白ひげ、ミホーク…アニメ『ONE PIECE』声優交代の舞台裏には“胸アツ”エピソード
1999年の放送開始から今年で24年目になる大人気アニメ『ONE PIECE』。多くの有名声優や大御所声優が配役された本作品だが、長い月日の間に声優が交代することもしばしば見られた。その舞台裏では、意外なエピソードや思いがけないキャスティング変更が存在している。今回はその中でも特に印象的なエピソードを紹介する。
長年放送を続けるアニメには思いがけないキャスティング変更も
1999年の放送開始から今年で24年目になる大人気アニメ『ONE PIECE』。多くの有名声優や大御所声優が配役された本作品だが、長い月日の間に声優が交代することもしばしば見られた。その舞台裏では、意外なエピソードや思いがけないキャスティング変更が存在している。今回はその中でも特に印象的なエピソードを紹介する。
まず1人目は、「白ひげ」ことエドワード・ニューゲートの声優にまつわるエピソードだ。当初、白ひげ役を務めていたのは有本欽隆(ありもと・きんりゅう)さんで、『ONE PIECE』以外にも『機動戦士ガンダムSEED』のパトリック・ザラ役や『ちはやふる』の綿谷始役など多くのアニメキャラを演じていた。しかし、2019年2月に食道がんのため死去。白ひげ役は後任の声優が引き継ぐことになった。
有本さんの後任として白ひげ役に配役されたのは、なんと同じく『ONE PIECE』でサー・クロコダイルを演じている大友龍三郎である。白ひげ、クロコダイルともに本編に大きく関わってくる重要なキャラクターだが、同じ声優がそれぞれの役を務めているという事実に、ファンの間では多くの意見が飛び交っている。
実際にネット上では「大友さんの声は白ひげに合ってるけど、初代のイメージが強過ぎる」という声もあれば「大友さんが有本さんに似せてる感じが、ありがたいのとさすがですって思い」と、大友の演技力を称える声も寄せられていた。
さらに、大友はワノ国に登場する光月スキヤキの声も担当しており、アニメ『ONE PIECE』には欠かせない声優といえる。
「世界一の剣豪」としてその名を知られているジュラキュール・ミホークも、声優交代を経ているキャラクターである。ミホークの初代声優は『ちびまる子ちゃん』の友蔵役や、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のドク吹き替え担当(ソフト版)として知られる青野武さんだ。青野さんは、2010年頃から解離性大動脈瘤という病気を発症し、リハビリのために声優業を休止することになった。そのため、同年から掛川裕彦がミホーク役を担当している。
青野さんは惜しまれながらも12年に死去し、その後は現在まで、掛川がミホーク役を担当。青野さんと同じく、アニメ『ちびまる子ちゃん』にも出演しており、まる子たちのクラスの担任・戸川先生役を演じている。
そのため掛川は、アニメ『ちびまる子ちゃん』で友蔵役を演じていた青野さんと、長年にわたり共演していたのだ。そんな2人が『ONE PIECE』で同じ役を演じることになったのはとても興味深いエピソードである。
声優の変更は、白ひげやミホークだけではない。同作に登場する海軍キャラ・スモーカー大佐(現在は海軍GL第5支部/中将)の声は、『クレヨンしんちゃん』の野原銀の介(しんのすけの祖父)や『忍たま乱太郎』のヘムヘム役でおなじみの松尾銀三さんが当初務めていた。しかし01年、松尾さんは急性クモ膜下出血により急逝。これを受け、大場真人がスモーカー役を引き継ぐことになった。そして大場と言えば、アニメ『ONE PIECE』の放送開始当時からナレーションを務める人物としても知られている。
『ONE PIECE』は長年にわたり放送されているアニメのため、途中で声優が交代することも珍しくない。しかし、その裏では、さまざまなエピソードが繰り広げられている。そんなエピソードに思いをはせてアニメを鑑賞するのも、楽しみ方のひとつかもしれない。
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