スタジオポノック西村P、古巣・ジブリの“宣伝しない宣伝”は「なかなかできない」
スタジオポノックの長編アニメーション最新作『屋根裏のラジャー』(12月15日公開)の製作報告会見が21日、都内で開催され、百瀬義行監督、西村義明プロデューサーらが出席した。
最新作『屋根裏のラジャー』は「“宣伝したい宣伝”でいく」
スタジオポノックの長編アニメーション最新作『屋根裏のラジャー』(12月15日公開)の製作報告会見が21日、都内で開催され、百瀬義行監督、西村義明プロデューサーらが出席した。
スタジオポノックは、スタジオジブリを退社した西村氏が設立した会社。2017年には『借りぐらしのアリエッティ』『思い出のマーニー』を監督した米林宏昌氏による長編作品『メアリと魔女の花』を発表。最新作となる『屋根裏のラジャー』は、スタジオジブリで高畑勲作品の『火垂るの墓』から『かぐや姫の物語』の全作品において中核を担った・百瀬氏がメガホンをとる。
西村プロデューサーの古巣となるスタジオジブリは、宮崎駿監督の10年ぶり最新作『君たちはどう生きるか』を7月14日に封切り。公開初日まで声優も主題歌も明かされないという異例の対応で、“宣伝しない宣伝”が話題となった。
「“宣伝しない宣伝”はなかなかできない」と西村プロデューサー。続けて「決めたんです、一文字変えたらいいんじゃないかって。本作は“宣伝したい宣伝”でいくって」と語り、「それは何かと言うと、今回(公開前に)マスコミの方にも見てもらいたいと思っている。この映画を見たら多くの人に『これ見たほうがいいよ』と言ってくれる作品になるような気がしている。“人に宣伝したくなる宣伝”ってことをできたらいい」と明かした。
『君たちはどう生きるか』では、スタジオポノックも制作をお手伝い。作品最後に流れるクレジットにも社名が掲載されていた。西村プロデューサーは「1本の映画を本気で作っている人間がいて、その人が『助けてくれ』と言われたら助けるんだっていう、そういう業界の仲間意識がある。そういう思いで手伝った」と説明。
また、「アニメーション映画は大変ですから。挑戦の連続で地獄みたいなもの。地獄を切り開いて一本の道を作った先輩がいることはありがたいこと」と先輩たちに感謝。「ただ、映画の作り手ってあるとき道を切り開くことを止める瞬間が必ず来てしまうもの。その道を切り開く人間は誰かいないといけない」とし、「僕たちの道もアニメーションの道も続く。その先に行って、ジジブリの先に行こうとは思っている。その思いで1本1本作っていくのが大事なのではないか」と作品作りへの思いを明かした。
『屋根裏のラジャー』はイギリスの作家A.Fハロルドによる『The Imaginary』が原作で、想像から生まれたイマジナリーフレンドたちによる人間には決して見えない大冒険を描く。
主人公の少年ラジャーは、アニメ映画の声優初挑戦となる寺田心が務め、そのほか鈴木梨央、安藤サクラ、イッセー尾形、仲里依紗、山田孝之、高畑淳子らも出演する。
発表された声優とキャラクター
少女アマンダの想像から生まれた“イマジナリ”ラジャー…寺田心
ラジャーを生み出した少女アマンダ…鈴木梨央
アマンダの母リジー…安藤サクラ
イマジナリの町でラジャーが出会う少女エミリ…仲里依紗
ラジャーの前に現れる怪しげな猫ジンザン…山田孝之
アマンダの祖母ダウンビートおばあちゃん…高畑淳子
ラジャーをつけ狙う謎の男…イッセー尾形