「命につながる電話です」集中治療室への迷惑電話に救急医が怒り 不動産業者から営業も
医療機関、とりわけ緊急治療を要するCCU(重症冠動脈疾患集中治療室)へのイタズラ電話に対し、憤りをつづった救急医の投稿がネット上で話題を呼んでいる。命に関わる現場への悪質な迷惑行為に対し、SNS上では批判の声が殺到。都内で救急診療を行う救命医エルメス(@doctor_birkin)さんに詳細を聞いた。
緊急治療を要するCCU(重症冠動脈疾患集中治療室)への悪質な迷惑電話が話題に
医療機関、とりわけ緊急治療を要するCCU(重症冠動脈疾患集中治療室)へのイタズラ電話に対し、憤りをつづった救急医の投稿がネット上で話題を呼んでいる。命に関わる現場への悪質な迷惑行為に対し、SNS上では批判の声が殺到。都内で救急診療を行う救命医エルメス(@doctor_birkin)さんに詳細を聞いた。
「不動産業者へ あなたが昨日一回だけ当院へ電話してきた不審電話 医者の名前を語って個人情報を聞き出そうとした電話 CCUホットラインですよ あなたは医者ですか? コレはCCU 命につながる電話です」「何度も説明しました 私は医者だと名乗り続けました 折り返しの連絡先を聞いたら罵詈雑言 都内の救急医療はパンクしてます ホットラインが鳴り続けています」
今月11日、CCUへの迷惑電話に対して怒りを露わにしたエルメスさんの投稿は、7000件を超えるリツイート、2万件の“いいね”を集めるなど話題に。「絶対許せません。命の現場と自分のノルマを並列に扱うなんて」「これは本当にひどい」「立派な偽計業務妨害」と批判の声が殺到している。
投稿者のエルメスさんは「今回の不審電話が100%不動産業者とは言い切れない」と前置きしつつ、電話の詳細について次のように明かす。
「CCUホットラインは通常の内線、外線とは異なる着信音が鳴る緊急で特別な電話です。電話があったのは10日午後8時頃。『整形外科の○○だけど、すごく緊急の要件だから、電話帳リストの先頭にある研修医の名前と連絡先を教えてほしい』と言われました。○○先生は実際に勤務している先生ですが、声も雰囲気も違う。循環器内科に整形外科の医師が緊急で電話してくる用もありません。CCU専用番号のため、かけ直すために折り返しの連絡先を教えてほしいと伝えましたが、『なんで口頭で言えないの? 急いでるんだけど、すごく困るんだよね。口頭で言ってくれる?』『だから、なんで口頭で言えないの? 急いでるんだよ。口頭で言えばすぐ済むだろ。ふざけるな』というどう喝の末に切られました。後日、その先生に確認したところ、電話はしていないとのことでした」
緊急ホットラインへの不動産業者を名乗った電話は過去にも複数回あり、「心肺蘇生中の音が聞こえませんか? 電話やめてください」「命に関わる電話なので、二度と電話しないでください」と告げたところ「ふーん、それで?」「誰か死んだって構わないよ。それより節税のいい話があるんですよ」と食い下がられたこともあるという。
「以前から不動産の節税対策の電話や不審な電話には困っていました。病院も非通知電話を受けない、怪しい電話には対応しないなど徹底するよう通達がでていますが、年度の切り替わりで不慣れな人を狙う、事情をしらない研修医を狙う、実在する医師の名前を使用するなど不審電話とは分かりづらい形で連絡をしてきます。警察に相談しても、相手が分からない、実際の被害がないことから何もできない。今まで医療者は泣き寝入りを強いられていましたが、一石を投じる思いで投稿いたしました」とエルメスさん。
不動産業者による営業ノルマを満たすためだけの電話だとしたら、断じて許されることではない。