンピオンベルトをつかんだのは、やはりYA-MAN(TARGET SHIBUYA/スーパーライト級3位)だった。OFGを盛り上げてきた山口裕人(道化倶楽部)だが、YA-MANには敵わなかった。

山口裕人からTKO勝利をもぎ取ったYA-MAN(左)【写真:ENCOUNT編集部】
山口裕人からTKO勝利をもぎ取ったYA-MAN(左)【写真:ENCOUNT編集部】

YA-MANは賢かった

 立ち技格闘技イベント「ABEMA presents RISE WORLD SERIES 2023 2nd Round」(2023年8月26日、東京・大田区総合体育館)で行われた初代RISEオープンフィンガーグローブ(OFG)マッチ-65kg級王座決定戦。

 チャンピオンベルトをつかんだのは、やはりYA-MAN(TARGET SHIBUYA/スーパーライト級3位)だった。OFGを盛り上げてきた山口裕人(道化倶楽部)だが、YA-MANには敵わなかった。

 ひとつ目のダウンは左フックで山口が奪った。しかし、YA-MANはダウンしてからが強い。OFGで行われた伊藤澄哉(戦ジム)のときもそうだった。ダウンを取られても関係ない。YA-MANはすぐに取り返す。山口を相手にしてもYA-MANは4つのダウンを奪い返し、TKO勝利をもぎ取った。

 試合後の記者会見で山口は笑顔を見せながらも、悔しさを隠しきれない表情だった。

「まだ泣けるんやと思いました、悔しさで。自分の得意な打ち合いで負けたんで悔しいですね。めっちゃ楽しかったんですけど、マジで勝ちたかったんで」

 YA-MANは2R目から明らかに戦い方が変わった。大振りだった1R目に比べ、コンパクトにパンチをまとめた。山口もその変化には気付いていた。

「(YA-MANは)賢かったですね。1R目は来てくれたんですけど、2R目から頭使っていましたね。ガードしてから攻撃。こいつ考えてくんなよ! と思いましたね」

 YA-MANに聞くと、1R目はかなり山口の攻撃が効いていたという。

「どっちが審判でどっちが相手か分からなかったです。審判に向かってファイティングポーズをしたみたいな。結構揺れましたね。何ラウンド目にダウンを取られたのかも、何回ダウンを取られたかもわからなかった。記憶ないですね。(1R目は)相手に乗せられました。相手も来るし、乗っちゃいました」(YA-MAN)

 山口の言葉を伝えると、YA-MANは「それが格闘技なんで。喧嘩じゃないんで。相手の裏をかくんです」と得意げに答えた。

 初代王者が誕生したRISE・OFGだが、初防衛戦の相手は誰になるのか。だが、YA-MANは「なにもない選手と防衛戦をやるのは違う」と話した。

「防衛戦でやりたい相手は本気で成り上がりたいって思っているやつ。だから、どんどん噛みついてきてほしいですね、下の人たちには。俺がここまで来たのも、格上に噛みついて、噛みついて、噛みつきまくって、勝ってここまで来たので、下の人たちはもっと上の人に噛みついて成り上がって、ここまでたどり着けよって。だから、たどり着いてきたやつとやりたいですね」

 YA-MANの発言を聞いて、すでに奮い立っている下の選手もいることだろう。YA-MANというスター選手を生み、ほかにも数々の激闘で格闘技ファンを魅了しているRISE・OFGだが、本当の盛り上がりは初代王者が生まれた今日が始まりかもしれない。

トップページに戻る

あなたの“気になる”を教えてください