映画「砂の器」の名子役、アメ車カスタムの社長に…ドラマ&映画でカーアクション担当
9月13日に千葉で「アメリカン・スワップ・ミート・EAST」開催
――では、関係者のみなさんは、この記事を読んで、ビックリされるかもしれませんね。ご苦労されたことはありますか。
「恥ずかしい話なんですけど、用意していた車が、カーチェイスの初撮りで壊れてしまったんです。監督からは『なんとか動かしてくれ』と言われ、必死でメンテナンスしました。現場を止めちゃいけないというのは、昔から知っていたので、これがしみついていたんです。2カットくらい撮る度にオイル交換して、なんとかエンジンかけて……。演者の影に隠れて、車に乗ることもありました。休憩の間に息子と一緒にメンテナンスして、『いつでもどうぞ』っていう状態を100%作ってあげようと頑張りました。そんな人はいなかったらしく、スタッフのみなさんがびっくりしていました。地方ロケでは車のオフ日をもらって、ホテルの駐車場で整備したこともありましたよ(笑)」
――息子さんとお仕事できるのはいいですね。
「息子は今年で25歳になります。最近は芸能関係のお仕事が増え、大分、仕事が板についてきたみたいです。映画版では、相手のドライバー役をやったり、俳優さんとも一緒に待機時間を過ごしたりと、いい時間を過ごしたみたいです」
――今後もドラマや映画の仕事もやっていくのですか。抱負を聞かせください。
「チャンスがあれば、ぜひ。車に乗る人は減っていますので、自動車業界は難しい時代になりそうですが、素晴らしいものがいっぱいあったんだよと紹介できたらと思っています。映画に出るというのは、会社にとっても、カスタム業界にとっても励みになるんじゃないかと思います。コロナ禍の影響で、自動車のイベントもなくなってしまったので、カスタム業界の活気づける意味で、イベントをやりたいと思っているんです」
――具体的な計画があるんですか。
「9月13日に千葉・長柄町のロングウッドステーションで、『アメリカン・スワップ・ミート・EAST』というものを開催します。車、モーターサイクル、パーツ、雑貨、アンティーク、サーフィン、ハワイアンなどアメリカンカルチャーを味わえるイベントです。コロナが終息し、皆さまの笑顔がたくさん拝見できましたらと思っております。千葉県は(映画『砂の器』で共演した)森田健作知事のお膝元なので、ご迷惑をかけないようにしないといけませんね(笑)」
□春田和秀(はるた・かずひで)1966年5月14日生まれ、愛知県名古屋市出身。3歳の頃から子役として活躍。映画「砂の器」では主人公の少年時代を演じた。ドラマは、木下恵介アワーの最終作「わが子は他人」、田宮二郎主演の「白い地平線」、林寛子主演の「がんばれ!レッドビッキーズ」、ポーラテレビ小説「こおろぎ橋」に出演。映画は、主人公のゲン役を演じた「はだしのゲン 涙の爆発」などに出演した。15歳の時に引退し、現在、自動車関係の会社を経営している。