AI駆使したダンス動画、初音ミクが“おじさんに戻る瞬間”が反響 「悲しいくらい夢が覚める」
「一般人おじさんでも初音ミクになって踊れる可能性と未来がある。男に戻る瞬間もある」。AI技術で生身のダンスにバーチャルキャラクター「初音ミク」の姿を重ねた動画がネット上で話題を呼んでいる。製作者はAI編集歴わずか3か月の珍味(@hanageshinnkenn)さん。謎に包まれた“バーチャル美少女おじさん”の正体に迫った。
踊っている様子を静止画で切り出し、1枚ずつAIを重ねていく手法で製作
「一般人おじさんでも初音ミクになって踊れる可能性と未来がある。男に戻る瞬間もある」。AI技術で生身のダンスにバーチャルキャラクター「初音ミク」の姿を重ねた動画がネット上で話題を呼んでいる。製作者はAI編集歴わずか3か月の珍味(@hanageshinnkenn)さん。謎に包まれた“バーチャル美少女おじさん”の正体に迫った。
自宅と思しき室内で、長く青いツインテールをなびかせて軽やかに踊る美少女……と思いきや、一瞬短パン姿で迫真の表情で踊る男性の姿が写り込む。先月下旬、珍味さんが公開した動画は2万件を超えるリツイート、7.8万件の“いいね”を集めるなど大きな話題に。「ミクに混ざって時々出てくる白シャツ短パンのかわいい子はどなたですか?」「サブリミナル効果でおじさんの方が印象に残る」「シンデレラはやっぱり魔法が解けちゃうんですね」「悲しいくらい夢が覚める瞬間がある」「中2の息子が呼吸困難おこしてましたw」と爆笑の声が寄せられている。
ウェブ関係の会社で、AIについて独学で勉強しているという珍味さん。AI編集ソフトは仕事の関係で扱い始めてまだ3か月ほどというから驚きだ。
「自分が踊っている様子を静止画で切り出して、1枚ずつAIを重ねていくというアニメーションのような方法で作りました。AI動画の基本的な手法のひとつです。まだまだスキル不足で、ときどきAIがうまく変換できなくておじさんの姿に戻ってしまうんですが、正直技術的な難しさは全くない。製作時間は12時間くらい。時間はかかりましたけど、やってみれば誰でも作れると思います」
AI編集についてはまだまだ勉強中の身というが、一方でダンス歴は20年以上の大ベテラン。慶応大時代にはストリートダンスサークルに所属し大学対抗ダンスバトルで全国準優勝、日本一を決めるアニソンダンスバトルで優勝した経験もあるという。「母がピアノ教室の先生で、物心ついたときからピアノの曲に合わせて踊ってました。小学校入学と同時にダンススクールに通わせてもらって、大学受験くらいまで続けました」。一時はダンサーの道を志したこともあったが、社会人として実現したいことも多かったため、就職。現在でも人気オンラインゲームのウェブCMに出演するなど、二足のわらじの生活を送る。
「今回は初音ミクでしたけど、次はオリジナルキャラや3Dモデルでやってみたい。あとは、パソコンの右下に表示して、面倒な手続きとかを丸投げできるAIキャラを作ってみたいなと思っています。どんな思いつきでも、専門的なスキルがなくても実現できるというのがAIの魅力。クリエーターの仕事が奪われるという難しい問題もありますが、よりよい方向に発展していけばいいなと思います」
誰でもなりたい自分になれる世界はすぐそこまで来ているようだ。