「もう私1人の体ではない」動物園の巨大ヒル、説明書きが“ホラー”と話題 飼育員に真相を聞いた

この時期、アウトドアで遭遇しうる不快生物・ヒル。人の血を吸うことから嫌われがちな存在だが、群馬・草津温泉の草津熱帯圏で飼育されている世界最大のヒル、ネッタイチスイビルの展示がネット上で話題を呼んでいる。飼育係が健康にこだわるようになった“ある理由”とは……? 草津熱帯圏の担当者に真相を聞いた。

草津熱帯圏に展示されたネッタイチスイビルの不穏すぎる説明書き【写真:草津熱帯圏提供】
草津熱帯圏に展示されたネッタイチスイビルの不穏すぎる説明書き【写真:草津熱帯圏提供】

元は飼育員のペットとして迎え入れたのが展示の始まり

 この時期、アウトドアで遭遇しうる不快生物・ヒル。人の血を吸うことから嫌われがちな存在だが、群馬・草津温泉の草津熱帯圏で飼育されている世界最大のヒル、ネッタイチスイビルの展示がネット上で話題を呼んでいる。飼育係が健康にこだわるようになった“ある理由”とは……? 草津熱帯圏の担当者に真相を聞いた。

「東南アジアの沼地に生息する吸血性のヒルで主な吸血対象は魚、カメ、両生類、沼をわたる水牛など。口の形がY字型でこの形にそって鋭い鋸状の歯が生えており、これで皮膚を切り裂いて吸血する」「大きさは最大で45cm、アサヒスーパードライの瓶くらいになる。そのサイズに育つには魚類や両生類の血液では栄養不足であり、ほ乳類の血液が必要となる」

 ネッタイチスイビルの生態について、淡々と解説した草津熱帯圏の説明書き。この時点でなかなかにおどろおどろしい内容だが、さらにおぞましいのはその後半部分だ。「これを書いてる飼育係はある理由で健康に拘るようになった。ニコチン増し増しの血液ではいけないのでまずタバコをやめ、ついでに腸内環境配慮のタンパク質、野菜、キノコ類中心の食事に切り替わった」「私の健康とヒルが関係あるのかって? 大アリです。なぜなら展示してるヒルの餌は…。もう私1人の体ではないのです」と不穏な一文がつづられている。

 この説明書きを巡り、ネット上では「飼育員さんの解説に信じられない話がありました。流石にウソ・・だよね? ウソだと言ってよ、ねえ!」「最後まで説明文読んでギャー!」「説明書きの後半がホラー」「飼育員のプロ根性に脱帽」「草津熱帯圏、飼育員のセンス高めで解説めちゃ面白いので全人類におすすめしたい」「飼育員はやっぱり凄い変態! めっちゃいい意味で!」と大きな反響の声が寄せられている。

 草津熱帯圏のネッタイチスイビル飼育担当者は「元は私のペットとして迎え入れたのが始まりですが、不気味で奇妙なデカいヒルといった生き物が見られる動物園なんて他にあっただろうか……こんなフィクションの世界にしかいなさそうな生き物を一般公開、展示しない手はないだろうと」と展示の経緯について説明。

 気になるヒルの餌については「全ての個体ではありませんが、展示の大きい個体など一部の個体には私の血液を与えております」とあっさり認めつつ、「ヒルの生存に関していえば金魚やフナなど生きた魚類があれば十分です。しかしこのヒルが持つポテンシャルをできるだけ引き出す、大きく育てるには哺乳類の血液が必要となります。それも何にも邪魔されずゆったりまったりと己が満足するまで血液を吸う。自分自身を差し出すのが一番有効なのです」と飼育員としてのこだわりを語った。

 また、吸われる際の感覚については「その時のヒルの大きさで全然違うのですが、生まれて間もないヤマビルと同等サイズならほとんど痛みはありません。全長7~10センチくらいの個体でちょっとピリピリ痛む程度です。全長20センチサイズくらいから、じわじわまち針押し付けられてるような痛みが断続的に続きます」とのこと。痛みはヒルが吸い付き皮膚を歯で切り裂いてるほんの最初のうちだけで、吸われ始めて10分もするとヒルの唾液に含まれる成分の影響か痛くなくなるが、吸血後には傷口周辺がぷくーと腫れてかゆみが2日ほど続くという。

 展示の反響について、担当者は「私のイタズラ心のようなものもあったため、やはり悲鳴をあげ気味悪がる人はいます。しかしヒルとはヤマビルサイズのものが一般的な認識のため、これほど大きいヒルを目にして驚がくしている人も多い。真夏の心霊特番を見る怖いもの見たさで見る人が多いです」と話している。

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