主演作が相次ぐ20歳・吉田美月喜、名前に込められた親からの思い「女優になれてよかった」
ドラマ、映画、舞台で活躍する俳優の吉田美月喜(20)が映画『パラダイス/半島』(7月21日公開、稲葉雄介監督)でヒロインを務めた。有名俳優(染谷俊之)とそのめい(吉田)と逃亡犯が織りなす奇妙な共同生活を描く。二十歳を迎えた吉田が新たな誓いを立てた。
不安抱えるヒロインに共感「女優やっていなかったら何をしてたか」
ドラマ、映画、舞台で活躍する俳優の吉田美月喜(20)が映画『パラダイス/半島』(7月21日公開、稲葉雄介監督)でヒロインを務めた。有名俳優(染谷俊之)とそのめい(吉田)と逃亡犯が織りなす奇妙な共同生活を描く。二十歳を迎えた吉田が新たな誓いを立てた。(取材・文=平辻哲也)
常盤貴子と母娘を演じた『あつい胸さわぎ』(1月公開)、『カムイのうた』、(秋公開)、1人何役もこなす舞台『モグラが三千あつまって』(7月14日~30日、新国立劇場 小劇場、演出:長塚圭史)など主演作が目白押しの吉田。3月には二十歳の誕生日を迎えた。
「20歳になる前は、大人になるのだから、もっとしっかりしなきゃと思っていたのですが、実際なってみると、あんまり変わんないぞ、と思ってしまいました(笑)。お酒も飲んでみましたが、両親もあまり強くなくて、私も同じみたいです。ただ、責任感は持っていきたいと思っています」
本作は、半島に建つ畑つきの一軒家で長期間休養している有名俳優が、ふとしたことから逃亡犯となった親友をかくまうというストーリー。出演は稲葉監督からのオファーだった。吉田の役は有名俳優のめいっ子、夕起。アルバイトをしながら、将来に対して漠然とした不安を抱えている。
役作りでは、自身との共通点を見つけるのが出発点。
「夕起の気持ちは分かります。私自身、女優をやっていなかったら、今頃、何をしていたんだろうと思います。幼い頃からバレエを習ったり、部活ではテニスやバスケットボールもやっていましたが、バレエは才能ないと思っていましたし、部活はみんなとやることが楽しかっただけ。同年代の子は就職活動をしていますが、やりたいことが分からないという子も結構いて、私もそうなっていたと思います」
撮影は昨年8月。ロケ地は監督の別荘で、アットホームな雰囲気で行われ、滞在先のホテルも4人部屋の和室を独占でき、リラックスでき、オフにはキャスト、監督らとボーリング場で交流を深めた。
「恋愛の相手役ではなく、めいという絶妙な位置は初めてでした。染谷さんにタメ口で話す役で、違和感なく話せるかなと思ったのですが、お兄ちゃんみたいにしてくださったので、すごく楽しく役に臨むことができました。私自身は一人っ子で、お兄ちゃんが欲しかったのですが、疑似体験もできました」
夕起は、「夕方に起きる」という字面にコンプレックスを持っているが、吉田は「美月喜」という名前を気に入っている。
「母にも月という文字が入っているんです。美しい月を見て、人が笑顔に喜ぶように、人をその笑顔にできる人になってほしいというのが由来なので、幼い頃から、人を喜ばせる職業にはなりたいとは思っていました。だから、女優になれてよかった。今後も、いろんなオーディションを受けて、いろんな役に出会っていきたい。まだ未熟だとは思っているので、もっと頑張っていきたいと強く思っています」。今後も20代を全力で駆け抜けていく。
□吉田美月喜(よしだ・みつき)2003年3月10日、東京都出身。17年にスカウトされ芸能界に入る。かんぽ生命保険の企業広告『人生は、夢だらけ。』シリーズで注目を浴びる。その後、20年Netflixドラマ『今際の国のアリス』、TBS日曜劇場『ドラゴン桜』など話題作の出演。2023年には映画『あつい胸さわぎ』で主演、日本テレビ『沼る。港区女子高生』、フジテレビ『クライムファミリー』にてメインを務めた。現在、主演舞台「モグラが三千あつまって」が公演中、また、今秋には主演映画「カムイのうた」の公開が控えている。