「アントニオ猪木展」閉幕 来場者数は3万人 新宿で3000人が「1、2、3、ダー!」

京王百貨店で開催されていた「燃える闘魂 アントニオ猪木展」が15日、閉幕した。午後5時の閉展時間を過ぎると、展示会場への出入りは止められ、クロージングイベントが開催された。今回はこの様子と次回の展示会に関する具体的な構想について記述する。

閉幕に際してのあいさつで「1、2、3、ダー!」を叫ぶ、実弟・猪木啓介氏【写真:ENCOUNT編集部】
閉幕に際してのあいさつで「1、2、3、ダー!」を叫ぶ、実弟・猪木啓介氏【写真:ENCOUNT編集部】

次回に関する具体的な構想を披露する京王百貨店 鈴木取締役

 京王百貨店で開催されていた「燃える闘魂 アントニオ猪木展」が15日、閉幕した。午後5時の閉展時間を過ぎると、展示会場への出入りは止められ、クロージングイベントが開催された。今回はこの様子と次回の展示会に関する具体的な構想について記述する。(取材・文=“Show”大谷泰顕)

 クロージングイベントでは、まず入口に大きく、リングを模して設置されていた壇上から、京王百貨店 新宿店の鈴木隆宏取締役が、来場者と関係各位に御礼を述べることからスタートした。

「今回、暑い夏を猪木さんの元気で乗り切ろうということを主旨としまして、初めてやらせていただきました。皆さん方のご協力をいただきまして、無事に盛大に終わることができました。そしてこのダーのスペース、これはリングと同じ高さを精密に再現した場所なんですけども、ここに上がるのを、みなさん、恥ずかしいとおっしゃるんですけども、いざ上がって、『1、2、3』と呼びかけると、ダー! とやっていただきまして、カラダの真髄に猪木さんが染み込んでらっしゃる方に支えられて楽しんで終わることができました。本当にありがとうございました」(京王百貨店 新宿店 鈴木隆宏取締役)

 鈴木取締役が口にした「ダーのスペース」とは、グッズ購入者が特典として壇上に上がり、アントニオ猪木の等身大パネルと一緒に「1、2、3、ダー!」のポーズが撮れる撮影スポットのこと。新宿駅を行き交う人々を見下ろしながら、そんなポーズを取る機会などそうそうあるものではないが、それでもなかには恥ずかしさが込み上げる方もいたらしい。

 それでもスタッフが「1、2、3」と呼びかけると、「ダー!」と拳を上げる姿は、非常に爽快なものを感じた。日本有数の百貨店の壇上に上がってそんなポーズを取る、なんて非日常はなかなか体験できるものではない。

 関係者によれば、3日から開催された同展示会は、お盆を含む計13日間開催され、来場者数は3万人に及んだという。気になる売上は非公表だが、連日、予想を遥かに超える反響で品薄状態が続いていたという話から、かなりの金額を売り上げたことが予想される。

 しかも来場した計3万人のうち、10人に1人がグッズを買ったとすると、3000人は「1、2、3、ダー!」を体験したことになる。その度にスタッフも「1、2、3、ダー!」と一緒になってさけぶのだから、それもなかなか骨が折れたに違いないが、閉幕直後、鈴木取締役を直撃すると、次回の撮影スポットが今回と同じ手法になるのかはわからないとした上で、「できれば1万人の1、2、3、ダー!はやりたいですね」と答えた。

 そうなるとスタッフはさらに大変かもしれないが、実は開展中に「1、2、3、ダー!」の光景を何度か見る限り、やるほう(グッズ購入者)もスタッフも、総じて笑顔でいるのが伝わってきた。おそらくその様子を見ながら一番喜んでいたのは、あちらの世界に旅立たれた、アントニオ猪木本人だったことは想像に難くない。

SEAdLINNNGでのタイトルマッチ(8月25日、後楽園ホール)に向け、猪木のベルト姿の前でポーズを取るSareee【写真:ENCOUNT編集部】
SEAdLINNNGでのタイトルマッチ(8月25日、後楽園ホール)に向け、猪木のベルト姿の前でポーズを取るSareee【写真:ENCOUNT編集部】

期せずして湧き起こる猪木コール!

 そう考えると、あの展示会場には間違いなくアントニオ猪木が降臨していたと思うが、姿が見えないだけに、四方に向けて、自然と「ありがとうございます」と感謝を述べたくなっていた自分がいた。常々、この世界を元気に笑顔のあふれる状況にしたかったのがアントニオ猪木だったからだ。

 さらに鈴木取締役は、今回の展示会の成功を喜ぶと、壇上から早くも来年の具体的な構想を披露する。

「本当に気の早い話でございますけども、来年は世界格闘技の日、6月26日があるんですけども、その日を最終日といたしまして、6月20日か21日か、どちらかはまだ定かではございませんが、その1週間、来年は7階の大催会場というものが、ちょうどお正月に(日本全国の)駅弁大会とかをやるスペースがあるんですけども、そこのスペースを正式に使って、『大猪木展』か『超猪木展』かわかりませんけど、開催することが決定しました。また来年もお待ち申し上げておりますので、よろしくお願い致します。本当に2週間ありがとうございました」(京王百貨店 新宿店 鈴木隆宏取締役)

 鈴木取締役の話した「7階の大催会場」とは、今回のスペースの実に10倍ほどの広さを誇る。そこでの「超猪木展」(仮)となれば、どんなものが展示されるのか、今から想像しただけで楽しみが膨らむばかり。次回はデパート、電鉄、ホテルを持つ京王グループが連携し、これを盛り上げる構想も進んでおり、どんな趣向がなされるのか、正式な発表が待たれるところだ。

 モハメッド・アリとの「格闘技世界一決定戦」(1976年6月26日、日本武装館)があった日にちなんで制定された「世界格闘技の日」での開催も、楽しみに拍車をかける。

 続いて、アントニオ猪木の実弟・猪木啓介氏が閉幕のあいさつに登壇する。

「はじめまして、猪木啓介でございます。今日は本当(準備から含めて)15日間、みなさん、本当にありがとうございました。まだまだ暑い夏が続きます。カラダだけはくれぐれも気をつけていただきたいと思います」

 そう言い終わったかと思うと、啓介氏は「元気があればなんでもできる! 行くぞー! 1、2、3、ダー!」と拳を突き上げ、「ありがとうございます!!」と言って壇上を降りた。

 すると、期せずして、閉幕する「アントニオ猪木展」に湧き起こる猪木コール。

 そんななか、猪木元気工場の宇田川強取締役が「こちらのほうで閉場とさせていただきます。皆様、どうもありがとうございました。では、シャッターのほうを閉めさせていただきますので、お気をつけくださいませ」の言葉を発し、無情にも閉場のシャッターが閉められた。

 開催期間中は、数多くの著名人も訪れた「燃える闘魂 アントニオ猪木展」。閉場された展示会場には撤収作業をするスタッフの方々を尻目に、タイガージェットシンやアンドレ・ザ・ジャイアントなど、アントニオ猪木のライバルだった強敵の入場テーマ曲が流れていた。それはすでに次回の開幕を待ちわびるか予告編が流れているようだった……。

 なお、同展示場は17日からは「夏のパンフェスティバル」が開催されることになっている。

次のページへ (2/2) 【動画】閉幕する「アントニオ猪木展」の様子を撮影した実際の動画
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