メンズノンノモデルから俳優転身の栁俊太郎、きっかけは浅野忠信 「1日1回、芝居しろ」の金言

モデル出身の俳優・栁俊太郎(32)が、Netflix映画 『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』(配信中、石田雄介監督)で主人公アキラ(赤楚衛二)の親友ケンチョ役を好演している。同作品は、ゾンビがまん延する世界で、主人公がゾンビ化する前に叶えたいことを実践していく物語。栁が叶えたいこと、ターニングポイントとなった出来事は?

『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』について語った栁俊太郎【写真:ENCOUNT編集部】
『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』について語った栁俊太郎【写真:ENCOUNT編集部】

自身が叶えたいのは「実家にいる両親に会う、親友と飲む」

 モデル出身の俳優・栁俊太郎(32)が、Netflix映画 『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』(配信中、石田雄介監督)で主人公アキラ(赤楚衛二)の親友ケンチョ役を好演している。同作品は、ゾンビがまん延する世界で、主人公がゾンビ化する前に叶えたいことを実践していく物語。栁が叶えたいこと、ターニングポイントとなった出来事は?(取材・文=平辻哲也)

 栁は2009年に第24回メンズノンノモデルオーディションでグランプリを受賞し、モデルとしてキャリアをスタートさせ、パリコレクションやミラノコレクションなどに出演。2012年以降は俳優としても活躍し、20年のNetflixシリーズ『今際の国のアリス』ではラスボス役で注目を浴びた。

 本作は『今際の国のアリス』の原作者・麻生羽呂が再び高田康太郎(作画)と組んで大ヒット中のコミックが原作。広告代理店で社畜のごとく働く主人公アキラが、突然、ゾンビ化する世界の中で、自身が本当にやりたかった夢を見つけていく……。栁は、アキラの大学時代の友人でアメリカンフットボール仲間のケンチョを愛らしくコミカルに演じている。

「自分とはかけ離れた役かと思ったのですが、プロデューサーが素の自分を見て、キャスティングしてくれたそうです。ケンチョはビビリだし、人から笑われることが多い。確かに、僕に近い部分があったので、違和感はなかったですね」

 Netflix作品は既に経験済みだが、今回もスケールの大きさを実感した。日本を代表する繁華街、新宿を舞台に、ゾンビ襲来からの大脱出劇が大きな見どころになっている。

「新宿のシーンは横浜にオープンセットを作ったり、歌舞伎町も本物そっくりに再現したり、名古屋の栄通の4車線を全面封鎖して撮影するなど規模感がすごかったです。ゾンビ役のエキストラの方々も大勢いて、相当怖かった。リアリティーがあって、素晴らしかったです」

 ケンチョはビビりながら逃げていく姿にコミカルさを滲ませているが、「全く笑わせようという感覚は全然なくて、本気でゾンビの世界に入り込んで、本気で逃げていました。どう逃げるのか、何をするのかについては監督と話し合いながら作っていきました」。

 赤楚とはWOWOWオリジナルドラマ『ヒル』で共演しているが、親友役は初めて。

「衛二はとても明るくて、一緒にいると、こっちも楽しくなる。そのままアキラみたいな人です。WOWOWの作品では、敵対する役柄だったので、距離近い関係性で芝居できるのがうれしい。短い期間で親友同士の関係を作り上げなければいけなかったので、一緒に行動して、地方ロケでも一緒に部屋で話したりしました。合宿感覚で楽しかったです。(赤楚、白石麻衣の)3人で水族館を目指すシーンは花火だったり、温泉行ったりと旅行気分で、ただただ楽しい撮影でした」

 主人公アキラは、ゾンビ化する世界の中で、「ゾンビになるまでにやりたいことリスト」を作るが、栁がやりたいことは何か。

「アキラは親友に謝らなきゃいけないとか、好きな人に気持ちを伝えなきゃいけないと思いつくわけですけども、僕も、やりたいことよりは、やらなければいけないことを先に思いつきました。実家にいる両親に会う、親友と飲むなどですね。最期は自分一人で過ごすより、大切な人と過ごしたい。後は犬と遊んでいたいかな。実際、仙台にいる親には会いに行きましたし、姉や姪っ子と会いました。両親は元気なんですが、会うと、だんだん小さくなってきたなと思います」と家族思い面も覗かせる。

ターニングポイントとなった出来事を明かした栁俊太郎【写真:ENCOUNT編集部】
ターニングポイントとなった出来事を明かした栁俊太郎【写真:ENCOUNT編集部】

俳優への転身、きっかけは浅野忠信からの助言

 俳優としてのキャリアは約10年。俳優への転身は、ハリウッドでも活躍する俳優・浅野忠信に相談したことがきっかけ。2022年は10本以上のドラマ、映画に出演する売れっ子になった。

「浅野さんには感謝しています。現場を見に行かせていただき、俳優になろうと決心しました。浅野さんからは『1日1回、芝居しろ』と言われました。作品がなくても、自分で書いてもいいし、モノマネでもいい、と。海外のオーディションを受ける時などにも、浅野さんに電話して、親身になって教えてもらいました。事務所を移った今でも親交が続いています」

 ターニングポイントとなったのは、12年に映画監督のソフィアコッポラの姪で映画監督のジア・コッポラが演出したユナイテッド・アローズのCMに出たこと。モデルの水原希子との共演だった。

「僕の場合、モデルとして認知されて、役が来る方が多いんです。LAのチームが日本に来て、ハリウッドって、こういう感じなんだと分かりました。それから、(映画『生きているだけで、愛。』の)関根光才さんが台湾、香港で撮影した約10分のショートフィルムも、いろんな人に見てもらうことができました」と振り返る。

 世界190か国に配信された『今際の国のアリス』の配信後には、Instagramに外国人からのメッセージをもらうようになった。「地球の反対側のブラジルからも来るんです。『ゾン100』も世界に配信されますし、東京や地方の美しい風景、日本独特の味が出ていると思うので、世界中の人に届けばと思っています」と栁。本作でも、世界から寄せられるコメントを楽しみにしている。

□栁俊太郎(やなぎ・しゅんたろう)1991年5月16日生まれ。宮城県出身。2009年に第24 回メンズノンノモデルオーディションでグランプリを受賞。パリコレクションやミラノコレクションなどに出演。2012年に俳優デビュー。世界190か国に配信された Netflix『今際の国のアリス』をはじめ、映画やドラマで話題作に続々出演。2022年は10本以上のドラマ、映画に出演。直近ではフジテレビ連続ドラマ『スタンド UP スタート』、7月期テレビ朝日連続ドラマ『ハレーションラブ』に出演している。

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