日大学長、学生にアメフト部薬物事件を謝罪 批判噴出の「空白の12日」には触れず
日本大アメリカンフットボール部員の北畠成文容疑者が違法な薬物を所持していたとして逮捕されたことを受け、日大の酒井健夫学長が14日、在学生向けのメッセージを公式サイトに掲載し、「学長として、心よりお詫びします」と謝罪した。
大麻使用を自己申告した部員を厳重注意にした対応には「指摘を真摯に受け止め」
日本大アメリカンフットボール部員の北畠成文容疑者が違法な薬物を所持していたとして逮捕されたことを受け、日大の酒井健夫学長が14日、在学生向けのメッセージを公式サイトに掲載し、「学長として、心よりお詫びします」と謝罪した。
酒井学長は「本学学生の逮捕を受けて在学生のみなさんへ」と題し、声明文を発表した。北畠容疑者の名前は伏せているが、アメフト部の寮が事件現場になったことに触れ、「大学は改めて管理責任について重く受け止め、管理体制の見直しを検討してまいります」とした。
その上で、今月8日、東京・九段南の日大本部で開催した記者会見を振り返っている。
「会見の質疑応答において、あるいは各種メディアから、昨年度の大麻使用を自己申告した大学側の対応に、不適切なところがあったのではないかとの指摘がありました。法令違反に関する内容でありますから、アメリカンフットボール部及び競技スポーツ部からの報告に基づいて慎重に対応しましたが、それらの指摘については真摯に受け止め、あらためてこれまでの経緯等についても精査して改善を図ってまいります」
会見では、昨年11月下旬にアメフト部員の1人から「大麻と思われるとものを吸った」との自己申告があり、警察関係者に相談したものの、「物的証拠がない」「事実の証明ができない」などと回答されたと明言。これを受け、所轄の警察署には伝えず、部員に対しては口頭での厳重注意のみとしたことを発表していた。会見では「警察署に届けていれば、その後の事態は変わっていたのではないか」などの指摘が続出。そして、警察庁幹部が「『事実の証明ができない』と言われた」とする日大側の主張を否定したとの報道も相次いでいた。
会見では、問題視されていた「空白の12日」の説明もされた。大学側は7月6日、北畠容疑者の部屋の施錠可能な収納ボックスから、違法薬物の疑いがある植物細片と錠剤を発見。しかし、警察に報告したのは12日後の同18日だった問題で、競技スポ―ツ部を主管する責任者で元検事の澤田康広副学長が「まずは学生に反省をさせたいと思いましたが、本人が自首をできるような状況ではありませんでした。なので、私の責任で保管しました。7月で前期が終わる時期で日中にヒアリングはできず、(大学としての)調査を続けていたため、すぐに警察には相談できませんでした」などと説明した。林真理子理事長も「対応は適切でした」と言い切っていた。
直後からネット上では、日大側の説明に「全く納得できない」「適切ではない」「あり得ない対応」などの声が噴出している。しかし、酒井学長は今回の声明で「空白の12日」に触れることはなかった。