韓国の鉄道、優先席にぬいぐるみがおかれている理由 視覚的に効果「凄くいいアイディアだな」「これ素晴らしい」

優先席にぬいぐるみが―。韓国の電車で妊婦が座りやすいようにするための取り組みが話題となった。ぬいぐるみを置くことにどんな目的があるのか。そしてその効果は? 写真を投稿した佐藤さん(@satoappa)に話を聞いた。

ぬいぐるみが置かれた韓国の『妊産婦配慮席』【写真:ツイッター(@satoappa)より】
ぬいぐるみが置かれた韓国の『妊産婦配慮席』【写真:ツイッター(@satoappa)より】

「出生率が低い韓国だからこその取り組み」と解説

 優先席にぬいぐるみが―。韓国の電車で妊婦が座りやすいようにするための取り組みが話題となった。ぬいぐるみを置くことにどんな目的があるのか。そしてその効果は? 写真を投稿した佐藤さん(@satoappa)に話を聞いた。

 韓国法人(宝飾関係)で経理・制作・会場設置・百貨店で販売等をしているという佐藤さん。写真を投稿したのは昨年11月。写っているのは韓国で走る電車の車内だ。通常の座席は青色のシートとなっているが、角はピンクの座席となっており、そこにはかわいらしい小さなぬいぐるみが座っている。胸には「A’REX」の文字が見える。韓国を走る鉄道で用いられているようだ。

 佐藤さんは自身が知っている範囲の情報として、「出生率が低い韓国だからこそ、妊婦を気遣う取り組みだそうです。細かく言うと韓国では『妊婦席』ではなく『妊産婦配慮席』という名前になります。妊産婦配慮席は各車両に2?4席配置されていて、どれもいすの両端にあるため、乗り降りがしやすくなっています」と解説した。

 日本ではこのような座席は見られないが、韓国では一般的に使用されているのだろうか。佐藤さんは「私が見た時は座っている方がいなかったので写真を撮りましたが、一定程度はいるとは思います」と話す。実際に座る際は、「座る時、人形を抱えなくてはならないため自然と妊婦さん以外は座りづらくなるそうです」と分析。本当に必要な人が座れるような仕組みになっているという。

 座席の工夫はぬいぐるみだけではない。「妊婦席がピンク色な事もあり、韓国の男性はこの席に座りたがらないです(『ピンクは女性の象徴』的な認識が強いので)。これはリアルにこの席に男性が座っているのを見たことがないです」。視覚的な部分からも効果を発揮しているようだ。

 現在までに300件近いリツイートと1700件を超えるいいねがついたこの投稿。反響について、「良いアイデアだという意見が多く、『お金をかけなくてもアイディア次第でやりようはあるという好例』『妊婦さんのイラストもお腹が大きい姿でないのが良い。お腹が目立つようになる前も配慮が必要だもんね』『ぬいぐるみをどかさないといけないから変な男にも効きそう』『凄くいいアイディアだな』『これ素晴らしい』などといった声が届いています」と関心の高さに驚いていた。

次のページへ (2/2) 【写真】韓国の地下鉄の実際の車内
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